ART(映画・演劇・etc)
オッペンハイマーは何と戦っていたのか。
バスケが超クオリティのアニメ化で前代未聞だとすごい騒ぎになっていたのも2022年の年末のこと、忘れかけていたらこの7月に朝イチの時間帯で上映が。朝練だということで観てきたの巻。 めっちゃ動くバスケアニメになっていたすごい。
主人公がすごく迷いなく生きていたし、迷いなく突っ込んでいくがゆえに迷宮のど真ん中へ深入りしていくし、迷宮の果て、世界の滅亡から見事に現実世界へ生還する。これは宮崎駿というクリエイターの生き様と、彼が生み出してきたキャラクターの生き様、その…
2022年7月8日、安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者をモデルとした映画を、安倍元首相の国葬のタイミングにぶち当てて全国各所で上映するという企画。 見どころは、元・日本赤軍メンバーでありパレスチナ人民解放戦線のゲリラ隊にも加わった足立正生監督が、…
客入りが芳しくないまま2部作の前編「SIDE:A」はあっという間に上映回数を激減させて3週間で上映を終え(TOHOシネマズ梅田、6/23終了)、後編「SIDE:B」が6/24(金)より始まった。 「SIDE:B」は五輪開催に向けて動いた組織委員会やIOC・バッハ会長をはじ…
「750日 3000時間の「事実」と「真実」。」硬質なコピー、大会ロゴと映画タイトルのみという叙情性や感動を排したシンプルなポスター。公式サイトも情報は最小限で、パンフレット等もない(会場には売っていなかったが、上映館で販売とのこと。まじすか(><)…
香港民主化運動と、その最前線に立って戦っていた、香港ポップの国民的スター:デニス・ホーのドキュメンタリー映画である。 歌手としての人生、香港人としての人生を振り返りながら、2014年の雨傘運動に身を投じて以降、中国を敵に回したことで様変わりした…
( ´ ¬` )人類史の終わり=未来から始まる、「逆側から来た神話」という感の映画。延々と建造物がクローズアップされ、女性の声で20億年未来からのナレーションが語られる。なんだこれは。私は何を見てるんだ。そうか神話を聴いてたんだ。
赤い目をした青い巨人が、我々と同じ姿形の小人族を支配し、飼育している。全てのものが奇異な、惑星イガムでのシュールな物語。覚めない悪夢のようなビジュアルにクラクラする。 弱者を飼育・駆除する異文化の描写から、物語は弱者による革命の話へと発展す…
※Twitterで本作を劇推しする超熱の投稿を見たというだけの理由で、観に行ってきました。予備知識なく、TVアニメを見たこともなく、ただ「Twitterで凄いと言ってる人がいたので観に行ってみた」というだけで、その後も調査等なし。人体実験レポと思ってお読み…
観ている最中から興奮や感情移入や戸惑いや自問自答で目まぐるしく気持ちをかき乱された。2本の映画はどちらも香港民主化運動の生のドキュメンタリーで、戦う、戦う、どこまでも戦う香港市民・若者らの姿に、次第に共感さえできなくなり、ただただ畏怖する…
よいドキュメンタリー映画だった。 森山大道という写真界の生きるレジェンド。その歴史をサッと掴みつつ、現役として活動する「いま」を記録した、貴重なドキュメンタリーである。入り間口が広く、森山大道のことを全く知らない層にも開かれていた。 80歳を…
夢 × TOKYO × ダンス、ダンサーになりたいという夢を叶えるために上京して、夜のTOKYOに揉まれながら、逞しく成長してゆく少女の物語。が、想像以上に粗くいびつな、良さと悪さが極端な映画だった。
1974年「東アジア半日武装戦線」という名で企業のビルを爆破した集団がいた。今では隔世の感のある話、その当事者らの「現在形」を追うドキュメンタリーである。浮かび上がってきたのは、当時のことを語らせないかのように閉じ込める警察権力の姿だった。
お馴染み定番のSF世界の設定に、味のあるストップモーションアニメの風味、執念の手作り迫力、細部の超絶クオリティ。 だけではない。 話が進んでもずっと脆弱なボディのままの主人公、そしてクエストが「上へ」ではなく底なしの「下へ」と落ちてゆくこと…
世界的に非難の嵐を巻き起こした「トロフィー・ハンティング」の内側へ入り込んだドキュメンタリー映画。当事者であるハンター、ロッジのオーナー、そして雇用されている現地人に密着し、それぞれの立ち位置を映し出す。 ハンティングは悪なのか? 本作はハ…
橋間良子(はしま よしこ)という、西表島に住む90歳近い「おばあ」の語りによって紡がれる映画。 橋間おばあは1926年の台湾出身だが、1937年に祖父らに連れられて沖縄県西表島へ移住する。一家はその後、西表炭鉱と、そして西表島と運命を共にする。
『カンヌ国際映画祭で二冠、近作10作品すべてが世界三大映画祭に選出されている日本未公開の鬼才』との紹介に押されて観に行った。 歴史、政治を下支えし、その原動力となる存在――「群衆」に目を向けた
かつてこの国には革命への熱が激しく渦巻いていたという。もう伝聞形でしか知りようがない。いや、現在でも、各種の平和的なデモや共感からのハッシュタグとRTの嵐は常々起きている。姿形は変われど、大きな力に対して抗い、自分たちの声を届けることは、…
健康健全な不良人生。 確かにお酒が好きで、ギャンブル(競輪)のことしか考えてないような人物ではあった。が、孤独・孤立とは無縁だった。そこに同じ「ダメ」でも、「生き方」と「依存者」との大きな差異を見た。無論、本作は前者の方だ。
なぜ今、デニス・ホッパーなのか。 「デニス・ホッパーって、ヤク中・アル中の問題児だっけ?」というレッテル以外は何も知らずにいい歳になってた私ですが、何かこう、油断ならん存在として映画史にチラチラ現れる存在とも感じます。引き寄せられて観に行っ…
理不尽極まりないブラック企業に対する、異議申し立ての闘いを記録したドキュメンタリー映画である。また、この映画を作って世に出すこと自体が、同じような労働者搾取を孕んだ社会全体に対する闘い、問いかけとなっている。 ※ねたばれが凄いので注意してく…
「黒猫かわいいけど、やっぱ日本のアニメと絵柄が違うなあ」「どんなアニメなんやろう」、ということで気になっていた、2019年中国での制作アニメ『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』を観に行ってきました。 ドラゴンボールZ的な師弟の絆を筏で育み、現代の中国の大…
【映画】「パラサイト 半地下の家族」 最近話題だった韓国映画「パラサイト」を遅ればせながら鑑賞。 ( ´ - ` ) 半地下。
【映画】R2.3/13(金)「PRISON CIRCLE」(プリズン・サークル)@第七藝術劇場 坂上香監督、日本の刑務所内に映画のカメラが入ったという前代未聞の作品。交渉に6年、撮影に2年を要した、稀有なドキュメンタリー作品だ。 以下、鑑賞メモ。
【映画】バウハウス100年映画祭_A「バウハウス原形と神話」、B「バウハウス・スピリット」「バウハウスの女性たち」@第七藝術劇場 書籍や展示で触れてきた「革新的」で「革命的」なバウハウス像と、また異なるバウハウスの一面が見えてきました。 【上映期…
【映画】HELLO WORLD 感想メモ。夢オチならぬ夢目覚めオチだったのかどうかわかりませんけども。
【映画】新海誠「天気の子」 天気の話かと思ったら、挑発的なお話でした。僕らはあのとき確かに世界を変えたんだ、と呟く主人公・帆高の言葉は、RADWIMPS「愛にできることはまだあるかい」の詩と相乗して、新しい世代の、政治への参加と革命、そして退出の話…
【演劇】中野劇団「10分間2019~タイムリープが止まらない~」大阪公演 @HEP HALL たいへん珍しいことに、演劇をみました。超おもしろかったです(笑)。「10分経ったら時間が巻き戻る」という「理不尽」をいかに突破するか、というゲームを体感しました。 ※…
【映画】「ヨーゼフ・ボイスは挑発する」@第七藝術劇場 ヨーゼフ・ボイス(1921-1986)。世代的にリアルタイムでの接点が無かった私にとっては伝説の人物である。このたび、本人の生きて動いているドキュメンタリー映画が放映され、ようやく彼が何者かが少し…