Photo(写真展@関西)
大阪国際メディア図書館・写真表現大学の同窓生、岩本啓志氏の初の個展。2017年度の入学以来、「あべのハルカス」の見える風景を撮り続けてきた。雑多な下町の空に、真四角のビルだけが聳えている光景は、写真によって改めて異様さを見せる。 それはシュール…
禅フォトギャラリーのオーナー、マーク・ピアソンの2万点にも及ぶ膨大なコレクションから、3回にわたってコレクション展が催される。第1章は1850年から1985年まで、日本の「日常生活」に焦点を当てて多数の作品が紹介された。 ( ´ ¬`) めちゃめちゃ多い…
ビジュアルアーツ専門学校大阪・写真学科のゼミ別成果発表展(写真作家選考展)と選抜作品展が、それぞれ、「ビジュアルアーツギャラリー」(梅田・堂島)と「ニコンプラザ大阪 THE GALLERY」(心斎橋)で開催された。それぞれで気になった作品をレポです。 …
「KYOYO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021」の一環として催された企画。多数の資料を展示し、かつて帝国主義の時代、万国博覧会などの展示が持っていた支配的な視座の歴史を示す。 ( ´ ¬`) 引き込まれてなかなか見終われなかった。。。 【会期】2021.2/…
京都・四条河原町に2019年12月に開業した「GOOD NATURE STATION」・ホテル棟4Fのギャラリースペースにて、展示『Sync - eternal commons / ephemeral being -』が開催されている。写真家・勝又公仁彦と鈴木崇の二人が、タイトルの『Sync』に基づき、共に作…
会場の壁をずらりと埋めるのは空き地の写真群だ。場所も分からず、主たる眼前の対象もない。不在の風景ということになるが、しかしこれらの写真には多くのものが写っていて情報量はむしろプラス側にあるため、「不在」の語義とこの写真群が現わすものとは折…
美しく暗いモノクロフィルムでの旅写真。タイトルのロシア語「Домой」(ダモイ)は「家へ・故郷へ」といった意味があり、単独で使われる時には「家・故郷に帰る」という意味を持つ。 【会期】2020.12/15(火)~12/20(日)
内倉氏の名と代表作は写真新世紀やEMONの受賞などで、Web越しに度々目にし、神秘的なムードを湛えた赤ちゃんの写真が印象に残っていたが、まとまった数の生作品と対面するのは初めてだった。 本作では表情以前の表情、喜怒哀楽のどれにも当てはめられない、…
『A=A A≠A』(エーイコールエー、エーノットイコールエー)は「1枚の写真プリントAを2000回繰り返しコピーする」手法により、作者の思考を鑑賞者に我が事として染み入らせる。それと同時に、ある具体的な像Aが名状しがたい化け物のような像へ変貌してしま…
会場が白い。 壁面の白さと額装の白、そして写真の白とが雪の世界を演出する。写真はモノクロだが、白と灰色がほとんどで「黒」という色を感じさせない。厳しい北海道の冬、雪が視界を支配する世界が現わされている。 【会期】2020.12/1(火)~12/13(日)
本作『BELL』は、古典『安珍清姫物語』(あんちんきよひめものがたり)を写真で表現した創作的な作品だ。現在の現実に、物語の世界観が乗り移るようにして展開される。プリントがそれぞれ多種多様な額装で提示されているのは、それぞれのシーンが同じ時系列…
岩宮武二の生誕100周年を記念した展示が大阪で2カ所同時に開催された。「大阪府20世紀美術コレクション」の中から、enoco(江之子島文化芸術創造センター)では『佐渡』シリーズを中心に初期作品から写真以外の実験的な作品までを俯瞰的に揃え、BLOOM GALLE…
妹尾豊孝(せのお・ゆたか)、関西・大阪の写真(史)において欠かすことのできない写真家であるが、少し前の世代でもあり、今こうしてまとまった形で展示を観ることが出来たのはとても有難かった。 展示は「大阪環状線 海まわり」と「5,000,000歩の京都」の…
2000年頃の日本各地、旅先のレトロな光景が21点並ぶ。2020年の春、緊急事態宣言による外出制限で家から出られなくなった作者は、約20年前の作品を自宅の暗室でプリントした。 味わいのある風味のカラーで、日本各地のスナップが並ぶ。記憶の中を辿るような写…
「そっちはどうだい」。はっとさせられる一言だった。 「そっち」と「こっち」が明確に分かれてしまった、ウィズコロナというもうひとつの日常。冒頭1枚目のセルフ・シャドウ・スナップは、作者からの声なき声となって響いてゆく。 【会期】2020.10/20~11/1
スナップ写真を組み合わせた展示は、プリント、スクリーンへのスライドショーの投影、スクリーンから透過した像を受け止めるミラーの3種類の映像から構成されている。 タイトルの『Unveil』とは「ヴェールを取る、覆いを除く」という意味がある。剥されたの…
★このページは「KYOTOGRAPHIE 2020」(KG+含む)の当ブログ・リンク集です。 blog記事作成とともに随時リンクを追加します。 【会期/KG本体プログラム】2020.9/19(土)~10/18(日)
【KG+】レポ。 VOICE GALLERY(ヴォイスギャラリー)の展示です。西村勇人『Lives』の、科学的見地から生命へアプローチするスタンスが興味深い。科学しましょう。 【会期】2020.9/18~10/4(西村勇人)、~10/18(マルセレ・フェルベルネ)
会場入口のステートメントを読もう。『本展覧会は、トポロジー(位相幾何学)の考え方に着想を得て制作した作品や、別のテーマで制作した作品を、実験的にモンタージュもしくはブリコラージュした展覧会です。』 本作は目には見えず、日常的感性では想像も困…
【写真展/KG+2020】【No.37】「galleryMain archive project #1」、【No.34】三宅章介『切妻屋根の痕跡のための類型学Ⅲ/LIVE』@Lumen gallery
KYOTOGRAPHIEサテライト展示【KG+】、京阪五条近くの同じ建物内で隣接するギャラリー:「galleryMain」(ギャラリーメイン)と「Lumen gallery」(ルーメンギャラリー)の2ヶ所をレポ。 ギャラリーメインは取り扱い作家らのアーカイブ展だが、美しい作品だ…
「KYOTOGRAPHIE 2020」サテライト展示・【KG+】レポ。 ちょっと変わったところで、清水寺へ続く道のふもとあたりの「五条坂京焼登り窯」です。やきものを焼く窯があり、そこが【KG+】会場になっています。巨大な窯を取り巻く通路や部屋を用いた、なかなかワ…
KYOTOGRAPHIE2020、本体プログラムのレポはこれでラスト。 ⑨マリー・リエスはどの会場からも離れた大徳寺付近にあり、少し回りづらいが、写真を「手で」視ることを試みた、新しい形の展示だ。⑩甲斐扶佐義の展示は出町柳に3ヵ所、JR京都駅ビルに1ヵ所と分散…
KYOTOGRAPHIE2020・本体プログラムのレポ(3)。 建仁寺・両足院の【No.⑥】外山亮介『導光』、京都府庁の【No.⑦】ピエール=エリィ・ド・ピブラック『In Situ』と【No.⑧a】オマー・ヴィクター・ディオプ『Diaspora』、そして同じくディオプで【No.⑧b】出町…
KYOTOGRAPHIE2020・本体プログラムのレポ。 「伊藤佑 町家」という5軒連なった長屋で展開された、福島あつし、マリアン・ティーウェン2名の展示をレポート。一方は日本の独居老人のドキュメンタリーと関係性、一方は「建築」の破壊と彫刻への転化(インス…
KYOTOGRAPHIEサテライト展示「KG+」を回ります。node hotelでは、複数の著名な作家らの作品があり、一方で「野口家住宅・花洛庵」は伝統的な京町家の空間が素晴らしい。 (花洛庵より)
KYOTOGRAPHIE 2020・サテライト展示「KG+」、今回はNo.1~62と、S1~S5までの計67プログラムが展開している。 ( ゚q ゚ ) どうやって回ろう R2.9/26(土)で回った烏丸御池~烏丸四条あたりの展示:八木夕菜、スーサム・ライ、逢坂憲吾、四方伸季、横山隆平の展…
KYOTOGRAPHIE(以下「KG」)サテライトイベント「KG+SELECT」、引き続き元・淳風小学校の2F部分の展示・6名の作家についてレポです。 2Fはなお一層、明るい展示とシリアスとがきわきわのバランスでせめぎ合っていて素晴らしいです。 【会期】2020.9/18…
「KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)2020」、8年目。わあい。コロナ禍で一度は春開催が延期になったものの、9/19(土)より開催です。わあい。うっうっ(泣く)。 クラウドファンディングで1千万円の支援が寄せられたり、世界的に大変な状況にあっても企業の…
「青」に貫かれた作家の、四半世紀に及ぶ活動を凝縮して鑑賞しました。写真の域を超えた作品を観るのは、夜の海を泳ぐような体験でした。 【会期】2020.9/12(土)~9/23(水)
今年3月に予定されていた修了展が再延期となった京都造形芸術大学(現、京都芸術大学)・通信教育部の有志6名によるグループ展が開催され、本来発表するはずだった作品を公開している。それぞれの日常への視点が感じられる作品だった。 【会期】2020.9/12…