「双子」としての当事者から、自身と同じ双子を撮ってきた作者が、この新型コロナ禍の間に制作していたのは、身近な場所とモノを使ったデジタル写真作品であった。 一見、色しかない抽象表現となり、これまでの作品から遠く離れたようで戸惑いを覚えるが、一…
犬島は「犬島精練所美術館」だけでなく「家プロジェクト」が6カ所に点在している。また、大宮エリーの「INUJIMAアートランデブー」も2022年から設置されるようになり、アートの島としての色をより濃くしている。 そして諸事情によりほとんど回れてない(´・_・…
真夏の犬島である。最高である。青い空、青い海と、銅の色。瀬戸内海の離島に行くなら真夏が最高である。しかし暑い。暑すぎた。後に体調不良でグダグダになった。皆さん熱射病に気を付けながら太陽と銅と近代をお楽しみください。
写真集販売でお馴染みの書店「flotsam books」さんが、ZINEを広げて即売するツアー企画。この7月下旬、京都の祇園にやってくると知り、ZINEを漁りに行ったのであった。 お買い上げ品も含めて偏りの多いレポをします。 【会期】R5.7/21~23
バスケが超クオリティのアニメ化で前代未聞だとすごい騒ぎになっていたのも2022年の年末のこと、忘れかけていたらこの7月に朝イチの時間帯で上映が。朝練だということで観てきたの巻。 めっちゃ動くバスケアニメになっていたすごい。
芸術家/風の彫刻家・新宮晋の展示が大阪・西天満で催されている。新宮晋スケッチブック『ぼくの頭の中』シリーズ続編(2巻・3巻)刊行に合わせた企画だが、ちょうど大阪中之島美術館で企画展『Parallel Lives 平行人生 — 新宮 晋+レンゾ・ピアノ展』とも…
主人公がすごく迷いなく生きていたし、迷いなく突っ込んでいくがゆえに迷宮のど真ん中へ深入りしていくし、迷宮の果て、世界の滅亡から見事に現実世界へ生還する。これは宮崎駿というクリエイターの生き様と、彼が生み出してきたキャラクターの生き様、その…
2002年の展示から21年ぶりの開催となる「花人生」展。荒木経惟と言えばその幅広いキャリアと仕事量にも関わらず、女体と花、死とエロス、と、「花」は強烈すぎるぐらいにアラーキーの代名詞として定着してきた。そのため今ここであえて観るべきか否か、躊躇…
海にまつわる名前の付けられた作品が多く並ぶ。そしてそれらは古くから伝わる「型」を用いて作られた、時代を超えた造形作品である。「海」とは何なのか――
描かれるのは「消す」描線である。
「具体美術協会」のメンバーであり、絵本作家としても活躍した元永定正が、写真作品も手掛けていた。 ・・・という軽い気持ちでいつものように書こうとしたが、思わぬ泥沼にはまりこむこととなった。もはや闇である。
鳥取・山陰に根差した写真家である。その地に深く根差した作品が集まる展示となった。だがその価値は、個別の地域の特殊性、記録性にあるというだけではない。活動からは植田正治に象徴される、地域の写真文化と歴史が大きく働いていることが伺えた。 【会期…
生活の身近なところにある写真をコラージュ的に用いて、静物を描いたセザンヌやジョルジョ・モランディの絵画に重ね、再構築し、空っぽの器について踏み込んでゆく作品である。 折込チラシ広告の写真を用いたコラージュは、モランディのオブジェと驚くほどの…
謎めいた作品だが、作者の意図は明確である。ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』ではなく、自身が幼少期から患っていた「不思議の国のアリス症候群」を作品化したかったのだという。 【会期】R5.5/9~6/11
「KYOTOGRAPHIE 2023」メインプログラムをテーマタイトル「BORDER(ボーダー)」から読み解く後編。 続いては「作品テーマ、被写体にまつわるボーダー」へのアプローチ・取り組みの面からKYOTOGRAPHIEを振り返ってみる。
第11回目のKYOTOGRAPHIE 2023(京都国際写真祭)(以下、略称「KG」を使う場合あり)のテーマは「BORDER(ボーダー)」。ここでは全15展示について、どんな「ボーダー」と関わり、扱っているかを概括してみる。
「KYOTOGRAPHIE 2023」サテライト展示「KG+SELECT」レポ。2会場に分けて催されたうち、「京都芸術センター」の4組のアーティストについてレポートする。
「KYOTOGRAPHIE」のメインプログラムと対を成す重要プログラムが、公募で審査員から選出される「KG+SELECT」である。今回は全10組の作家が2会場に分けて展示されたので、会場ごとにレポートする。 まず、「堀川御池ギャラリー」で展示された【A1】~【A6】…
「あれ?大阪芸大ってこないだもハービスENT・ソニーストアで展示してなかったっけ??」 もう1年経ったんかなと己の時間感覚をあやしんだが、10~11月にも選抜展が行われていたのだった。今回は卒業制作の選抜展である。 【会期】R5.3/18~3/31
大阪ミナミの再開発事業を象徴する高層ビル「あべのハルカス」を題材にした作品、2回目の個展となる。 今回の特徴と良さは、これまで作りながらお蔵入りになっていた作品に改めて向き合い、自分なりに整理・構成して表に出したことに尽きる。 【会期】R5.3…
2020年と2022年に東京で発表された「Family Album」と「はっぴぃドッグ」の2シリーズを再構築・併置した展示。家族写真の複写と、日々共に暮らす愛犬の肖像、何気ない身近な存在が語るのは「家族」と「記憶」との関係だった。 【会期】R5.3/22~4/15
展示告知DM、SNS投稿のサムネ画像を見て、デジタル調の絵画作品だと思い込んでいたが、実は川面に反射した光景の「写真」なのだった。つまり川面の揺れと刻みの反復には、「写真」を逸する質があるらしかった。 【会期】R5.3/16~3/26
こういう展示を待っていた。一度で何校もおいしい。 東京と京都・大阪の美術・写真系の大学・専門学校、計10校から、各校1人ずつの作者を選抜した、東西10校・10名のグループ展である。一気に多数の学校の作品が観られるのは有難い。 【会期】R5.3/9~22
昨年2022年11月に東京タワー1階で催された「安倍晋三写真展」が、大阪でも開催されていた。職場で新聞をスクラップしていて偶然気付いたのだ。追悼、活動の軌跡を辿る展示・・・会期は1週間しかない。慌てて観に行った。 【会期】R5.3/15~21
2月7日から1~2週間ごとに展示コースを切り替えながら開催されてきた「写真学科 認定制作 作品展」。第4段目・最終回となる今回は「公募選抜展」、6名の生徒の展示が行われた。 【会期】R5.3/9~3/15
滋賀県出身の川内倫子の大規模個展「M/E 球体の上 無限の連なり」と並行して催されている関連特集展示がこちら「川内倫子と滋賀」展で、特に滋賀と関わりの深い作品、そして県内の障がい者施設「やまなみ工房」を舞台とした作品<やまなみ>シリーズが数多…
地球と私。近代的な写真の主要エッセンスを存分に活かした本展示の作品群は、近代写真の終着点の一端を語るものではないだろうか。 【会期】R5.1/21~3/26
「写真は変成する」展は、大胆に「写真」を慣習や約束事から突き放すように変成・流動させる、刺激的な実験の場である。3回目となる今回は京都芸術大学だけでなく東京工芸大学との共同展となった。 変成、実験、試行と展示。今回は今までになく思う所、考え…
京都芸術大学の卒展・修了展、「写真・映像コース」未来館2階の展示レポです。他のコースの展示も一部あったのだが、数が多い!(嬉しい悲鳴)ので、コースを絞ってお送りします。1Fから更に多彩さを増した「写真」作品が展開されたフロアでした。 【会期…
京都芸術大学 美術工芸学科「写真・映像コース」展示のうち、「未来館」の1階をレポです。2階にも沢山あるので階(回)を分けてお送りします。なお、「総合造形コース」の展示も一部含まれますが、面白かったので一緒に書いています。造形も写真・映像も混…