2020-01-01から1年間の記事一覧
『カンヌ国際映画祭で二冠、近作10作品すべてが世界三大映画祭に選出されている日本未公開の鬼才』との紹介に押されて観に行った。 歴史、政治を下支えし、その原動力となる存在――「群衆」に目を向けた
美しく暗いモノクロフィルムでの旅写真。タイトルのロシア語「Домой」(ダモイ)は「家へ・故郷へ」といった意味があり、単独で使われる時には「家・故郷に帰る」という意味を持つ。 【会期】2020.12/15(火)~12/20(日)
霧の彫刻家・中谷芙二子が京都の空き地で霧を噴かせていて、会期がもう終わる、と聞いて、いそいそと駆け付けます。ました。いそいそ。 中谷芙二子作品は、アートイベント好きな人間だと横トリや瀬戸内で出会ったことがあるかもしれません。場に立つとシュー…
作者の居住地である三重県の銭湯を撮影した作品群。店の外観、入り口や脱衣場、浴場などを淡々と、力強く記録している。現役の施設の活きの良い姿を押さえているため、建物や内装は古いのに、不思議とノスタルジー感がなく、現在性が強い写真なのが驚きだ。 …
内倉氏の名と代表作は写真新世紀やEMONの受賞などで、Web越しに度々目にし、神秘的なムードを湛えた赤ちゃんの写真が印象に残っていたが、まとまった数の生作品と対面するのは初めてだった。 本作では表情以前の表情、喜怒哀楽のどれにも当てはめられない、…
12/15(火) 寒波でつらい。つらい。つらい。 いつものように死んだ目で家に帰ると、ポストに二通の封筒が。 封筒。最近見ないですよね。いただくのは久々です。犯行予告でしょうか。裁判所からの訴状でしょうか。ドキドキ。
『A=A A≠A』(エーイコールエー、エーノットイコールエー)は「1枚の写真プリントAを2000回繰り返しコピーする」手法により、作者の思考を鑑賞者に我が事として染み入らせる。それと同時に、ある具体的な像Aが名状しがたい化け物のような像へ変貌してしま…
会場が白い。 壁面の白さと額装の白、そして写真の白とが雪の世界を演出する。写真はモノクロだが、白と灰色がほとんどで「黒」という色を感じさせない。厳しい北海道の冬、雪が視界を支配する世界が現わされている。 【会期】2020.12/1(火)~12/13(日)
本作『BELL』は、古典『安珍清姫物語』(あんちんきよひめものがたり)を写真で表現した創作的な作品だ。現在の現実に、物語の世界観が乗り移るようにして展開される。プリントがそれぞれ多種多様な額装で提示されているのは、それぞれのシーンが同じ時系列…
新宿眼科画廊で個展を開催中の写真作家・青木大祐(あおき・だいゆう)氏と、インスタライブで作品についてお喋りしました。トークでお聞きしたことも踏まえつつ、トークでは体系化して語れなかった私の感想や解釈をこの場でまとめたいと思います。 かなり独…
新型コロナ禍で外へ自由に出られなかった今年。外に出ること、人と会うことが困難になり、内面を見つめる時間が長くなった環境下で制作された作品群は「作家の日記」『Diary 2020』と名付けて展開された。 作品は動画映像が3本です。いずれも作者自身のパフ…
岩宮武二の生誕100周年を記念した展示が大阪で2カ所同時に開催された。「大阪府20世紀美術コレクション」の中から、enoco(江之子島文化芸術創造センター)では『佐渡』シリーズを中心に初期作品から写真以外の実験的な作品までを俯瞰的に揃え、BLOOM GALLE…
妹尾豊孝(せのお・ゆたか)、関西・大阪の写真(史)において欠かすことのできない写真家であるが、少し前の世代でもあり、今こうしてまとまった形で展示を観ることが出来たのはとても有難かった。 展示は「大阪環状線 海まわり」と「5,000,000歩の京都」の…
2000年頃の日本各地、旅先のレトロな光景が21点並ぶ。2020年の春、緊急事態宣言による外出制限で家から出られなくなった作者は、約20年前の作品を自宅の暗室でプリントした。 味わいのある風味のカラーで、日本各地のスナップが並ぶ。記憶の中を辿るような写…
奈良の奥地でアートイベント『奥大和 MIND TRAIL』レポ続編。天川村・大原山を下りて、昼飯を食べたのち、ラスト・3箇所目となる「曽爾(そに)エリア」に移動します。ソニー! 地味に遠いです。 インスタキラキラ勢・御用達、曽爾高原のススキを見に行く予定で…
( ´ - ` ) おやようございます。『奥大和 MIND TRAIL』で洞川温泉に宿泊し、朝になりました。紅葉の綺麗な龍泉寺で撮影の後、うまい朝飯を食べて、作品鑑賞というか山道へと分け入ります。山上川沿いの散策路は自然おいしいです。めちゃくちゃ良い。惚れま…
アートイベント「奥大和 MIND TRAIL」はそぞろ歩きツアー、山歩き入門編の様相を呈し、アートというよりも新型コロナ禍で衰えた身体と向き合う試練となりつつあった。 レポ第3部は吉野エリア・山道を下りきった後のていたらく、昼飯、そして宿泊地の洞川温…
「奥大和 MIND TRAIL」吉野エリア・第2弾は、吉野山の山道に分け入りながら下っていきます。yamaだ!yamaだ!! からだの奥がよろこんでゐます。おもしろ&知的なアート作品もあるよ! 力石咲さんの発想は学ぶべきところがあります。 「人間が知性を持って…
今年が初のアートイベント『奥大和 MIND TRAIL』。吉野、天川、曽爾(そに)の3エリアで展開されています。プロデューサーは「ライゾマティクス」代表取締役の斎藤精一氏。 他の地域系芸術祭と異なり、地元の道を歩くことに力点が置かれていて、作品は圏外…
「そっちはどうだい」。はっとさせられる一言だった。 「そっち」と「こっち」が明確に分かれてしまった、ウィズコロナというもうひとつの日常。冒頭1枚目のセルフ・シャドウ・スナップは、作者からの声なき声となって響いてゆく。 【会期】2020.10/20~11/1
スナップ写真を組み合わせた展示は、プリント、スクリーンへのスライドショーの投影、スクリーンから透過した像を受け止めるミラーの3種類の映像から構成されている。 タイトルの『Unveil』とは「ヴェールを取る、覆いを除く」という意味がある。剥されたの…
★このページは「KYOTOGRAPHIE 2020」(KG+含む)の当ブログ・リンク集です。 blog記事作成とともに随時リンクを追加します。 【会期/KG本体プログラム】2020.9/19(土)~10/18(日)
【KG+】レポ。 VOICE GALLERY(ヴォイスギャラリー)の展示です。西村勇人『Lives』の、科学的見地から生命へアプローチするスタンスが興味深い。科学しましょう。 【会期】2020.9/18~10/4(西村勇人)、~10/18(マルセレ・フェルベルネ)
会場入口のステートメントを読もう。『本展覧会は、トポロジー(位相幾何学)の考え方に着想を得て制作した作品や、別のテーマで制作した作品を、実験的にモンタージュもしくはブリコラージュした展覧会です。』 本作は目には見えず、日常的感性では想像も困…
【写真展/KG+2020】【No.37】「galleryMain archive project #1」、【No.34】三宅章介『切妻屋根の痕跡のための類型学Ⅲ/LIVE』@Lumen gallery
KYOTOGRAPHIEサテライト展示【KG+】、京阪五条近くの同じ建物内で隣接するギャラリー:「galleryMain」(ギャラリーメイン)と「Lumen gallery」(ルーメンギャラリー)の2ヶ所をレポ。 ギャラリーメインは取り扱い作家らのアーカイブ展だが、美しい作品だ…
「KYOTOGRAPHIE」本プログラムとは別枠、コラボ企画の位置付けで「アソシエイテッド・プログラム」 が3つ展開されている。 うち2ヵ所(立命館大学国際平和ミュージアム、妙満寺)は中心街からかなり遠いので、行けずに見送った人も多いのではないだろうか…
「KYOTOGRAPHIE 2020」サテライト展示・【KG+】レポ。 ちょっと変わったところで、清水寺へ続く道のふもとあたりの「五条坂京焼登り窯」です。やきものを焼く窯があり、そこが【KG+】会場になっています。巨大な窯を取り巻く通路や部屋を用いた、なかなかワ…
KYOTOGRAPHIE2020、本体プログラムのレポはこれでラスト。 ⑨マリー・リエスはどの会場からも離れた大徳寺付近にあり、少し回りづらいが、写真を「手で」視ることを試みた、新しい形の展示だ。⑩甲斐扶佐義の展示は出町柳に3ヵ所、JR京都駅ビルに1ヵ所と分散…
KYOTOGRAPHIE2020・本体プログラムのレポ(3)。 建仁寺・両足院の【No.⑥】外山亮介『導光』、京都府庁の【No.⑦】ピエール=エリィ・ド・ピブラック『In Situ』と【No.⑧a】オマー・ヴィクター・ディオプ『Diaspora』、そして同じくディオプで【No.⑧b】出町…
KYOTOGRAPHIE2020・本体プログラムのレポ。 「伊藤佑 町家」という5軒連なった長屋で展開された、福島あつし、マリアン・ティーウェン2名の展示をレポート。一方は日本の独居老人のドキュメンタリーと関係性、一方は「建築」の破壊と彫刻への転化(インス…