nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【写真展/KG+SELECT 2020】元・淳風小学校2F(クロエ・ジャフェ、ウスイ チカ、草本利枝、小出洋平、Yingfei Liang、Chan Kai Chun)

KYOTOGRAPHIE(以下「KG」)サテライトイベント「KG+SELECT」、引き続き元・淳風小学校の2F部分の展示・6名の作家についてレポです。

2Fはなお一層、明るい展示とシリアスとがきわきわのバランスでせめぎ合っていて素晴らしいです。

 

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 【会期】2020.9/18(金)~10/18(日)

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【写真展/KG+SELECT 2020】元・淳風小学校1F(黄郁修、中川剛志、MOTOKI、高橋健太郎)

京都国際写真祭「KYOTOGRAPHIE」(以下「KG」)・サテライトイベント「KG+」の中でも別枠、審査制となっているのが「KG+SELECT」だ。この中で更に選考があり、グランプリ受賞者は翌年の「KG」本体のプログラムに出展できる。今年は10組の作家が選出されている。

 

会場は毎度おなじみ元・淳風小学校。インスタレーションの工夫をどの作家も凝らし、普通の写真展ではなくなっている。1F、2Fをそれぞれ見ていきましょう。

 

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【会期】2020.9/18(金)~10/18(日)

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【写真展/KG】KYOTOGRAPHIE 2020(1)_⓪インフォメーション、①片山真理『home again』、②エルサ・レディエ『Heatwave』、③ウィン・シャ『一光諸影』

「KYOTOGRAPHIE(京都国際写真祭)2020」、8年目。わあい。コロナ禍で一度は春開催が延期になったものの、9/19(土)より開催です。わあい。うっうっ(泣く)。

クラウドファンディングで1千万円の支援が寄せられたり、世界的に大変な状況にあっても企業の協賛を得られたことなどは、「写真」の場がまだまだ日本/世界にとって健在であり、必要であることを示したと思います。うっうっ(泣く)。

 

では【KG】本体プログラムを順にレポしていきましょう。まず⓪インフォメーションから順に、①片山真理、②エルサ・レディエ、③ウィン・シャをどうぞ。

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 【会期/KG本体プログラム】2020.9/19(土)~10/18(日)

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【写真展】小谷泰子「青の断片から青い闇へ」@ギャラリー島田(神戸)

「青」に貫かれた作家の、四半世紀に及ぶ活動を凝縮して鑑賞しました。写真の域を超えた作品を観るのは、夜の海を泳ぐような体験でした。

 

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【会期】2020.9/12(土)~9/23(水)

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【写真展】京都造形芸術大学・2019年度卒業生有志「KUGIRI」@gallery176

今年3月に予定されていた修了展が再延期となった京都造形芸術大学(現、京都芸術大学)・通信教育部の有志6名によるグループ展が開催され、本来発表するはずだった作品を公開している。それぞれの日常への視点が感じられる作品だった。

 

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【会期】2020.9/12(土)~9/22(火)

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【写真展】高井博「16分間の同僚」@ニコンプラザ大阪 THE GALLERY

ミニドラマのようなタイトルに全てが込められている。今から30数年前、電車を乗り継いで職場へ向かう作者は、通勤中に出くわす見ず知らずの人々を、射し込む光とともに、「同僚」として写真に収めていた。

 

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【会期】2020.9/3(木)~9/9(水)

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【映画】zk 頭脳警察50 ー未来への鼓動ー @第七藝術劇場

かつてこの国には革命への熱が激しく渦巻いていたという。もう伝聞形でしか知りようがない。いや、現在でも、各種の平和的なデモや共感からのハッシュタグとRTの嵐は常々起きている。姿形は変われど、大きな力に対して抗い、自分たちの声を届けることは、切実に求められ続けているように思う。一片の詩を書き付けること、それを読み上げ、歌い上げることの力、そこに時代や年齢は関係ないことを思い知る。

 

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【写真展】小山幸佑「私たちが正しい場所に、花は咲かない」@大阪ニコンサロン

印象に残るタイトルは、ユダヤ人の詩人、イェフダ・アミハイ『エルサレムの詩』の一節からの引用である。本作は「正しさ」が生じる未満の場で、イスラエルパレスチナ自治区それぞれの「凪」の姿を捉えている。一方で、写真には確実に「壁」が写り込む。

 

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【会期】2020.8/27(木)~9/2(水)

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【写真展/トークショー】R2.8/29_井上雄輔「CONTAINERS」@gallery176

スタイリッシュなコンテナの写真。無駄のない、洗練された姿は、何を物語っているのか。

gallery 176での個展とトーク内容について、直近の写真集『CONTAINERS IN TOKYO』の内容と比較しつつレポです。

 

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【会期】2020.8/28(金)~9/8(火)

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【ART】R2.8/22_『ヤン・ヴォー -ォヴ・ンヤ』@国立国際美術館

ヤン・ヴォー展。全く一筋縄ではいかない展示だ。

1度見ただけでは「???」で、写真仲間氏と共にもう一度観に行ったのだが、日頃は様々なジャンルの表現にビビッドな反応を示す仲間氏が、先に鑑賞を終えた直後にLINEで「難しかった」と一言だけ打ってきた。本展示の手強さがうかがえる。

 

それは、本展示が「語る」「語られる」ことを回避し、大きな言説・歴史をスライスしてその断面を私的なものへと再接続させる試みに満ちたものだったからに他ならないだろう。 改めて、大胆かつ緻密でどうインスタレーションを振り返ってみたい。

 

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【会期】2020.6/2(火)~10/11(日)

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【ART】R2.8/15_内藤礼「うつしあう創造」@金沢21世紀美術館

オブジェを「見る」ことが、「私」とオブジェとの間にある「間(ま)」を見て、認識し、見えないけれどそこにある何かに気付いていく。存在と気付きの関連を物語る展示でした。

 

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【会期】2020.5/2(土)~8/23(日)

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