写遊百珍

大阪国際メディア図書館「写真表現大学」研究ゼミ生・TA。各種講座のレポや、関西・東京の写真展、アート展示を特集。

【ART】2020.10/31_奥大和 MIND TRAIL③(吉野エリア_如意輪寺~下山・昼飯)~洞川温泉で1泊

 アートイベント「奥大和 MIND TRAIL」はそぞろ歩きツアー、山歩き入門編の様相を呈し、アートというよりも新型コロナ禍で衰えた身体と向き合う試練となりつつあった。

レポ第3部は吉野エリア・山道を下りきった後のていたらく、昼飯、そして宿泊地の洞川温泉(どろかわおんせん)の様子をレポします。夜の洞川はいいぞ。

 

源泉かけ流しで陀羅尼助丸をかっ食らえ!

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こんな旅が実現したのも、GoToキャンペーンの恩恵ですからね。政府与党の悪口を言うのしばらくやめます。うそです。感染予防には留意します。

 

さて山道を降りたら、後醍醐天皇の御陵があるという「如意輪寺」に立ち寄ります。

 

 

 

◇如意輪寺(『森の中の図書館』)

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13:16 如意輪寺

南朝歴代天皇の直願寺、後醍醐天皇のお墓もあるとか。あったんかな。あかん、見てない。惜しいことした。手を合わせたかった。ダブル都だったんですよね当時。すごいなあ。国家とは。

寺では「桜葬」を受け付けてました。桜の花の下であの世に逝きたい方向けの葬別プランですって。ロマンのある葬ですね。

 

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苦難続きの仲間が、不動明王のおみくじを引いて難断ちをします。ズバアァ。大吉が出ました。いいことがあるはず。なんとなく吉をニコン名機に吸い取らせてるみたいにも見えます。その後効いたかまた確認しておきます。

 

◆『森の中の図書館』

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またナウシカが出てきた。全7巻が7ヵ所に分祀されているのだろうか。

つげ義春『紅い花』、ジョルジュ・アガンベン『開かれ』、深沢七郎楢山節考』、矢田明子『コミュニティナース』・・・どれもいい、いいぞ。

 

ハロウィンのためか、物置などにかぼちゃ風の彫刻がありました。ハロウィン関係ないと思いますが、誰にもアピらず淡々と倉庫に佇むカボチャのオブジェは、渋谷の喧騒を軽く微風のように受け流すようなシュールさがありました。

 

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寺社で神や仏にもまして、苔が正義です。わたくし、苔を信仰しております。ミクロの原始密林を見なせい。(※マクロレンズを持つと人間はおかしくなります)

 

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13:55 また前進を再開。

意外とこの旅は長い・・・終わらんなあ。もうひるめしの時間を過ぎておる。仲間も「膝が痛い」「やばい」「体力もってかれた」「うんぬん」「かんぬん」と、疲弊気味です。 え? 私ですか? かつての力の大半を失ったとはいえ、まあそれなりに山に出入りしていたので、それなりに元気です。むしろランナーズハイで空腹感が減衰してきました。(※それはそれでシャリバテになるので放置してはだめ)

 

◆『distance.4』oblaat

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吉野エリア最後の「distance」、朗読が始まるや否や『広大な吉野の地を歩き回り、疲労で脚を重たくしたあなたは・・・』とメンタリストばりに真理を突かれてキャッキャします。ばれてる。。。ばれている。。。

 

詩の朗読と言えばそうなのだが、詩であることをいつしか忘れる。これは、「物語」を巡る問答だ。 

物語ることで物語は生まれるのか、それとも今に至るまでの歴史、記憶という「線」があったから物語るべきものが在るのか。詩人・永方佑樹の僅かに掠れながら太くて芯のある声が、揺れながら言葉を連ねるとき、それは言葉を読むのではない、まるで土を手で掘り返し、空を眼で手繰り寄せるようにして、言葉にならないものを、声で形どってゆく。何かが現れる、生まれてゆく感じがする。そしてふと、立ち止まるように速度と声量が少し止まる、また速くなる。

 

『土地の人は桜の種を「未生」(みしょう)と、呼ぶ。』

未生とはまだ生まれないことで、それはこの地の桜の木々が、人々が救いを求めて願いを託してその種や苗を植えてきたことに由来するらしい。桜は人の祈りによって芽吹く。花が咲く。願いを託した人々がいつしかこの世を去る・・・その生の循環がこの吉野の山、桜の山ということか。その生命の循環の中に私達は立っているということか。そこに眠っているのは、少なくとも南朝を打ち立てた者たちにまで遡るだろうし、もっと古来の存在を想うこともできる。

 

よし。分かった。

この命も露のように星に還るでしょうし、なまごみのように焼却炉で処分されるだけかもしれませんが、分かりました。山はそういうところです。そうなんです。(謎の悟りを得る)

 

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「おなかすいたー」

「膝がいたいー」

「また上りやー」

「ぎゃあああ」「あああ」

(以下略)

 

 

( ´ ¬`) 煩悩の星に生まれた宿命です。

 

 

我々は・・・ 煩悩の眷属・・・

 

っ^ぃ^つ

 

 

◇昼食~葛もち、下山

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14:09 煩悩の粋を集めたような昼飯!!!!

 

お店はたぶん「静亭」(しずかてい)。

店名も覚えてない…。スシの中毒か。

葛うどん(featuring とろろVer.)です。吉野葛を小麦粉に練り込んでいる。これにより麺の内も外も摩擦係数が減ってツルツル感が増し、美白を食ってるようなモニュ・ツル感が実現。讃岐うどんベースのコシ系とは全く異なる。「とうふそうめん」の親玉みたいな感じ。残念ながら食感と味の多くを山芋とろろが持って行ってしまったので、正確な食感は不明です。とろろ強い。

 

セットにしたので柿の葉寿司もぬかりなく食します。あー鮮度がある。うまいうまい。寿司は鮮度です。

  

窓の外の吉野山もいい眺めでした。あの山を越えてきたのか。みんな自信がつきました。自己啓発のプリミティヴ、脳内麻薬の源泉開拓です。そうして山の魔力にはまる人類は多い。健康のために山に行くのではない。脳が泉と化すためなのだ。

 

さて「葛は別腹」と古来から言いまして、「製造後10分しか食べられない葛切り」を出す店「中井春風堂さんにHere we go.です。 ゴーゴー、

 

nakasyun.com

 

「すいません今からだと一番早くて16時過ぎです」

 

( ´ ¬`) あたたたた

 

 

( ´ ¬`) そうですよね  名店ですもんね! すいま

    せんでした!!! わああ

 

 

わああああ(遁走)。

 

 

せめて動画ででも中井春風堂さんにご登場願おう。

 


葛切りの作り方

実際に店頭はガラス張りになっていて、店主の仕事が生で観れます。生解説つきで手際よくタンタンタンと、素晴らしく透明な、とろけたクリスタルのような葛が生まれていくのでした。伝説や。これは和のクリスタル伝説。

 

 

この10分葛きり・葛餅、、くやしい、

いつかリベンジを・・・

 

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( ´ ¬`) ∴違うリベンジに走る。

 

しかしですね奥さん、この「やたがらす」は良いですぞ。

いい。

奈良の地酒と言えば私は「やたがらす」だと思う。ごりっごりに存在感の押しがある。純米吟醸は度数も高い(18度)。「これは日本酒というより焼酎の域である」と仲間も夜半に絶叫。翌日まで残るダメージ。のこりは家に持ち帰りて美味しくスタッフがいただき候。うまい。

 

「最後は葛もちで〆ないと、下山できませんで」「たべましょう」、そんなわけで粘りに粘って葛もちを狙っていたのだが、どこが狙い目の店だかまるで分らない。目が曇ってしまったのか、はたまた、昼飯で満たされ五感が塞がれてしまったのか・・・

そんなわけで結局辿り着いた心のオアシスが、

 

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「歌藤」(かとう)さん。

 

( ´ ¬`) スタートと同じ店に回帰してしまった・・・ 

だがこれが正解だったのかもしれません。葛餅カップうめえ~。黒蜜うめええ~~。葛がしみいる。これ以上染み入ったら阿呆になってしまうと思いますが、もういいです。フォ~(心のほら貝を吹く)

 

∴葛は別腹

 

 

( ´ - ` ) さて帰ろうか

 

 

 

( ´ - ` ) あ、ねこ。

 

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15:20 駐車場のアイドルねこ。

修学旅行生などからも愛されているとのこと。

飼い主のご主人とカメラ談義。若かりし頃の思い出話。マニュアル機のニコンF3は音が違ったとのこと。そっすね。音で撮るんす。

 

これで吉野エリアは終わりです。幸せになりましたね。

食いすぎ。

 

 

では宿で酒宴をするための下ごしらえをしまs 

 スヤッ

 

(車内助手席で昏睡。原因は食べすぎ。)

 

◇天川・洞川温泉への道

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洞川温泉に行く前に 、道の駅めいたところ(つまり道の駅)で、パーティー系の駄菓子、茶菓子を酒のあてとして買い求めます。これが我ら俗人の峰入りじゃあ⛰⛰⛰⛰

 

※型崩れのおかきのパックをリーズナブルに買い、この時は喜んでおりましたが、のちに最高の上位互換・天川村名物「かき餅」が現れ、出番が完全につぶれました。南無。スタッフが持ち帰って冷凍庫に保管しておりますなう。

 

だらだら登りカーブの続く国道309号を行くと、秘境・天川村です。いつも登山のときはこの坂をだらだら上っていたなあ。とたんに懐かしくなってきました。そういうことだ。道は記憶から出来ている。

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やや長い曲がりくねった山道を抜ける。たこ焼きを売る謎店。

 

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16:16 道の駅吉野路黒滝

松茸祭とか、ナントカ鍋とか、五感に誘惑の激しいことばかり催していて、けしからん楽園でした。胃袋5人分ぐらい増設してこないと太刀打ちできへんぞ。わああ。

 

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カフェインだけ摂取して、土産物を買うのは控えます。なんでかというと、本日の宿に着くとGoToキャンペーンでの「地域共通クーポン」15%分が得られるので、明日また立ち寄ってクーポンを先に消費した方がお得というわけです。

と言いつつ、そんな計略、洞川温泉での買い物であっさり完結しました。そんなもんよね。四人で9千円分もらい、3千円をガソリン代に、残り6千円分を4人で割るという算段でしたが、1500円分など一瞬で溶けました。

 

生たまごを見つめているのは「明日クーポンで何買おうかな」という心理を表したものです。 

 

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明日なんていらない。今日だけがあればいい。

 

そんなことを言っていたら人生が折り返し地点に来ますよ。義務教育の先を見つめよう。 

 

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疾走せよ。失速する前に。

あなたがあなたであるうちに、あなたがあなたでなくなる地点めがけて

駆け抜けるんだ。

 

 

( ´ - ` ) あらゆる出会いを振り切って、満身創痍のままに、

昼夜をひっくり返して駆け抜けるんだ。

 

 

何を言うつるか分かりませんが、これは相当に高い次元の景色が見えている状態です。それは新笠木トンネルと新河合トンネルが長いせいです。

 

新河合トンネルができたのが1997年ですが、それ以前の道(今や廃道)に挑んだ方のレポートを発見しました。無人で、草ぼうぼうで、なんか怖い。


 

 

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16:38 ローソン、に似て非なる存在・個人商店「MORIKURA  HULAHULA」が出て来たら、天川村に無事に来れたということです。おめでとうございます。ほんとに何でローソンもどきなんだこれ。

 

 

洞川温泉:柳屋旅館 

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16:49 洞川(どろかわ)温泉のお宿、「柳屋」に到着。

もう日が暮れかけています。周囲を山に囲まれているので、日の入りが早いのです。おかげで気温も低い。同じ関西とは思えません。

途中に通りがかった龍泉寺では、紅葉が赤々と色づいていました。ありえん。季節が大阪の1か月半ぐらい早い。ここは未来だ。これを逃す手はありません。荷物を部屋に叩き込んだら、茶菓子とともに惰眠を貪りたくなる旅のタナトスをこらえて、撮影に繰り出しましょう。

 

ああっ 無料サービスのおやつ、

「かき餅」がうまいっっ うまいっっ

ああっ ああっ  (ボリッボリッ)

 

(パリッ)(バリバリ)

 

そして誰も動かなくなった。

 

柳屋さんは旅館業をやりつつ、かき餅も製造しいので、すごいですなあ。しかもかき餅が超おいしい。翌朝買いました。

 

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これがただの旅館はなく、修験道の講(団体)が泊まることを前提とした造りになっていて、各部屋は襖を外せば大部屋になる。

 

永遠に寛ぎそうになるところを堪えて、外に出ます。

(=_=)

 

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「柳屋」さんは洞川温泉・旅館街の最奥、果てにあります。源泉かけ流しの温泉があり、GoToキャンペーンを使えば鴨鍋コース・1泊2食付きで1万円程度という 、破格のお値段で泊まれます。ありがたい。GoToがなければ洞川で1万ウン千円も出して泊まることはなかったでしょう。政府与党に悪口を・・・いや

 

わりと有名っぽい蜂蜜の店が「今年度は休業します」とすごい勢いの宣言をしていてびびる。蜂の都合に合わせてるんかな。

 

龍泉寺(紅葉)

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17:21 龍泉寺

ご覧ください。これぞ日本の深い山の秋。緑と枯れ木の吉野山とえらい違いです。 色が深い。周りは暗いのに木々は明るい。燃えるような色、とはよく言ったもので、その通りです。まあお寺なので、周囲の山々と関係のない植生のものを人工的に移植((略

 

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11月下旬の京都みたいな、見事な色づきで、冬を感じます。空気は冷たく、あたりはどんどん暗くなり、澄み切っています。そして人がいません。日帰り客はもう帰っているし、宿泊客がどれぐらい洞川に入っているかは不明です。温泉街のはずれなので、わざわざ誰も来ないようです。翌日、昼間に車が駐車場に列をなしているのを見ました。日帰り客が多いので、特定の時間に集中するようです。 

 

清冽な空気の中で燃えるような色を占有できたのは、至福でした。それも17時半を過ぎれば、景色の全てが奥行きをなくし、段々と闇に落ちて、もみじはのっぺりした「赤」の平面だけに退行します。そうなると撮影は意味をなくします。

 

洞川温泉

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17:40 洞川温泉郷のメインストリートへ移動しました。昔ながらの宿が立ち並びます。一度目にすると印象に深く残ります。昼に通りがかっても素敵だし、夜はなおさらです。ここを夜にふらふら歩きながら撮影するのに憧れてました。実現してよかった。ありがとうGoTo。すべての写真は政権と密なのでしょうか? 否、この営みは自発的なものです。

意外と普通の飲食店、喫茶店もありました。が、18時になると光景が一変し、全ての店が順次閉まっていきました。特にコンビニも見当たらず、素泊まりなど危険なことはしない方が幸せです。食料よりも陀羅尼助がやたらめったら売ってるので、最終的には陀羅尼助丸を兵糧代わりに一夜を過ごすのも妙案です。うそです。

 

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だらにすけ街道です。見渡す限り、陀羅尼助の店です。日用品より陀羅尼助の方が多い。こうなってくるとジャケ買いをするほかありません。しました。 

同じデザインでも屋号が違うとか、デザイン自体が違うとか、入っている個数によって袋の色が違うとか、色々とコレクターに訴えかけるものがあります。あるよ。数が集まると欲望が喚起されるのだ。探偵ナイトスクープか何かでどの店のが一番効くか、効き方が違うかどうか検証してみてほしいですね。

 

端の方:洞川温泉郷の入口あたりまで下ります。

寒い。

 

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感染防止策のために何の人か分からなくなった人。 

 

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川を挟んだ両側に道があり、それぞれに宿や商店が軒を連ねます。闇の中ではとてつもなく、暗くて冷たい、あの世のような姿を見せます。この川は「洞川(どろかわ)」、と思いきや「山上川」という、全国どこにでもありそうな名前です。まあ色んな歴史があるのだろう。

かなりの渓流で、ヤマメとか素敵な魚がいると思いますが、都市部のドブ川と違って漁業権がややこしいかもしれない。見るだけにします。まあ飛び込むとしにます。寒くて冷たい。闇だ。静かで騒がしい闇・・・

闇・・・。

 

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( ´ - ` ) マスクをつけよう。

 

洞川温泉郷への入口の橋に掲げられていた看板です。交通関係の表示かと思いきや、しかし夜の暗がりの中ではマイルドな警告に見えます。GoToのジレンマを感じます。

 

◆『千本のひげ根』菊池宏子+林敬庸

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暗くてブレブレですが、杖が大量に置いてあります。杖が作品です。ただの木の枝ではない。ヒノキの間伐材を手入れして作られた杖は、それぞれに高さや曲がり方が違い、持つ者との相性があります。鑑賞者(実用者)は杖を確かめ、自分に合うものを選びます。

吉野エリアでも最初の駐車場に置いてあったらしい。うそやん。次の曽爾エリアでもありました。歩くことが主であるイベントだということがよくわかります。歩くことで作品になる、歩くことが作品? 

 

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看板と提灯を気に入った仲間たち。真っ暗なわけではないですが、それなりに明るく、それなりに暗いです。何もないというわけではない。静かに栄えている感じ。

 

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洞川温泉の魅力は、道の両脇に店がこうしてそそり立ち、光と建築が砦のように道を囲んでいます。たまりませんな。たまらんぞ実物は。カーブがいい味を出しています。その先が見えず、想像に委ねられているのが最高なんです。

この光景を見ながら酒をあおりたいところですが、冗談にならぬ寒さに襲われつつありますし、三脚もってきてないので、撮影ができません。「はやめに宿に帰って、めしの前に温泉に浸かって、身を清めるのはどうでしょうか」「賛成」「セイ」 宿に帰還します。

 

最後に作品を一発。

 

◆『distance.1』oblaat

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18:16 distance

天川エリアにも「distance」詩の朗読が4カ所あります。女人禁制の山へ入ってゆく男と、その後を追えない女性の話、だったように思います。 

天川エリアは詩と朗読者が覚和歌子氏に代わります。この声がめちゃくちゃいい。芯の通ったクリスタルガラスのような、高貴で真っ直ぐで、ブルーを帯びた響き。時折、情念の赤にも染まる。もうRPGですよ。終盤は「精霊ルビス様」と呼んでました。

 

この第1章の出だしから既に、男女の話でした。見た目上は。「あなた」、「あの人」は山に向かって歩いていく、背中だけを見つめながら「私」はそれを追いかける、永遠に距離は縮まらない。だが「あの人」が山に入ることを決めた動機が、修験道者らと真逆で、「私」を組み敷こうとした時に思い知った「敵わなさ」、眼差しと体と体熱に敵わないと悟って、『本能の封印をほどくために』山に入ると決めたと語られる。

 

「私」とは何だろうか。実在の人間の女性ではないようだ。『私を超える、人でないものになることを夢見て』、『命の本性を思い出すために』あの人は私を引き離して山に向かう。「動かぬ大地とは違う」私は、立ち止まらず追う。と。女性を含めた、里の一切の暮らしや、人間らしい文化圏のことか? 違う。もっと個としての意思を持っている。やはり精霊なのか。それともニホンオオカミのような、人間ではない何者かなのか。

 

 

( ´ - ` ) 誰やねん・・・

 

 

( ´ - ` ) そういえば仲間が「くねくね」の怪談を車中で語ってくれた。もとは2chで流行った怪談、都市伝説的なものだが、ある日、天川あたりの山の斜面に、白くクネクネしたものを見かけたことがあるという。

 

 

山は何が居るか分からぬ。何が居てもおかしくない。朗読に出てくる「わたし」とは何なのか…。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏…。精霊ルビスさま鎮まり給え鎮まり給え…。 

 

 

宿までの道中、店は閉まってますが、旅館は開いていて明かりが灯っているので、楽しい帰路です。次はこっちの方の宿にも泊まってみたいですね。

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f:id:MAREOSIEV:20201103231550j:plain煙草に見せかけて、ステッカーです。スタバとか奈良交通のもじり改変のジョークグッズ的な。もとは普通のタバコ屋だったんでしょうね。台のほうもステッカーです。

昔、観光地では千円とか二千円でメジャーバンドのシャツや、有名企業・製品のロゴをもじったシャツが売られていました。恐らく何ら許可を取らずに作ったもので、その割に全国の色んなところで同じようなものが売られていて、あれは何だったんでしょうか。 

 

◆『JIKU #008 TENKAWA』斎藤精一

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山の中から夜空を貫くレーザービーム。なんだなんだ。

事前情報なしでは作品だとは到底思わないでしょうね。山の中の幻パチンコ!

旅館のおやじさんも、作品だと思わなかった的なコメントをしていました。周りに明かりがすくないのでとにかくパワフルです。

 

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川を挟んで向かいの山の山頂に光がぶち当たって、神秘的なことになっています。こうして見ると「作品だな」と分かります。レーザーだけだと里山破壊ですが、装置の意図や効果が、土地の風土や記憶と結び付いたときに、それは単なる投光器であることを超えて、物語への一歩となります。

何の伝説かは分かりませんが、物語を感じます。そういう装置に慣れてきたからでしょうか。2千年ぐらい前から「光」と土地に何かを見出してきたのかもしれません。

 

( ´ - ` ) 光や。

 

 

◇柳屋、夕飯

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19:22 柳屋(風呂上り) 

温泉により温まり、意識がふうーってなっています。フウー。

フウー。

フワちゃんの後にはフウちゃんが来て、ノンポリどころかノーリアクシュオンのスター、無意識の女王と言われるに違いありません。うそです。

 

あっ。仲間らが残っていた「かき餅」を貪り食っています。おいやめろ。19時半から夕飯やぞ。もうすぐ夕飯やぞ。やめろっ、やめろおっ。気が狂ったのかっっ ああっ。全部なくなった。

 

 

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19:51 たまらなくそそる夕飯。

「鴨鍋プラン」は13,800~です。なんか紅葉ぽい。紅葉の感じを醸している赤いのは鴨肉です。天川村で鴨が有名とは聞いたことがないので、葛城のあたりで「倭鴨(やまとがも)」というのが伝統的に食されているようです。これがそうなのかは分かりません。

鍋です。鍋は信仰の、ひとつの極地です。これは小規模なドメスティックの輪を結び、その絆を深める儀式です。そして鍋に張られた液体:出汁は、種々の素材とともにその土地の風土や文化に敬意を払い、より奥へと意識をダイヴさせていく、井戸となります。私達は天川村の井戸に潜行し、そしてより深いところで源流を知り、一体となるのです。ほんまか。楽園だ。

 

( ´ - ` ) ぱくぱく(白米

 

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鴨肉です。紅葉の色をしています。合掌。リスペクトの念が募ります。ヘルシーであると言われています。おそらくいくら食べても脂肪は付かないでしょう。鴨だからです。これは鴨理論と言われています。部屋で「かき餅」を齧っている時点から仲間が「今日私らは1,400kcal消費した!」「1400kcalだ!!一食分に相当する!!!」「だから今日は何を食べても大丈夫だ!!!」としきりに叫んでいました。吉野エリアの反動があります。鴨肉。肉が呼んでいる。

 

鴨肉をさんざん火にくべて分かったことですが、これは弱火にしてからじわじわ湯の中で揺らすといい感じに仕上がります。初期設定の火力で放置すると、強すぎてたちまち硬くなるので注意が必要です。再現性のない情報ですが。ただし、レアで掬えば食感のフレッシュさに優れ、ウェルダンで寝かせれば出汁の味わいが染み込み、どっちも選び難い魅力があります。なお一度、見切り損ねてかなり生の状態で食べてしまいましたが、クッチャクッチャ、肉というか肉味のガムというか、これは何だ。しかし「陀羅尼助丸」を2回分ぶち込んだためか、何事もおきませんでした。だらにすけサバイバル、だらサバ。

 

鴨鍋もさることながら、アユの塩焼きがうまい、うまいのです。どうかしてる。料理漫画(包丁無宿)で「くはははは!活け鮎・死に鮎の区別もつかんらしいな!」とマジ食通が半可通を喝破するシーンがあり、養殖モノは形を整えるために尾びれまで塩をたっぷり塗ったくって見栄えを重視するが、天然モノはもとからいい形をしているので余計な塩を振らなくていいのだ、という理屈が展開されました。その論に従えばこの鍋宴の鮎はバリバリの養殖モノでしたが、別段、塩辛さが邪魔になるわけではなく、むしろ白飯にめちゃめちゃにマッチし、飯がとまらなくなり、自分が食べているのが飯なのか脳内麻薬なのか区別が付きませんでした。おちゃわん3杯です。それは飯だ。養殖とかなんとか関係ないと思いました。うまいうまい。

 

鍋は調理と食べるのとを同時並行でテンポよく進めないといけないので、なんか思っていたほど和気藹々と談笑する感じではなかったです。

もっと「最近どうなん」「えーっやだあ」「キャハハ」「ぎゃはは」と、上がりっぱなしの感じかなと思ったんですが、どうも違う。常に見計らっている感じです。見計らって素材を入れる・見計らって掬って食う、をひたすら繰り返し、そのたびに興奮するので、汗はかくわ言葉は減るわ、戦闘に近いものがあります。これが鴨パです。猪鍋だったらもっと汗だらだらしていたでしょうか。興奮しますね。

 

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20:40 〆の果物。 

柿がたまらんです。

 

( ´ - ` ) マロニーならぬ吉野葛が出て来て「クズニー」「クズ兄さん」「箸にも棒にも掛からないクズ兄さん」と評判でした。いや馬鹿にしているのではなく本当にいい。葛はマロニーと違ってしっかりした食感、慣れてくるとけっこうはまる気がする。

 

鴨パが終わったら地酒「やたがらす」で体温を上げます。もう十分に上がってますがな。18度あるんでな。「これは焼酎や」仲間が絶命するようにして叫びました。それは真理だと思います。うまいうまい。私は一体何kcal摂ったんでしょうか。

 

 

明日は「龍泉寺」の朝の紅葉を愛でて、朝食してから作品群を観に行きます。

 

 

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