nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【写真展】R4.8/27~11/6 太田順一「ものがたり ものの語りに目をそばだてる」@入江泰吉記念奈良市写真美術館

関西を拠点に息の長い活躍を続けてきた、写真家・太田順一の特集展である。本展示では5つのシリーズから構成され、それは人の生活の残響を肖像写真のように表し、そしてある種の無常観へと繋げていた。

【会期】R4.8/27~11/6

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【写真展】R4.9/17~10/15 渡邊耕一「毒消草の夢 デトックス プランツ・ヒストリー」@The Third Gallery Aya

薬効ある植物を求めた知と流通の歴史は、あらゆる人文学の領域にまたがっていた。古い書物に描かれてきた植物の図像と、植物が実際に繁茂する写真とが、数百年の時空間を跨ぐ物語を紡いでゆく。

【会期】R4.9/17~10/15

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【映画】R4.9/27上映_足立正生 監督「REVOLUTION+1」@出町座

2022年7月8日、安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者をモデルとした映画を、安倍元首相の国葬のタイミングにぶち当てて全国各所で上映するという企画。

見どころは、元・日本赤軍メンバーでありパレスチナ人民解放戦線のゲリラ隊にも加わった足立正生監督が、山上徹也の所業をいかに解釈したか、それがタイトル「革命」といかに関連しているかだった。

 

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【ART】R4.9/8-11・15-19 林勇気「君はいつだって世界の入口を探していた」@クリエイティブセンター大阪

大量の写真を取り込んでアニメーション化したり、他者の撮影した写真や動画を元に物語りを加えて作品化したり、活動の目覚ましい映像作家・林勇気の大規模な個展である。

CCO(名村造船所跡地)2階から4階までの広大なフロアを使い、各階で異なる展示形式をとり、新作をベースに発表していた。映像の出現や意味を探る謎めいた2階、フロア全体を大胆に映像化した3階、囁きを聴きにフロアを横断する4階・・・ それらは「主格の分散」による「ナラティブの亜空間」を生じさせていた。

【会期】R4.9/8-11・15-19台風14号接近のため9/19は閉館)

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【写真展】R4.9/6~11 湯澤洋(汤泽洋)「我我 ワレワレ」@同時代ギャラリー

作者も取材先の被写体らも、日本の大学で学ぶ「中国人留学生」である。同じ境遇の士ならではの視点でポートレイト、部屋の中を撮ったドキュメンタリー。本展示では、部屋を借りて住みついても、またすぐに進学や就職で部屋を空けて移ってゆく、その軽さを表現していた。

 

【会期】R4.9/6~11

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【写真展】R4.9/10~11/6 「ロバート・キャパ セレクト展 もうひとつの顔」@神戸ファッション美術館

写真関係者で知らない者はいないであろう、超有名人ロバート・キャパ。戦争への従軍のイメージが強いが、民衆の暮らし、異国、有名アーティスト・・・と幅広く撮影してきた。約100点の展示作品でそれら多彩な写真、特に民衆の暮らしを捉えた写真を振り返る。

 

【会期】R4.9/10~11/6

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【ART】R4.9/10~11 「表現の不自由展KOBE」@兵庫県民会館

昨年に引き続いて今年も精力的に展示活動を行っている「表現の不自由展」、4月の東京、8月の名古屋・京都に続いて、9月は神戸での展示である。脅迫や反対運動が根強いため、いつどこで開催されるのかが事前に掴みにくいイベントだが、今回は幸いにも行くことができた。

主力作品はやはり変わらず《平和の少女像》慰安婦像)《遠近を抱えて PartII》天皇の写真(の複製)を燃やす映像)だ。

【会期】R4.9/10~11

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【写真展】R4.8/19~30、9/9~20「input × output 友長勇介・西川善康写真展」@gallery176

「gallery 176」運営メンバーの写真作家2人(友長勇介、西川善康)が、各自のinput(撮影)した写真を、交代してoutputする試み。

自分の撮った写真を、他の写真家にセレクトからプリントまで一切の判断を委ね、それをお互いにクロスさせるという、写真をやっている身からすると非常にスリリングな企画だった。

 

【会期】R4.8/19~30(前期)、9/9~20(後期) 

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【写真展】R4.8/13-21 鈴木萌「底翳(SOKOHI)・Chose Commune Edition 出版記念展」@RPS京都分室パプロル

家族や記憶との繋がりをテーマ化した写真集の作家を輩出している「Reminders Photography Stronghold」からまた1人、鈴木萌が京都で個展を行った。

緑内障によって光を、視界を失ってゆく父親の人生と視界を表した作品。同テーマの前作では「穴」によって視野欠損を表現していたが、今作では純粋に闇の総量で挑んでいる。父親の視座、娘/作者の視座、そして写真の視座が織り交ざり、写真集が編まれている。

【会期】R4.8/13-21

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【写真展】R4.8/11「Nadar(ナダール)京都/大山崎」オープン / 8/11~9/20 藤井春日「迷子の森」

関西にまた新たな写真専門ギャラリーが登場。東京の南青山のギャラリー「Nadar(ナダール)」が、クラウドファンディングによって支援を募り、京都の大山崎に新店をオープンした。

オープン3日後、展示を訪れてみた。こんちは。

【会期】「旅展」R4.8/11~8/21 「迷子の森」R4.8/11~9/20

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【ART】R4.7/30~10/10 国際芸術祭「あいち2022」STILL ALIVE[TK04]服部文祥+石川竜一 @常滑_旧丸利陶管

写真作品が少ない国際芸術祭「あいち2022」STILL ALIVEだが、参加アーティストの中で唯一と言ってよい名の知れた写真家・石川竜一と、『いのちのうちがわ』でタッグを組んだサバイバル登山家・服部文祥との再タッグ(+キュレーターは島袋道浩)が見られるということで、期待していた。

展示内容は予想外のものだった。

【会期】R4.7/30~10/10

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