nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【写真展】R4.5/14~6/18 川田喜久治「地図」@The Third Gallery Aya

関西で川田喜久治の写真集『地図』を4バージョン比較して鑑賞できる、非常に貴重な機会。プリントも写真集も、同じイメージがどれもまた異なるビジュアル世界として迫ってくる。黒の凄み、影の凄み。戦後日本が切り拓かれた、閃光の瞬間の影、ゼロの地点を見た。

【会期】R4.5/14~6/18

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【写真イベント】R4.5/28 写真作家ポートフォリオレビュー(速水惟広氏 呼び掛け)桑迫伽奈、塩原真澄、鈴木かずなり、ほんだのりこ

T.I.P(TOKYO INSTITUTE OF PHOTOGRAPHY)、T3 PHOTO FESTIVAL TOKYOファウンダー・速水惟広氏の呼びかけで集まった、写真家4名のレビューをさせていただいた。

 

「写真をやり始めてまだ間がない方々かな」と思っていたら、しっかりした受賞歴や展示歴があり、既に自分のテーマや手法を確立している方々であった。アエエッッ。強者だ。あかんこれ気合入れなやばい。アエエッッ。

皆さん、今後の活躍でまた出会う機会も大いにありそうなので、作品についてレポします。

【開催日】R4.5/28(土)19:30~21:00

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【写真展】R4.5/11~28 「生誕110年記念 新山清 写真展|Kiyoshi Niiyama's Eye #02」@BLOOM GALLERY

戦前~戦後60年代まで、非常に幅の広い写真を撮りまくってきた新山清。

生誕110年という節目の年ゆえ、今年1月には「リコーイメージングスクエア大阪ギャラリー」で、そして「BLOOM GALLERY」でも4月と5月で趣向を変えて、2期に分けて回顧展が催された。

この「#2」・展示第2期では、「主観主義写真」に分類される作品が特集された。

 

【会期】R4.5/11~28

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【写真展】R4.5/20~29_前川朋子・宮脇慎太郎「双眸 ―四国より―」@gallery 176

四国を生活・撮影の拠点としている2名の写真家が合同展示だ。関西から近くて遠い「四国」を、写真家はどう語るのか。キーワードの一つは「自然」、もう一つは「暮らし」だろう。

と考えていたが、書いていたら全く異なる観点に進み、「地方」を語る写真(家)側の文体と、それを鑑賞する側の「受け」の文体が必要なのだという気付きに至りました。詳しくは以下をお読みください。くわいか(kwik)。

 

【会期】R4.5/20~29

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【写真展】R4.4/23~5/15 波多野祐貴「隠れてはない 見えていないだけ」@PHOTO GALLERY FLOW NAGOYA

2019年頃から「台湾」の街角で風景や人物を撮り、その色と煌めきを影・闇の深さのコントラストによって印象的な作品としてきた作者。このたび、一転してかなり地道な、従来作からすれば地味とすら言える写真をあえて提示した。

 

本展示には「歴史」への気付き・認識の態度が込められている。

R4.4/23~5/15

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【写真展】R4.5/14~6/7 深瀬昌久「猫になった男」/【Talk】トモ・コスガ「猫を巡る深瀬昌久の写真表現」@PURPLE

《ベロベロ》《サスケ》《遊戯―A GAME―》の3シリーズからセレクトされた展示で、深瀬が「猫」になる――

展示キュレーションは深瀬昌久アーカイブス」の創設者・ディレクターであるトモ・コスガ(以下、呼びやすく「トモ氏」と呼称)が実施し、展示初日の晩にはトーク「猫を巡る深瀬昌久の写真表現」にも登壇。深瀬という写真家を「猫」の観点から読み解き、写真から見える深瀬像を深化・構造化させてみせた。

【会期】R4.5/14~6/7 /【トーク】R4.5/14(土)17:00~19:00

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【写真展】R4.4/26~5/1_みまつひろゆき「Life speed+」、R4.5/3~8_岡田登志夫「モダニストの独白」@同時代ギャラリー

京都・三条通御幸町角の「同時代ギャラリー」で、私の母校である「大阪国際メディア図書館 写真表現大学」ゼミ在学生2名:みまつひろゆき、岡田登志夫の展示が続けて催された。

2つの展示会期は【KYOTOGRAPHIE】会期中に当たっているが、【KG+】への参加は行っていない。見逃されていたかも知れないが、内容と質は他の【KG+】展示作品に引けを取らない。

【会期】みまつひろゆき:R4.4/26~5/1、岡田登志夫:R4.5/3~8

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【写真展】山下豊 R4.4/22~5/3「439 ROUTE1」@gallery 176 / R4.4/10~5/13「相生湯とモカ」@ビジュアルアーツギャラリー大阪

山下豊は90年代から2000年代にかけて活動し、特に作品『OSAKA』『軍艦アパート』写真新世紀、個展、写真集などで幅広く展開していた、キャリアの長い写真家である。2016年に亡き父親の故郷である高知県土佐清水市に移住したが、このたび再び大阪へと戻ってきた。

そして戻ってくるや、4~5月のダブル個展である。作品はどちらも約5年間の土佐清水暮らしの中で撮られたものだ。展示作品と、作家トークで語られたことを元にレポートする。

 

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【写真イベント】R4.4/16 THE BACKYARD「PITCH GRANT」2021年度 最終公開審査 @将軍塚青龍殿

写真家・岡原功祐氏の設置する「THE BACKYARD」主催の「PITCH GRANT」:35歳以下の若手作家プレゼンテーションによる助成金支援プログラム、2021年度の最終公開審査が行われた。

全41名の応募者からファイナリスト10名が選出され、うち9名がプレゼンを行い、宮田恵理子「disguise」木村孝「Amata Trilogy」の2名がめでたく受賞した。おめでとうございます。

R4.4/16

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【KYOTOGRAPHIE 2022】R4.4/9~5/8【3】「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」@HOSOO GALLERY・5F(岡部桃、清水はるみ)

「KYOTOGRAPHIE 2022」の主役プログラム「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」レポ・最終回です。5F展示・5名のうち、最後の2名:岡部桃、清水はるみを紹介する。

色彩と廃墟の水圧が見事な岡部桃の叙事詩、色鮮やかで軽みのある清水はるみの博物学。二人は生と科学技術、人工的な生命の関係について語っているようだ。掘り下げて読んでみたい。

 

【会期】R4.4/9~5/8

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【KYOTOGRAPHIE 2022】R4.4/9~5/8【3】「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」@HOSOO GALLERY・5F(吉田多麻希、稲岡亜里子、林典子)

「KYOTOGRAPHIE 2022」日本の現代女性写真家・10名を特集する展示企画。後半は「HOSOO GALLERY」5Fの吉田多麻希、稲岡亜里子、林典子、岡部桃、清水はるみのうち、前3名をレポートする。
(分量の都合により、岡部桃、清水はるみは次号に回します。。)

 

2Fが暗く、全ての展示が闇を舞台としていたと対照的に、ここでは窓から太陽光が潤沢に注ぎ込み、明るさの中で展開されていた。

【会期】R4.4/9~5/8

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【KYOTOGRAPHIE 2022】R4.4/9~5/8 【3】「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」@HOSOO GALLERY・2F(細倉真弓、地蔵ゆかり、鈴木麻弓、岩根愛、殿村任香)

【KYOTOGRAPHIE】プログラムNo.3「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」では、タイトルの通り10名もの日本人女性写真家が1会場「HOSOO GALLERY」(2F、5F)に集結している。

実力、質、テーマの多彩さ、いずれの点でも今年の【KG】において支柱的な展示であった。むしろこれがなかったら空虚な10周年となっていただろう。良かったんですよ。全員違うし全員いい。多彩で芯がありビジュアルの力があり説得力があり、美しい。

前半では2Fで展示された細倉真弓、地蔵ゆかり、鈴木麻弓、岩根愛、殿村任香の5名をレポする。

【会期】R4.4/9~5/8

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