nekoSLASH

大阪国際メディア図書館「写真表現大学」研究ゼミ卒業。関西・東京の写真・アート展示のレポート・私見をup。

Photo(写真展)

【写真展】R3.3月_岩波友紀「紡ぎ音」@入江泰吉記念奈良市写真美術館

2011年3月11日の東日本大震災以降、被災地で催された多数の「祭り」を追ったドキュメンタリー作品。祭りは地域住民にとって、なくてはならないものだった。人物だけでなく、風景だけでもなく、その両方が写された写真群によって、「被災」と「復興」の狭間に…

【写真展】R3.3_「永遠のソール・ライター」@美術館「えき」KYOTO

新型コロナ流行の影響によって1年延期された、ソール・ライターの展示である。絵画のように美しいカラーのスナップ作品のほかに、リバーサルのスライドショー、セルフポートレイト、そして重要な二人の女性:妹のデボラとパートナーのソームズ・バントリー…

【写真展】R3.3/9_みまつひろゆき「Life speed」、駒﨑佳之「鹿の夢」@同時代ギャラリー

「大阪国際メディア図書館・写真表現大学」の在校生:みまつひろゆき、駒﨑佳之の二人によるダブル個展が、京都・三条の「同時代ギャラリー」で催された。二人は展示に合わせてそれぞれ写真集も発刊している。 また、トークライブ「生きるを写して」では、私…

【写真展】第45回木村伊兵衛写真賞 受賞作品展 片山真理・横田大輔 @ニコンプラザ大阪 THE GALLERY

2020年3月半ばに木村伊兵衛写真賞・受賞の発表があってから、本来なら約1カ月後に展示が催されるところ、新型コロナ禍に見舞われて授賞式は中止、展示は無期限延期となっていた。 一年越しでお目見えしたのは、片山真理・横田大輔の二人展という形態だった…

【写真展】R3.2/27_田中ヒロ「OOOFOO」@ギャラリー・ソラリス

溢れ出す食べ物の写真、読み方も分からないタイトル、されど絶妙なバランス感覚で構成された空間『OOOFOO』。Over Food ともToo Food とも呼びたくなる「食」の氾濫は、生きる力―食欲を音源としたハードコアやパンクの色覚的ライヴだ。 【会期】2021.2/16(…

【写真展】R3.2/22_岩本啓志「さえぎる風景」@ギャラリー白

大阪国際メディア図書館・写真表現大学の同窓生、岩本啓志氏の初の個展。2017年度の入学以来、「あべのハルカス」の見える風景を撮り続けてきた。雑多な下町の空に、真四角のビルだけが聳えている光景は、写真によって改めて異様さを見せる。 それはシュール…

【写真展】R3.2/14_マーク・ピアソン フォトコレクション展「忘却の彼方へ ― 日本写真の黎明期から現在まで」第1章・日常生活 1850-1985@奈良市写真美術館

禅フォトギャラリーのオーナー、マーク・ピアソンの2万点にも及ぶ膨大なコレクションから、3回にわたってコレクション展が催される。第1章は1850年から1985年まで、日本の「日常生活」に焦点を当てて多数の作品が紹介された。 ( ´ ¬`) めちゃめちゃ多い…

【写真展】R3.2/11_ビジュアルアーツ専門学校大阪・写真学科 @ビジュアルアーツギャラリー、ニコンプラザ大阪 THE GALLERY

ビジュアルアーツ専門学校大阪・写真学科のゼミ別成果発表展(写真作家選考展)と選抜作品展が、それぞれ、「ビジュアルアーツギャラリー」(梅田・堂島)と「ニコンプラザ大阪 THE GALLERY」(心斎橋)で開催された。それぞれで気になった作品をレポです。 …

【写真展&トークイベント】R3.1/17_勝又公仁彦・鈴木崇「Sync - eternal commons / ephemeral being -」@GOOD NATURE STATION

京都・四条河原町に2019年12月に開業した「GOOD NATURE STATION」・ホテル棟4Fのギャラリースペースにて、展示『Sync - eternal commons / ephemeral being -』が開催されている。写真家・勝又公仁彦と鈴木崇の二人が、タイトルの『Sync』に基づき、共に作…

【写真展】R2.1/9_「MY KING IS ANALOG AGITATION」@galleryMain

会場の壁をずらりと埋めるのは空き地の写真群だ。場所も分からず、主たる眼前の対象もない。不在の風景ということになるが、しかしこれらの写真には多くのものが写っていて情報量はむしろプラス側にあるため、「不在」の語義とこの写真群が現わすものとは折…

【写真展】R2.12/19_小池貴之「Домой ーシベリア鉄道ー」@galleryMain

美しく暗いモノクロフィルムでの旅写真。タイトルのロシア語「Домой」(ダモイ)は「家へ・故郷へ」といった意味があり、単独で使われる時には「家・故郷に帰る」という意味を持つ。 【会期】2020.12/15(火)~12/20(日)

【写真展】R2.12/18_内倉真一郎「私の肖像」@BLOOM GALLERY

内倉氏の名と代表作は写真新世紀やEMONの受賞などで、Web越しに度々目にし、神秘的なムードを湛えた赤ちゃんの写真が印象に残っていたが、まとまった数の生作品と対面するのは初めてだった。 本作では表情以前の表情、喜怒哀楽のどれにも当てはめられない、…

【写真展&トークイベント】ヒガシジユウイチロウ『A=A A≠A(Ring)』@KOBE 819 GALLERY

『A=A A≠A』(エーイコールエー、エーノットイコールエー)は「1枚の写真プリントAを2000回繰り返しコピーする」手法により、作者の思考を鑑賞者に我が事として染み入らせる。それと同時に、ある具体的な像Aが名状しがたい化け物のような像へ変貌してしま…

【写真展】白石ちえこ『鹿渡り』@ギャラリー・ソラリス

会場が白い。 壁面の白さと額装の白、そして写真の白とが雪の世界を演出する。写真はモノクロだが、白と灰色がほとんどで「黒」という色を感じさせない。厳しい北海道の冬、雪が視界を支配する世界が現わされている。 【会期】2020.12/1(火)~12/13(日)

【写真展】R2.12/4_古賀絵里子「BELL」@ニコンプラザ大阪 THE GALLERY

本作『BELL』は、古典『安珍清姫物語』(あんちんきよひめものがたり)を写真で表現した創作的な作品だ。現在の現実に、物語の世界観が乗り移るようにして展開される。プリントがそれぞれ多種多様な額装で提示されているのは、それぞれのシーンが同じ時系列…

【写真展&トーク】R2.11/28(土)青木大祐「Absorber」@新宿眼科画廊

新宿眼科画廊で個展を開催中の写真作家・青木大祐(あおき・だいゆう)氏と、インスタライブで作品についてお喋りしました。トークでお聞きしたことも踏まえつつ、トークでは体系化して語れなかった私の感想や解釈をこの場でまとめたいと思います。 かなり独…

【写真展】「岩宮武二のまなざし」@enoco(江之子島文化芸術創造センター)、BLOOM GALLERY

岩宮武二の生誕100周年を記念した展示が大阪で2カ所同時に開催された。「大阪府20世紀美術コレクション」の中から、enoco(江之子島文化芸術創造センター)では『佐渡』シリーズを中心に初期作品から写真以外の実験的な作品までを俯瞰的に揃え、BLOOM GALLE…

【写真展】R2.11/15(日)「妹尾豊孝写真展」@入江泰吉記念奈良市写真美術館

妹尾豊孝(せのお・ゆたか)、関西・大阪の写真(史)において欠かすことのできない写真家であるが、少し前の世代でもあり、今こうしてまとまった形で展示を観ることが出来たのはとても有難かった。 展示は「大阪環状線 海まわり」と「5,000,000歩の京都」の…

【写真展】R2.11/13_尾仲浩二「少し色あせた旅 Little Faded Trip」@gallery 176

2000年頃の日本各地、旅先のレトロな光景が21点並ぶ。2020年の春、緊急事態宣言による外出制限で家から出られなくなった作者は、約20年前の作品を自宅の暗室でプリントした。 味わいのある風味のカラーで、日本各地のスナップが並ぶ。記憶の中を辿るような写…

【写真展】R2.10/25_橋本大和「そっちはどうだい」@ギャラリー・ソラリス

「そっちはどうだい」。はっとさせられる一言だった。 「そっち」と「こっち」が明確に分かれてしまった、ウィズコロナというもうひとつの日常。冒頭1枚目のセルフ・シャドウ・スナップは、作者からの声なき声となって響いてゆく。 【会期】2020.10/20~11/1

【写真展】R2.10/10_波多野祐貴『Unveil』@gallery176

スナップ写真を組み合わせた展示は、プリント、スクリーンへのスライドショーの投影、スクリーンから透過した像を受け止めるミラーの3種類の映像から構成されている。 タイトルの『Unveil』とは「ヴェールを取る、覆いを除く」という意味がある。剥されたの…

【写真展/KG+2020】【No.20】鈴木崇『Quiet Riot』@メディアショップギャラリー

会場入口のステートメントを読もう。『本展覧会は、トポロジー(位相幾何学)の考え方に着想を得て制作した作品や、別のテーマで制作した作品を、実験的にモンタージュもしくはブリコラージュした展覧会です。』 本作は目には見えず、日常的感性では想像も困…

【写真展/KG+SELECT 2020】元・淳風小学校1F(黄郁修、中川剛志、MOTOKI、高橋健太郎)

京都国際写真祭「KYOTOGRAPHIE」(以下「KG」)・サテライトイベント「KG+」の中でも別枠、審査制となっているのが「KG+SELECT」だ。この中で更に選考があり、グランプリ受賞者は翌年の「KG」本体のプログラムに出展できる。今年は10組の作家が選出されてい…

【写真展】小谷泰子「青の断片から青い闇へ」@ギャラリー島田(神戸)

「青」に貫かれた作家の、四半世紀に及ぶ活動を凝縮して鑑賞しました。写真の域を超えた作品を観るのは、夜の海を泳ぐような体験でした。 【会期】2020.9/12(土)~9/23(水)

【写真展】京都造形芸術大学・2019年度卒業生有志「KUGIRI」@gallery176

今年3月に予定されていた修了展が再延期となった京都造形芸術大学(現、京都芸術大学)・通信教育部の有志6名によるグループ展が開催され、本来発表するはずだった作品を公開している。それぞれの日常への視点が感じられる作品だった。 【会期】2020.9/12…

【写真展】高井博「16分間の同僚」@ニコンプラザ大阪 THE GALLERY

ミニドラマのようなタイトルに全てが込められている。今から30数年前、電車を乗り継いで職場へ向かう作者は、通勤中に出くわす見ず知らずの人々を、射し込む光とともに、「同僚」として写真に収めていた。 【会期】2020.9/3(木)~9/9(水)

【写真展】小山幸佑「私たちが正しい場所に、花は咲かない」@大阪ニコンサロン

印象に残るタイトルは、ユダヤ人の詩人、イェフダ・アミハイ『エルサレムの詩』の一節からの引用である。本作は「正しさ」が生じる未満の場で、イスラエル、パレスチナ自治区それぞれの「凪」の姿を捉えている。一方で、写真には確実に「壁」が写り込む。 【…

【写真展/トークショー】R2.8/29_井上雄輔「CONTAINERS」@gallery176

スタイリッシュなコンテナの写真。無駄のない、洗練された姿は、何を物語っているのか。 gallery 176での個展とトーク内容について、直近の写真集『CONTAINERS IN TOKYO』の内容と比較しつつレポです。 【会期】2020.8/28(金)~9/8(火)

【写真展】甲斐啓二郎「Charanga」&【トーク】R2.8/8(土)「写真集『骨の髄』を紐解く」(聴き手:伊奈英次)@gallery176

大阪・豊中市の服部天神「gallery 176」にて行われた、甲斐啓二郎個展とトークイベントについて。 前段は展示『Charanga』の感想を、後段は伊奈英次氏とのトークの概略を記録。刺激的な話でした。みなさん、なんしか写真集を自作しましょう。 【会期】2020.7…

【写真展&暗室】R2.8/1_フィルムの写真教室OB展「FILM ing」@ギャラリー・ソラリス

【写真展&暗室】フィルムの写真教室OB展「FILM ing」@ギャラリー・ソラリス 写真仲間が、ギャラリー主催のフィルム写真教室を以前に受講しており、そのOBグループ展に出展中。陣中見舞いに訪れると、暗室をレンタルしてせっせこプリント中とのことで、暗室…