nekoSLASH

大阪国際メディア図書館「写真表現大学」研究ゼミ卒業。関西・東京の写真・アート展示のレポート・私見をup。

【映画】黄インイク監督「緑の牢獄」@第七藝術劇場

橋間良子(はしま よしこ)という、西表島に住む90歳近い「おばあ」の語りによって紡がれる映画。 橋間おばあは1926年の台湾出身だが、1937年に祖父らに連れられて沖縄県西表島へ移住する。一家はその後、西表炭鉱と、そして西表島と運命を共にする。

【写真展】R3.4/23ー5/3_坂東正沙子「Aerial」@gallery 176

タイトル「Arial」とは「air」の形容詞で「空気の、大気中の」といった意味を持つ。ステートメントでは『確かに在ったという空気感だけを、私は握りしめているようだ。』と綴られている。スナップ写真群から、「私」=作者が何を掴もうとしていたのかを辿っ…

【写真展】R3.4/2~4/30_清水穣キュレーション「showcase #9」"visions in and out"(岡本明才、佐藤華連)@eN arts

写真評論家・清水穣(しみずみのる)氏のキュレーションによるグループ展「showcase」。9回目となる展示は、ピンホールカメラの原理を用いて光と像を操る岡本明才(おかもとめいさい)氏と、自分の内面を投影した夢のような風景を表す佐藤華連(さとうかれ…

【ART】R3.3/13~5/9_「植松奎二 みえないものへ、触れる方法――直観」芦屋市立美術博物館

重力や質量、斥力など「科学」の世界は目には見えない。しかし今・そこに・常に働いていて、この有象無象のものどもに作用し、「世界」としての形と確かさをもたらしている。 美術家・植松奎二(うえまつ けいじ)の配置・構成するオブジェはどれもとてもシ…

【ART】R3.3/20~5/30_ミケル・バルセロ展 @国立国際美術館

ミケル・バルセロ。初めて聞く名前だ。 ホームページ等で出回っている広報画像と、実物の体験が違いすぎた。当初は、自然のパワーと個人の感情を掛け合わせた、やや古風な絵画だと思っていた。違った。刻々と移ろう自然の動態と、変遷を経てきた美術史とが1…

【写真展】R3.4/16~5/5_横山佳奈恵「Unbreakable Egg」@DELTA

青い宇宙空間に漂う惑星か、口のない陶器か。それは、たまご。養鶏場で生み出されながら、見える形で市場に出回らなかった卵――「破卵」(ハラン)の個性と生命力が、実物と共に示される。 【会期】2021.4/16(木)~5/5(水)

【写真表現大学・Eスクール】R3.4/6-4/11_2020年度 修了制作展 @同時代ギャラリー

私の母校「大阪国際メディア図書館」のスクール「写真表現大学」(写真)と「Eスクール」(映像・サウンド)の修了展です。合計48作品がリストアップ(作者の重複あり)。 今回はもう私、卒業してますので出展はありませんがみなさんどうしてますかね回。こ…

【ART】R3.4/10_「ピピロッティ・リスト あなたの眼はわたしの島」@京都国立近代美術館

体当たりで触れて歩いて観る展示、ピピロッティ・リスト回顧展。美術館3Fの全室にカーペットが敷かれ、一つの繋がった空間としていて、鑑賞者は靴を脱いで、カーテンで区切られたセクションを巡る。それはリストの映像作品の中へ入り込んだような体験である…

【写真展】R3.3/26~4/24_栗棟美里「あなたはこの世界にいるかもしれない。もしくはいないかもしれない。」@TEZUKAYAMA GALLERY

リアルよりも、液晶画面に映る容姿と仕草がリアル、オンラインでの意志疎通がリアル。そして圧倒的に不確かで。そんな時代の虚実を鮮やかに突く作品だ。 【会期】2021.3/26(金)~4/24(土)

【写真展】R3.3月_赤鹿麻耶「ときめきのテレパシー」@ホテル アンテルーム京都

アートホテルとして有名なアンテルーム京都のギャラリースペースで、2ヶ月にわたって写真家・赤鹿麻耶の企画展が催された。アンテルームはいつもKYOTOGRAPHIEの時期にはサテライト企画「KG+」に参加し、新進気鋭の写真・現代アートの作家を展開してきたが、…

【写真展】R3.3月_岩波友紀「紡ぎ音」@入江泰吉記念奈良市写真美術館

2011年3月11日の東日本大震災以降、被災地で催された多数の「祭り」を追ったドキュメンタリー作品。祭りは地域住民にとって、なくてはならないものだった。人物だけでなく、風景だけでもなく、その両方が写された写真群によって、「被災」と「復興」の狭間に…

【写真展】R3.3/20_「さよなら壹燈舎、また逢いましょう smile&smile」@PhotoGallery 壹燈舎

関西の写真系ギャラリーが3/21(日)、また一つ幕を閉じた。最後の展示はゆかりのある約60名によるグループ展。 2009年の開廊以来、毎週のように展示を催し続けてきた場である。ただ、HPには「一旦閉廊します」「近い機会に、必ずお会いしましょう」とあり、…

【写真展】R3.3_「永遠のソール・ライター」@美術館「えき」KYOTO

新型コロナ流行の影響によって1年延期された、ソール・ライターの展示である。絵画のように美しいカラーのスナップ作品のほかに、リバーサルのスライドショー、セルフポートレイト、そして重要な二人の女性:妹のデボラとパートナーのソームズ・バントリー…

【写真展&トークショー】R3.3/12~3/23_田凱「Temperate Landscape」(トーク:川崎祐) @gallery 176

東京の「TOTEM POLE PHOTO GALLERY」との4回目となる交流展として、田凱(デンガイ)が大阪・服部天神の「gallery 176」にて、個展とトークショーを行った。 トークは写真家・川崎祐(かわさき ゆう)が対談相手を務めたが、同じく「風景」を扱う作家として議論…

【ART】R3.3/20_「OPEN STUDIO 結から始まる起承転」@SSK(Super Studio Kitakagaya)

現代美術の作家さんが13人入居して制作している空間「Super Studio Kitakagaya(SSK)」のオープンスタジオ企画。創作の現場は、ギャラリーで完成された作品を観るのとは全く違った体験になりました。 【会期】2021.3/5~3/21

【写真展】R3.3/20_和田マサ子「朱夏の果」@ニコンプラザ大阪 THE GALLERY

だんだんと季節が回って暖かくなってきたが、本作は濃厚な暑さが立ち込める夏が舞台である。 ひと夏で3人もの別れを経験した作者は、自然の豊かな地で、人の生きる現世とは異なるものたちにしきりに眼を向けている。それは即物性からのシュールさへと結び付…

【写真展】R3.3/9_みまつひろゆき「Life speed」、駒﨑佳之「鹿の夢」@同時代ギャラリー

「大阪国際メディア図書館・写真表現大学」の在校生:みまつひろゆき、駒﨑佳之の二人によるダブル個展が、京都・三条の「同時代ギャラリー」で催された。二人は展示に合わせてそれぞれ写真集も発刊している。 また、トークライブ「生きるを写して」では、私…

【写真展】第45回木村伊兵衛写真賞 受賞作品展 片山真理・横田大輔 @ニコンプラザ大阪 THE GALLERY

2020年3月半ばに木村伊兵衛写真賞・受賞の発表があってから、本来なら約1カ月後に展示が催されるところ、新型コロナ禍に見舞われて授賞式は中止、展示は無期限延期となっていた。 一年越しでお目見えしたのは、片山真理・横田大輔の二人展という形態だった…

【写真展】R3.2/27_田中ヒロ「OOOFOO」@ギャラリー・ソラリス

溢れ出す食べ物の写真、読み方も分からないタイトル、されど絶妙なバランス感覚で構成された空間『OOOFOO』。Over Food ともToo Food とも呼びたくなる「食」の氾濫は、生きる力―食欲を音源としたハードコアやパンクの色覚的ライヴだ。 【会期】2021.2/16(…

【写真展】R3.2/22_岩本啓志「さえぎる風景」@ギャラリー白

大阪国際メディア図書館・写真表現大学の同窓生、岩本啓志氏の初の個展。2017年度の入学以来、「あべのハルカス」の見える風景を撮り続けてきた。雑多な下町の空に、真四角のビルだけが聳えている光景は、写真によって改めて異様さを見せる。 それはシュール…

【写真展】R3.2/14_マーク・ピアソン フォトコレクション展「忘却の彼方へ ― 日本写真の黎明期から現在まで」第1章・日常生活 1850-1985@奈良市写真美術館

禅フォトギャラリーのオーナー、マーク・ピアソンの2万点にも及ぶ膨大なコレクションから、3回にわたってコレクション展が催される。第1章は1850年から1985年まで、日本の「日常生活」に焦点を当てて多数の作品が紹介された。 ( ´ ¬`) めちゃめちゃ多い…

【写真展】R3.2/11_ビジュアルアーツ専門学校大阪・写真学科 @ビジュアルアーツギャラリー、ニコンプラザ大阪 THE GALLERY

ビジュアルアーツ専門学校大阪・写真学科のゼミ別成果発表展(写真作家選考展)と選抜作品展が、それぞれ、「ビジュアルアーツギャラリー」(梅田・堂島)と「ニコンプラザ大阪 THE GALLERY」(心斎橋)で開催された。それぞれで気になった作品をレポです。 …

【展示】小原真史「イッツ・ア・スモールワールド:帝国の祭典と人間の展示」@京都伝統産業ミュージアム

「KYOYO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021」の一環として催された企画。多数の資料を展示し、かつて帝国主義の時代、万国博覧会などの展示が持っていた支配的な視座の歴史を示す。 ( ´ ¬`) 引き込まれてなかなか見終われなかった。。。 【会期】2021.2/…

【写真展&トークイベント】R3.1/17_勝又公仁彦・鈴木崇「Sync - eternal commons / ephemeral being -」@GOOD NATURE STATION

京都・四条河原町に2019年12月に開業した「GOOD NATURE STATION」・ホテル棟4Fのギャラリースペースにて、展示『Sync - eternal commons / ephemeral being -』が開催されている。写真家・勝又公仁彦と鈴木崇の二人が、タイトルの『Sync』に基づき、共に作…

【写真展】R2.1/9_「MY KING IS ANALOG AGITATION」@galleryMain

会場の壁をずらりと埋めるのは空き地の写真群だ。場所も分からず、主たる眼前の対象もない。不在の風景ということになるが、しかしこれらの写真には多くのものが写っていて情報量はむしろプラス側にあるため、「不在」の語義とこの写真群が現わすものとは折…

【映画】セルゲイ・ロズニツァ<群衆>ドキュメンタリー3選_「粛清裁判」「アウステルリッツ」

『カンヌ国際映画祭で二冠、近作10作品すべてが世界三大映画祭に選出されている日本未公開の鬼才』との紹介に押されて観に行った。 歴史、政治を下支えし、その原動力となる存在――「群衆」に目を向けた

【写真展】R2.12/19_小池貴之「Домой ーシベリア鉄道ー」@galleryMain

美しく暗いモノクロフィルムでの旅写真。タイトルのロシア語「Домой」(ダモイ)は「家へ・故郷へ」といった意味があり、単独で使われる時には「家・故郷に帰る」という意味を持つ。 【会期】2020.12/15(火)~12/20(日)

【ART】R2.12/19_中谷芙二子×高谷史郎「霧の街のクロノトープ」@京都・北河原市営住宅跡地

霧の彫刻家・中谷芙二子が京都の空き地で霧を噴かせていて、会期がもう終わる、と聞いて、いそいそと駆け付けます。ました。いそいそ。 中谷芙二子作品は、アートイベント好きな人間だと横トリや瀬戸内で出会ったことがあるかもしれません。場に立つとシュー…

【写真展】R2.12/18_松原豊「Local public bath ”Sento”」@gallery 176

作者の居住地である三重県の銭湯を撮影した作品群。店の外観、入り口や脱衣場、浴場などを淡々と、力強く記録している。現役の施設の活きの良い姿を押さえているため、建物や内装は古いのに、不思議とノスタルジー感がなく、現在性が強い写真なのが驚きだ。 …

【写真展】R2.12/18_内倉真一郎「私の肖像」@BLOOM GALLERY

内倉氏の名と代表作は写真新世紀やEMONの受賞などで、Web越しに度々目にし、神秘的なムードを湛えた赤ちゃんの写真が印象に残っていたが、まとまった数の生作品と対面するのは初めてだった。 本作では表情以前の表情、喜怒哀楽のどれにも当てはめられない、…