nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【ART】R3.12/15~12/25_final wks.祭 平面展 @GALLERY wks. (ワークス)

「GALLERY wks. (ワークス)」は大阪北区・西天満のマンション最上階の1室にあるという珍しいアートギャラリーだったが、この12月の「final wks.祭」展を最後としてクローズする。2022年からは大阪府の最北部・豊能町に「vitokuras」という名で移転オープンする。

「final wks.祭」展は会期を2つに分けて、前半を「立体展」・後半を「平面展」として開催された。私が訪れたのは「平面展」の方でした。

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【会期】(平面展)R3.12/15~12/25、(立体展)12/1~12/11

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【写真展】R3.10/29~12/26_中藤毅彦「エンター・ザ・ミラー」@奈良市写真美術館

モノクロ・スナップの洪水に呑まれる。90年代、ゼロ年代、2010年代の世界8都市で撮られた膨大なモノクロ写真は何を見せたのか。「ミラー」、鏡とは何だったのか。熱を持ったモノクロの中へ飛び込む。

 

それは東西冷戦の「主義」の時代、そして写真文法表現の時代から、より直接具体的な問題の降りかかる「現在」へと移り変わってきたことを表わしていた。

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【会期】R3.10/29~12/26

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【写真展】R3.12/14~12/26_ 大和田良「宣言下日誌」@ギャラリー・ソラリス

新型コロナ禍のことは、震災とはまた別の形で順化し、忘れてゆく。写真家は様々な形でそれを刻みつけて遺そうとしている。

本展示は東京からの巡回展である。2020年4月7日~5月25日に発令された第1回目の「緊急事態宣言」下で撮られた写真と手記を収めた『宣言下日誌』が今年7月に刊行され、それに併せて催された展示だ。同時に、過去のスナップ写真が並置されている。

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【会期】R3.12/14~12/26

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【写真展】R3.12/11~12/19_折田千秋「コレクティブ・イメージ」@KOBE 819 GALLERY

『誰かが感じた印象を他者の写真を用い再構築したものが、「コレクティブ・イメージ」=印象の集合知になります。』

 

ステートメントに書かれている要素を紐解くには、「色」を張り合わせたような作品をじっと見るだけではだめだった。話を聴いて制作工程に深入りしていくことで、本作の「見えない」部分がいかに集合知に言及しているかを知ることができた。

 

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【会期】R3.12/11~12/19

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【写真展】R3.11/27~12/19_高林直澄「A second of...」@galerie SPUR

2021年11月27日、大阪・服部天神に新しいギャラリー「galerie SPUR(シュプール)」がオープンした。写真専門ギャラリー「gallery 176(いなろく)」とギャラリー&ショップ「G&S根雨」の入る建物とは、実に徒歩1分以内の超至近距離に位置し、写真ファンにとっては超うれしい展開となりました。ありがとうございます。

 

開店初となる展示は、オーナーであり写真作家・高林直澄氏の作品である。ギャラリーも作品も見ていきましょう。

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【会期】R3.11/27~12/19

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【写真展】R3.11/11~R4.1/16_キュレトリアル・スタディズ15:八木一夫の写真(2021年度 第4回コレクション展)@京都国立近代美術館

京都国立近代美術館・コレクション展のワンコーナーとして、陶芸家・八木一夫の撮った写真が展示されている。1960年代前半~中頃に、散歩中や旅先で撮られたもので、その数は100点にも及ぶ。八木一夫のことは全く知らなかったが、会場に置かれた陶芸作品と合わせて観ることで、その独特な感性の眼が写真にも生きていることが伝わってきた。

そして写真を観ていて純粋に楽しかった。

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【会期】R3.11/11(木)~R4.1/16(日)

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【学生】R3.11/6~11/28_じないまちフォトプロジェクト2021「旧杉山家写真物語展」(大阪芸術大学)(後編)@その他会場

大阪府富田林市の古町並みが残る寺内町で展開された、大阪芸大の学生らによる「じないまちフォトプロジェクト2021 旧杉山家写真物語展」。学生とはいえ17人(教授ら2名含む)もの写真家が同じ歴史的建築物を撮影し、町中に展示するのは珍しい企画かと思います。和の建築空間について否が応でも向き合うことになり、だんだんと理解が進んだ気がします。気のせい? 和こぇぇす。

 

後編は「旧杉山家住宅」以外の3会場の展示をレポです。

 

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【会期】R3.11/6(土)~11/28(日)

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【学生】R3.11/6~11/28_じないまちフォトプロジェクト2021「旧杉山家写真物語展」(大阪芸術大学)(前編)@旧杉山家住宅

大阪府富田林市、古くから残る寺内町(じないまち)」の4会場を舞台に、大阪芸術大学の大学院生・写真学科生15名、准教授1名、教授1名の計17名が写真作品を展開する。

この前編の投稿では重要文化財にして巨大な邸宅:「旧杉山家住宅」会場を取り上げよう。ここだけで全体の半数弱の7名も出展している上に、この住宅こそが本企画のテーマ・被写体なので知っておく必要があります。それに主力作品があって、それがかっこいい。

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【会期】R3.11/6(土)~11/28(日)

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【ART】R3.11/19~11/28_現代京都藝苑2021「悲とアニマⅡ ~いのちの帰趨~」@The Terminal KYOTO

京都の「和」の2会場で展開される、現代美術の展覧会『悲とアニマ ~いのちの帰趨~』、この記事では四条烏丸の京町家を活かした会場「The Terminal KYOTO」での展示をレポります。1F、2F、地下・防空壕の3エリアを用いて展開。

たのしいよ ( ´ -`)

 

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【会期】R3.11/19(金)~11/28(日)

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【ART】R3.11/19~11/28_現代京都藝苑2021「悲とアニマⅡ ~いのちの帰趨~」/勝又公仁彦 @両足院、The Terminal KYOTO

建仁寺塔頭・両足院と「The Terminal KYOTO」の2会場で、現代美術展「現代京都藝苑2021 悲とアニマⅡ」が開催された。

13名の出展作家のうち、特に出展数が多く、また他の作家陣とはやや異なる展示形態をとっていた美術家・写真家の勝又公仁彦の展示について書いておく。理由は、最も「個」として、『悲とアニマ』というタイトルに向き合って格闘していたからだ。

 

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【会期】R3.11/19~11/28

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【ART】R3.11/19~11/28_現代京都藝苑2021「悲とアニマⅡ ~いのちの帰趨~」@建仁寺・両足院

京都の「和」の2会場で展開される、現代美術の展覧会。『悲とアニマ ~いのちの帰趨~』というタイトルから想起される喪失感や悲嘆のイメージとは裏腹に、仏教、日本現代美術と「和」の感性とを掛け合わせる展示でした。しなやかでつよい。

まず建仁寺・両足院から観ましょうか。へい。

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【会期】R3.11/19(金)~11/28(日)

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【ART】R3.10/31~11/14_木津川アート2021/チームびゅ(成田直子×成田貴亨)『MIKANOHARA ALBUM』@寺子屋やぎや

「木津川アート2021」の展示プログラムの一つ。イベントの舞台である京都府木津川市加茂町瓶原(みかのはら)」に住む人々によって撮られてきたファミリーアルバム内の写真を複写し、私的に、確かに刻まれてきた無名の歴史を辿る作品である。蔵に収められてきた大量の家財や食器とともに、それらは「川」の形で提示される。

そこには地域の記憶だけでなく、家を深く貫く婚姻制度があった。

 

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