nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【写真展】R4.4/26~5/1_みまつひろゆき「Life speed+」、R4.5/3~8_岡田登志夫「モダニストの独白」@同時代ギャラリー

京都・三条通御幸町角の「同時代ギャラリー」で、私の母校である「大阪国際メディア図書館 写真表現大学」ゼミ在学生2名:みまつひろゆき、岡田登志夫の展示が続けて催された。

2つの展示会期は【KYOTOGRAPHIE】会期中に当たっているが、【KG+】への参加は行っていない。見逃されていたかも知れないが、内容と質は他の【KG+】展示作品に引けを取らない。

【会期】みまつひろゆき:R4.4/26~5/1、岡田登志夫:R4.5/3~8

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【写真展】山下豊 R4.4/22~5/3「439 ROUTE1」@gallery 176 / R4.4/10~5/13「相生湯とモカ」@ビジュアルアーツギャラリー大阪

山下豊は90年代から2000年代にかけて活動し、特に作品『OSAKA』『軍艦アパート』写真新世紀、個展、写真集などで幅広く展開していた、キャリアの長い写真家である。2016年に亡き父親の故郷である高知県土佐清水市に移住したが、このたび再び大阪へと戻ってきた。

そして戻ってくるや、4~5月のダブル個展である。作品はどちらも約5年間の土佐清水暮らしの中で撮られたものだ。展示作品と、作家トークで語られたことを元にレポートする。

 

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【写真イベント】R4.4/16 THE BACKYARD「PITCH GRANT」2021年度 最終公開審査 @将軍塚青龍殿

写真家・岡原功祐氏の設置する「THE BACKYARD」主催の「PITCH GRANT」:35歳以下の若手作家プレゼンテーションによる助成金支援プログラム、2021年度の最終公開審査が行われた。

全41名の応募者からファイナリスト10名が選出され、うち9名がプレゼンを行い、宮田恵理子「disguise」木村孝「Amata Trilogy」の2名がめでたく受賞した。おめでとうございます。

R4.4/16

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【KYOTOGRAPHIE 2022】R4.4/9~5/8【3】「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」@HOSOO GALLERY・5F(岡部桃、清水はるみ)

「KYOTOGRAPHIE 2022」の主役プログラム「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」レポ・最終回です。5F展示・5名のうち、最後の2名:岡部桃、清水はるみを紹介する。

色彩と廃墟の水圧が見事な岡部桃の叙事詩、色鮮やかで軽みのある清水はるみの博物学。二人は生と科学技術、人工的な生命の関係について語っているようだ。掘り下げて読んでみたい。

 

【会期】R4.4/9~5/8

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【KYOTOGRAPHIE 2022】R4.4/9~5/8【3】「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」@HOSOO GALLERY・5F(吉田多麻希、稲岡亜里子、林典子)

「KYOTOGRAPHIE 2022」日本の現代女性写真家・10名を特集する展示企画。後半は「HOSOO GALLERY」5Fの吉田多麻希、稲岡亜里子、林典子、岡部桃、清水はるみのうち、前3名をレポートする。
(分量の都合により、岡部桃、清水はるみは次号に回します。。)

 

2Fが暗く、全ての展示が闇を舞台としていたと対照的に、ここでは窓から太陽光が潤沢に注ぎ込み、明るさの中で展開されていた。

【会期】R4.4/9~5/8

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【KYOTOGRAPHIE 2022】R4.4/9~5/8 【3】「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」@HOSOO GALLERY・2F(細倉真弓、地蔵ゆかり、鈴木麻弓、岩根愛、殿村任香)

【KYOTOGRAPHIE】プログラムNo.3「10/10 現代日本女性写真家たちの祝祭」では、タイトルの通り10名もの日本人女性写真家が1会場「HOSOO GALLERY」(2F、5F)に集結している。

実力、質、テーマの多彩さ、いずれの点でも今年の【KG】において支柱的な展示であった。むしろこれがなかったら空虚な10周年となっていただろう。良かったんですよ。全員違うし全員いい。多彩で芯がありビジュアルの力があり説得力があり、美しい。

前半では2Fで展示された細倉真弓、地蔵ゆかり、鈴木麻弓、岩根愛、殿村任香の5名をレポする。

【会期】R4.4/9~5/8

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【写真展】R4.4/8~5/8「KG+SELECT 2022」(後編:A5~A8_飯田夏生実、西村楓、松村和彦、アンナ・ベディンスカ)@くろちく万蔵ビル

「KYOTOGRAPHIE」サテライト展示プログラム「KG+SELECT」・展示8名のうち、残り4名のレポ続編です。意図したわけではないが3名がモノクロ作品なので妙に黒くて暗い記事になってしまった ('o' ) 

ドキュメンタリー色が強く、作者自身と取材対象者の内面の掘り下げが深い分、シリアスさを保ちながら、手に取りやすく、見て回りやすい展示方法を工夫し、鑑賞者の関心のスイッチをうまく押す形態がとられていた。

 

【会期】R4.4/8~5/8(KG本体と同じ)

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【写真展】R4.4/8~5/8「KG+SELECT 2022」(前編:A1~A4_王露、高杉記子、林煜涵、岩波友紀)@くろちく万蔵ビル

「KYOTOGRAPHIE」本体プログラムがゴージャスな空間表現の「写真祭」なら、同時開催プログラム「KG+SELECT」は今が旬の、階段を駆け上がろうとしている写真作家らの闘技場。むしろこっちの方が「写真作品」の実直な現在形を示しており、二つは対の、不可分のプログラムだと毎年実感している。

今年は8名の作家が登場。2回に分けて4名ずつレポします。

 

【会期】R4.4/8~5/8(KG本体と同じ)

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【KYOTOGRAPHIE 2022】R4.4/9~5/8_10個の本体プログラム全体を通じて

10周年を迎えた「京都国際写真祭・KYOTOGRAPHIE 2022」、今回はテーマタイトル「ONE」を掲げ、いつもと変わらず多彩で多様な写真表現を、様々な建築空間をふんだんに用いて展開している。

本稿では、会期1日前に催されたプレス内覧会の様子を元に、KYOTOGRAPHIE本体・全10プログラムの概要を独自解釈を交えてお送りする。

 

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【会期】R4.4/9~5/8

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【写真展】galleryMain × gallery 176 交流展「都市風景(アーバンランドスケープ)」_布垣昌邦「洛中洛外観察日記『03_19』」× カワトウ「スーパーメロンショートケーキ」

2022年3月、京都・五条のgalleryMainと、大阪・服部天神のgallery 176とで交流展が催された。両ギャラリーの作家が会場をチェンジして展示を行う企画だ。共通テーマとして「都市風景(アーバンランドスケープ)」が掲げられた。

布垣昌邦「洛中洛外観察日記『03_19』」と、カワトウ「スーパーメロンショートケーキ」の2つの展示をレポートする。

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【会期】布垣昌邦:R4.3/10~3/20 / カワトウ:R4.3/26~4/5

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【写真展】R4.3/15~3/27 豊中市立市民ギャラリー特別企画 現在・過去・未来「浪花 北摂 写真散歩」

2022年3月、大阪・豊中(服部天神)の複数のギャラリーが連動して大阪・北摂に関するスナップ写真の展示が催された。うち、豊中市立市民ギャラリーでは「浪花 北摂 写真散歩」展が催され、北井一夫の作品「新世界物語」を中心に「gallery 176」メンバーなど12名の写真家が参加し、様々なスナップ作品が一堂に会した。

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【会期】R4.3/15~3/27

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【ART(概論)】R3.10/16~R4.3/13 「ぎこちない会話への対応策 第三波フェミニズムの視点で」(ゲストキュレーター:長島有里枝)@金沢21世紀美術館

金沢21世紀美術館で同時開催された2つのフェミニズム関連展示のうち、写真家・長島有里枝がゲストキュレーターとして関わった『ぎこちない会話への対応策 第三波フェミニズムの視点で』について鑑賞レポ。

とはいえ、私がフェミニズムに全く無知であることに加え、いつものように個別の作品紹介をしても展示の意図や性格がすんなり理解できる構造ではなかったため、まず図録を紐解き、長島の言葉などからその意図などを読み解いていきたい。

 

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【会期】R3.10/16~R4.3/13

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