nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【ART】R3.7/16(金)~7/18(日)「表現の不自由展かんさい」展示内容(前編:天皇関連) @エル・おおさか

実行委員会と大阪府、主催者側と右翼団体との不穏な対立、間に立つ警察、そして相次ぐ脅迫と報道。もはや何の展示だったのか、展示の趣旨、作品の意味がそもそも何だったのか、色々と置き去りになっていて見失われていそうな「表現の不自由展」について、その展示内容を見ていきましょう。

 

(長くなりそうなので、天皇関連の作品でいったん切ります) 

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 【会期】2021.7/16(金)~7/18(日)

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【ART】R3.7/17(土)「表現の不自由展かんさい」これまでの経緯~現場で整理券待ち @エル・おおさか

7/17(土)、「表現の不自由展かんさい」に行ってみたの巻。

入場のためには整理券をゲットしなければならず、どのぐらいの混雑になるか想定できなかったため、とりあえず早めに向かいました。ひー。

右翼的な方々と主催者側の方々とが車道を挟んでにらみ合い、拡声器バトルし、水色の警官隊と黒い警察車両が周囲を取り巻く中、よく分からんけど整理券を購入するまで並ぶという苦行。あつい。 

 

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【映画】ルネ・ラルー監督「ファンタスティック・プラネット」@第七藝術劇場

赤い目をした青い巨人が、我々と同じ姿形の小人族を支配し、飼育している。全てのものが奇異な、惑星イガムでのシュールな物語。覚めない悪夢のようなビジュアルにクラクラする。

弱者を飼育・駆除する異文化の描写から、物語は弱者による革命の話へと発展する。

 

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【映画】劇場版 少女 歌劇 レヴュースタァライト

Twitterで本作を劇推しする超熱の投稿を見たというだけの理由で、観に行ってきました。予備知識なく、TVアニメを見たこともなく、ただ「Twitterで凄いと言ってる人がいたので観に行ってみた」というだけで、その後も調査等なし。人体実験レポと思ってお読みください。

 

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【映画】香港インディペンデント映画祭2021_「僕は屈しない」「2019年 香港民主化デモ 傑作短編集」

観ている最中から興奮や感情移入や戸惑いや自問自答で目まぐるしく気持ちをかき乱された。2本の映画はどちらも香港民主化運動の生のドキュメンタリーで、戦う、戦う、どこまでも戦う香港市民・若者らの姿に、次第に共感さえできなくなり、ただただ畏怖するしかなかった。同じアジアの一角で、姿形は似ていながら、何が私と彼ら彼女らとを、ここまで違う人間にさせたのか。一国二制度民主化、自由の危機、警察権力。背負ったものが違いすぎるのか。

 

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【会期】2021.6/19(土)~6/25(金)@シネ・ヌーヴォ

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【映画】監督:岩間玄「過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道」@シネ・リーブル梅田

よいドキュメンタリー映画だった。

森山大道という写真界の生きるレジェンド。その歴史をサッと掴みつつ、現役として活動する「いま」を記録した、貴重なドキュメンタリーである。入り間口が広く、森山大道のことを全く知らない層にも開かれていた。

 

80歳を超えてなお現役写真家として街頭でスナップを撮り、欧米を虜にし、写真集を世に送り出す森山大道の姿は、大きくて深い。その姿は「写真」の故郷のような存在だと感じた。

 

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【写真展】R3.6/19(土)~6/27(日)_波多野祐貴「undercurrent」@gallery176

日常・地元の裏で、異世界のような色彩と闇があった。その邂逅を果たした作者が、人知れず上げる眼の歓喜のような作品群。コロナ禍がもたらした偶然の再発見だろうか。

 

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【会期】2021.6/19(土)~6/27(日)

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【写真展】R3.6/16(水)~7/10(土)_「フィリップ・サルーン展」@BLOOM GALLERY

名だたる写真家のプリントを手掛けた職人による、 古き良き「幸せなスナップ」の系譜。被写体への愛情と丁寧なプリントが素敵だ。作品の評価とは別に、こういうスナップ写真と撮影がもっと愛されてもいいのになあと思ったりします。みんな動画だけじゃなく写真撮ろうず。

 

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【会期】2021.6/16(水)~7/10(土)

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【写真展】R3.4/3~7/4_山内悠「惑星」@入江泰吉記念奈良市写真美術館

山内悠は多才だと思う。作風の幅だけでなく、会場の構成、各パートの並べ方やサイズのリズム感、題字の見せ方など、様々な要素がデザインとしても心地好く、モンゴルに対する共感の豊かさが溢れている。この共感を無限大に広げたところに認められる存在や時間の多様さを「惑星」と呼んでいるのだろう。無論、私はそれだけでは満たされないので、「惑星」の別の可能性を探った。 

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【会期】R3.4/3~7/4

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【映画】フィル・メッキー監督「DREAMS ON FIRE」@シネ・ヌーヴォ

夢 × TOKYO × ダンス、ダンサーになりたいという夢を叶えるために上京して、夜のTOKYOに揉まれながら、逞しく成長してゆく少女の物語。が、想像以上に粗くいびつな、良さと悪さが極端な映画だった。

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【映画】監督:キム・ミレ「狼をさがして」@九条シネ・ヌーヴォ

1974年「東アジア半日武装戦線」という名で企業のビルを爆破した集団がいた。今では隔世の感のある話、その当事者らの「現在形」を追うドキュメンタリーである。浮かび上がってきたのは、当時のことを語らせないかのように閉じ込める警察権力の姿だった。

 

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【写真展】R3.5/25~6/6_熊谷聖司「眼の歓びの為に 指の悦びの為に この大いなる歓喜の為に わたしは尽くす」@ギャラリー・ソラリス

休みなく精力的に活動し続ける写真家・熊谷聖司、その姿は常に背中しか見えない。だが作品には幸いにもその「眼」が正面から捉えたものが写されている。

 

本展示に先駆けて、2021年2月に同名の写真集が刊行され、同時に東京・吉祥寺の「book obscura」でその記念として展示が開催されていた。新型コロナ感染拡大と緊急事態宣言ばかりの2021年だが、そんな中で大阪でもフォローアップしてもらえたのは幸運だった。

 

写真集、展示と、5/28(金)晩に催されたトークイベント『眼の歓びについて』の内容を踏まえてレポート。

 

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【会期】2021.5/25(火)~6/6(日)

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