2016.7.2(土) くすのき りょうへい氏 写真展「雨溝の生態学」
@オリンパスギャラリー大阪
気が狂ったように暑い日でした。みなさんいかがおすごしですか。
街を歩いていたら熱中症になるので、無料で観れるギャラリーとかに避難して
写真をながめると幸せになると思います。
大阪・本町のオリンパスギャラリー大阪にて
くすのきりょうへい氏、写真展「雨溝の生態学」。
くすのき氏は、茨木市にある「大阪国際メディア図書館」の「写真表現大学」で知り合った私の学友で、と言いつつも年齢的にもメカニックの知識などあらゆる点でも人生の大先輩で、個性的かつ知的でマニアックでつまり素敵な御方です。
この展示がなにかと言うと、
\(^o^)/ みぞ。
\(^o^)/ すっげえみぞ。
妥協のない みぞなんですよ。
あなたがたはみぞ宇宙に降り立ったことはあるか。
なかろう。
この写真展ではその小宇宙を探索する。
色んなものが生えてるし、色んなことが写り込む。
緑豊かで、深々とした表情を見せる、人工渓谷のような写真の数々は、私たちの家のすぐそこに流れる例のみぞです。
焦ってるときに限って家の鍵とかチャリの鍵とか小銭とか落として拾えなくなって悔しい、放置するとゴミが漂着して詰まったり、夏から秋にかけては雑草がもりもり繁茂して鬱陶しい、あの、例のみぞです。
ここでプロの方の推薦文をごらんください。
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小さな雨溝から大きな都市が見える、誰も気付かなかった眼差し。
同じ系譜の作品に畠山直哉の『Underground』があるが、
作者は知らずに溝に惹かれていく。
理系技術者の探究心が足元の溝の中を科学させ、
雨溝生態学の視覚化を始めた。
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(関西学院大学教授・写真家 / 畑 祥雄)
\(^o^)/ 推薦文がかっこよすぎてぐうの音も出まへん。
つまりそういうことで、そうなんですよ、
観ていただくとわかります。
(ちなみに畑先生は大阪国際メディア図書館の代表理事であり、講師でもあるため、このような寄稿をされています)
作家ご本人の格言が「きたないものを、きれいに」。
誰もが邪魔くさいものとして切り捨てた光景であるみぞの中を、一人で丹念に見つめはったものです。
溝というのは公地と私有地との境界であります。
境とはすなわちボーダーであって、グレーゾーンという言葉がありますね、だから植物や昆虫の生態だけでなく、その土地土地の人々の営みのかたちも表われるということになります。ごみとか、雑草とか、誰がいつどうするねんという話がありますね。その家々の衛生、美観意識すら見えてきます。そういう社会の姿の縮図でもあります。
あと偶然に小さく写り込んだ人間の数を数えるとかも面白いです。
そんな陣中見舞いでした。
皆さまもハードロックカフェで飯食うついでとかにどうぞ。
<★Link>
オリンパス 地図: オリンパスプラザ大阪 (カメラ・ICレコーダーなど)
(※作品の撮影は、ご本人の許可を得て行いました。)