nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【写真展】R4.12/17~R5.1/22 プリピクテジャパンアワード「fire & water」@東京都写真美術館

第3回となる国際写真賞「プリピクテ」の日本を拠点とする写真家を対象としたアワード。8名がショートリストに選ばれ、「火と水」に関する作品として、これまでの代表作を展示していた。

見ごたえはもちろん、今注目しておくべき若手~中堅の写真家を一度にチェックできること、作家名を知りながら生で見たことのなかった作品に出会えるのは大きな収穫であった。うれしい。

【会期】R4.12/17~R5.1/22 

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【写真展】R4.12/13~18 ヒガシジユウイチロウ「A=A A≠A The Proxy for what have seen.」@KOBE 819 GALLERY

1枚の写真に2000回のコピーを繰り返すことで、オリジナル(コピー元)とコピー先は「A=A」の関係からどんどん離れていき、どこかの時点で「A≠A」に至る。

前回までの3部作では複製のプロセスを示し、その前後を比較・対比させて提示したが、今作では次のプロセス「みたことの代理」を加え、「作られるべきだったもの(我々が知っておくべきだったもの)」という3点目を加えている。

 

【会期】R4.12/13~18

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【写真展】R4.12/13~25 熊谷聖司「心」展示&全作品プリントビューイング@ギャラリー・ソラリス

2020年の写真展<こころ>で発表されてからも、継続して制作されていたカラーフィルム写真のシリーズ。2022年8月に写真集 『心』(蒼穹舎)の発刊と東京での展示を経て、12月にはこの大阪での展示となった。

写真集は59点、本展示はその中から20枚の作品で構成されたが、実際には400枚超の作品を制作しており、その全点を「プリントビューイング」という形で1日限定・別室にて、予約者限定で公開した。

【会期】R4.12/13~25 / プリントビューイング:12/18

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【写真展】R4.12/1~11 小池貴之「浜さ」@galleryMain

フィルム、大判・中判カメラ、鶏卵紙という古典技術を総動員した写真作品。被写体も特別なものではなく、作者の実家のすぐ前の海である。だが写し取られた海の風景は、遠い記憶・心の中に息づいた光景となって表れる。

 

【会期】R4.12/1~11

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【ART】R4.12/3~11 高橋大雅「不在の中の不在」@建仁寺塔頭両足院、HOSOO GALLERY

デザイナー/現代美術家・高橋大雅(タイガ・タカハシ)の「初の個展」。2022年4月9日に当の本人は亡くなっている(享年27歳!)が、本人「不在」を感じさせない存在感があった。高橋大雅という存在を1ミリも知らなかった筆者が手探りでレポする。

 

【会期】R4.12/3~12/11(両足院)、R4.12/3~R5.3/12(HOSOO GALLERY)

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【写真展】R4.12/6~11 吉田幸治「a particular thirty-six-views」@ギャラリーTAJIRO祇園京都

葛飾北斎「冨嶽三十六景」の描かれた場所を辿り、それぞれの図を成立させている画面内のコンポジション」(構成)に注目して、再構築を試みた写真である。デザインと写実の差異が示される。

【会期】R4.12/6~11

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【写真展&トーク】R4.11/18~30 青木大祐「vanitasism」@新宿眼科画廊

自分の口にモノを詰め込んだセルフポートレイトにカビを生やす、3部作の完結編。第1部「Absorber」は食べ物、第2部「JANUS(ヤヌス)」は花、そして今作「vanitasism(ヴァニタシズム)」「文明」がテーマ、様々な人工物を模した小物が登場する。万物を受け容れる口――青木大祐は聖杯なのか??

 

【会期】R4.11/18~30

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【写真展】R4.11/5~27 吉田亮人「The Dialogue of Two」@RPS京都分室パプロル

前作で、従兄弟と祖母の深いつながりと唐突な死別について表した作者だが、語り尽くしたに見えた死と喪失について時間をかけて問いを重ね、新たな視点と解釈から作品を進展させ、写真集を新たに編み直した。それは多視点を織り込んだ、新しい写真集であった。

 

【会期】R4.11/5~27

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【写真展】R4.10/28-30、11/3-6 波多野祐貴「接触と沈殿」@スタジオ ツキミソウ

本作接触と沈殿」は一変して、特定の場所や時代を指さず、喜怒哀楽のどれにも属さず、一見何気なく、何も語っていないように見える。しかし明らかにある目的とコンセプトを持って撮り溜められ、配列されている。ポリフォニーと感応に向かって。

 

【会期】R4.10/28-30、11/3-6

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【学生】R4.10/15~11/3 「大阪芸術大学写真学科選抜展 NEXT 2022」@SONY αプラザ大阪

美大・芸大、専門学校の卒展といえば通例、毎年2~3月に催されるものだが、大阪芸術大学(略称「大阪芸大」)・写真学科の選抜展は秋にも開催されている。今回も、生徒各人の個性的なテーマや手法に基づいた作品が展開された。個人的に興味を抱いた作品・作家をレポしておく。

【会期】R4.10/15~11/3

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【写真展】R4.10/11~16_加藤ゆか「四畳半に花一輪」@enoco(江之子島文化芸術創造センター) 

東京とYouTubeをベースに活動している写真家・加藤ゆか自身のチャンネル「東京カメラ」の更新頻度が目覚ましく、YouTuber写真家と呼ぶにふさわしい。だが本質はガチな写真家であり、展示はなんと今年5回目を数える。

作品は、コロナ禍中に夫婦2人で敢行した「日本一周の旅」の写真である。ただの物見遊山の旅ではなかった。ゆっくりと、二人で足元を確かめながら、再生へと歩むような旅である。

 

【会期】R4.10/11~16

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