2022-01-01から1年間の記事一覧
夜の無人島「猿島」内に置かれたアート作品を、渡されたライトで足元を照らしながら鑑賞して回る企画。いやあそういうの大好きやよ。なんと写真家の参加もかなり多い。やった。 だがしかし本企画の主眼は、単に「アート作品を見せる」というより「デジタルデ…
長年、自分の中にあった疑問を解くために、観に来ました。 ワタリガラスの伝説に感染するの巻。 【会期】R4.11/19~R5.1/22
「不思議な力」とは、何の力を指すのか? 作者のいう力と、展示から感じた力の2点からレポします。 【会期】R4.10/7~R5.1/22
第3回となる国際写真賞「プリピクテ」の日本を拠点とする写真家を対象としたアワード。8名がショートリストに選ばれ、「火と水」に関する作品として、これまでの代表作を展示していた。 見ごたえはもちろん、今注目しておくべき若手~中堅の写真家を一度に…
1枚の写真に2000回のコピーを繰り返すことで、オリジナル(コピー元)とコピー先は「A=A」の関係からどんどん離れていき、どこかの時点で「A≠A」に至る。 前回までの3部作では複製のプロセスを示し、その前後を比較・対比させて提示したが、今作では次のプ…
2020年の写真展<こころ>で発表されてからも、継続して制作されていたカラーフィルム写真のシリーズ。2022年8月に写真集 『心』(蒼穹舎)の発刊と東京での展示を経て、12月にはこの大阪での展示となった。 写真集は59点、本展示はその中から20枚の作品で構…
フィルム、大判・中判カメラ、鶏卵紙という古典技術を総動員した写真作品。被写体も特別なものではなく、作者の実家のすぐ前の海である。だが写し取られた海の風景は、遠い記憶・心の中に息づいた光景となって表れる。 【会期】R4.12/1~11
デザイナー/現代美術家・高橋大雅(タイガ・タカハシ)の「初の個展」。2022年4月9日に当の本人は亡くなっている(享年27歳!)が、本人「不在」を感じさせない存在感があった。高橋大雅という存在を1ミリも知らなかった筆者が手探りでレポする。 【会期】…
葛飾北斎「冨嶽三十六景」の描かれた場所を辿り、それぞれの図を成立させている画面内の「コンポジション」(構成)に注目して、再構築を試みた写真である。デザインと写実の差異が示される。 【会期】R4.12/6~11
自分の口にモノを詰め込んだセルフポートレイトにカビを生やす、3部作の完結編。第1部「Absorber」は食べ物、第2部「JANUS(ヤヌス)」は花、そして今作「vanitasism(ヴァニタシズム)」は「文明」がテーマ、様々な人工物を模した小物が登場する。万物を受け容れ…
前作で、従兄弟と祖母の深いつながりと唐突な死別について表した作者だが、語り尽くしたに見えた死と喪失について時間をかけて問いを重ね、新たな視点と解釈から作品を進展させ、写真集を新たに編み直した。それは多視点を織り込んだ、新しい写真集であった。…
本作「接触と沈殿」は一変して、特定の場所や時代を指さず、喜怒哀楽のどれにも属さず、一見何気なく、何も語っていないように見える。しかし明らかにある目的とコンセプトを持って撮り溜められ、配列されている。ポリフォニーと感応に向かって。 【会期】R4…
「酷道ヨサク」シリーズ、第2弾。 今回のヨサクは廃でも酷でもない、生き生きとした姿。実に多彩である。 【会期】R4.10/21~11/1
美大・芸大、専門学校の卒展といえば通例、毎年2~3月に催されるものだが、大阪芸術大学(略称「大阪芸大」)・写真学科の選抜展は秋にも開催されている。今回も、生徒各人の個性的なテーマや手法に基づいた作品が展開された。個人的に興味を抱いた作品・…
東京とYouTubeをベースに活動している写真家・加藤ゆか。自身のチャンネル「東京カメラ」の更新頻度が目覚ましく、YouTuber写真家と呼ぶにふさわしい。だが本質はガチな写真家であり、展示はなんと今年5回目を数える。 作品は、コロナ禍中に夫婦2人で敢行…
関西を拠点に息の長い活躍を続けてきた、写真家・太田順一の特集展である。本展示では5つのシリーズから構成され、それは人の生活の残響を肖像写真のように表し、そしてある種の無常観へと繋げていた。 【会期】R4.8/27~11/6
薬効ある植物を求めた知と流通の歴史は、あらゆる人文学の領域にまたがっていた。古い書物に描かれてきた植物の図像と、植物が実際に繁茂する写真とが、数百年の時空間を跨ぐ物語を紡いでゆく。 【会期】R4.9/17~10/15
2022年7月8日、安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者をモデルとした映画を、安倍元首相の国葬のタイミングにぶち当てて全国各所で上映するという企画。 見どころは、元・日本赤軍メンバーでありパレスチナ人民解放戦線のゲリラ隊にも加わった足立正生監督が、…
大量の写真を取り込んでアニメーション化したり、他者の撮影した写真や動画を元に物語りを加えて作品化したり、活動の目覚ましい映像作家・林勇気の大規模な個展である。 CCO(名村造船所跡地)2階から4階までの広大なフロアを使い、各階で異なる展示形式…
作者も取材先の被写体らも、日本の大学で学ぶ「中国人留学生」である。同じ境遇の士ならではの視点でポートレイト、部屋の中を撮ったドキュメンタリー。本展示では、部屋を借りて住みついても、またすぐに進学や就職で部屋を空けて移ってゆく、その軽さを表…
写真関係者で知らない者はいないであろう、超有名人ロバート・キャパ。戦争への従軍のイメージが強いが、民衆の暮らし、異国、有名アーティスト・・・と幅広く撮影してきた。約100点の展示作品でそれら多彩な写真、特に民衆の暮らしを捉えた写真を振り返る。 【…
昨年に引き続いて今年も精力的に展示活動を行っている「表現の不自由展」、4月の東京、8月の名古屋・京都に続いて、9月は神戸での展示である。脅迫や反対運動が根強いため、いつどこで開催されるのかが事前に掴みにくいイベントだが、今回は幸いにも行く…
暗闇の中で、人々が目を閉じて浮かんでいる。羊膜の中で眠るように呼吸する胎児、そんな無垢さを思わせる肖像写真だ。 【会期】R4.9/3~24
「gallery 176」運営メンバーの写真作家2人(友長勇介、西川善康)が、各自のinput(撮影)した写真を、交代してoutputする試み。 自分の撮った写真を、他の写真家にセレクトからプリントまで一切の判断を委ね、それをお互いにクロスさせるという、写真をや…
家族や記憶との繋がりをテーマ化した写真集の作家を輩出している「Reminders Photography Stronghold」からまた1人、鈴木萌が京都で個展を行った。 緑内障によって光を、視界を失ってゆく父親の人生と視界を表した作品。同テーマの前作では「穴」によって視…
関西にまた新たな写真専門ギャラリーが登場。東京の南青山のギャラリー「Nadar(ナダール)」が、クラウドファンディングによって支援を募り、京都の大山崎に新店をオープンした。 オープン3日後、展示を訪れてみた。こんちは。 【会期】「旅展」R4.8/11~8…
写真作品が少ない国際芸術祭「あいち2022」STILL ALIVEだが、参加アーティストの中で唯一と言ってよい名の知れた写真家・石川竜一と、『いのちのうちがわ』でタッグを組んだサバイバル登山家・服部文祥との再タッグ(+キュレーターは島袋道浩)が見られると…
KYOTOGRAPHIE「KG+SELECT 2021」でも登場した作品《SPIN》、その「普及版」写真集の出版記念展示が「RPS京都分室パプロル」(「Reminders Photography Stronghold」拠点は東京・曳舟)にて開催された。 京町家を改修した黒く背の高い展示空間では、写真集を…
本展示は「KYOTOGRAPHIE 2022」ポートフォリオレビュー「DELTA Award」受賞記念展示である。 街の人々が見せる滑稽な瞬間・「隙」を愛着を持ってスナップし、共鳴を持って写真化する作品。京都・出町桝形商店街「DELTA」での展示は、相変わらずお馴染みのス…
音の空間だったよ~( ´ - ` ) ※筆者はアンビエント音楽を語る語彙と知識がないため、今回は異常に薄いレポートになります。 【会期】R4.6/3~8/21