写遊百珍

大阪国際メディア図書館「写真表現大学」研究ゼミ生&TA。各種講座のレポや、関西・東京の写真展、アート展示を特集。

【展示】DAS(総合デザイナー協会)_美しい都市の景観を考える会「展覧会」2019 ~私の好きな大阪弁・なにわ言葉~ @大阪市役所

【展示】DAS(総合デザイナー協会)_美しい都市の景観を考える会「展覧会」2019 ~私の好きな大阪弁・なにわ言葉~ @大阪市役所

今年もやってまいりました、大阪市役所ロビーにデザイナー先輩諸兄がポスターを並べる展示イベントです。一般枠で私も参加しております。ねこの絵はありません。

 【会期】2019.9/2(月)~6(金)10:30~17:00

 

( ´ - ` ) 短命。

 

会期が鬼すぎることで知られています。うわあ。これは短い。タイトルを「カゲロウデイズ」にでもしようかと思いました。うそです。私自身が搬入と撤収の時しか行けません。なぜなら筆者は社畜として労働をしているからです。まあ、そういうことにしておいてください。なので社畜同志の皆さんは、市役所にハンコ押しに行ったり陳情に行ったりする際にでも、展示をご覧ください。

え? 大阪市外の人間はどうすればいいかって? せやなあ… また別の機会に再展示しまひょか・・・。 

 

(参考:前回・昨年の展示)

www.hyperneko.com

 

 

昨年はフリー展示でしたが、今回はテーマが設けられていました。

「私の好きな大阪弁・なにわ言葉」。

 

 

( ´ - ` ) 大阪弁

 

 

( ´ - ` ) 弁。。

 

 

 

困った。

 

 

広告カメラマンでもない限り、お題、それも、言葉に沿った写真を作って撮ってくるのは、難しいです。そういう習慣がないのです。そして私はッッ! 広告カメラマンではッッ!! ないッッ!!! ドジャアア~~ン。言ってみただけです。スタンドは出ません。

まずそもそも、与えられたお題の通りの「イメージ」を絵にすること自体に、あまり関心がございません。ひでえな。いや、反抗期とかそういうのではございません。問題はもっと別のところにあるです。大阪弁。これが問題なのです。

 

 

大阪弁ってどこにあるの」。

 

 

なんやそら。いや、反抗期ではございません。中二病でもない。まあ皆さん使ってますよね大阪弁マクドでもスタバでもみんな大阪弁使ってるやないか。そうです。はい。

しかしですね、無いんですよ。あのですね、大阪の中心で、大阪駅でも阪急・阪神の百貨店あたりでも、心斎橋駅でも、大阪弁が無いんです。いちど見てみなはれ。どこに、大阪弁があるんでっか。ないねん。どこにもないねん。

ないんですわ。

都市の中に、大阪弁が、無いんですわ。

 

 

( ´ - ` )

 

 

 

( ´ - ` ) あっ。

 

 

 

( ´ - ` )ノ 大阪の街に「大阪弁が無い」ことを表そう。

 

 

そういうわけで私の作品ですが、他のデザイナー諸兄の展示物と完全に真逆のベクトルになりまして、

 

嫌がらせのような何かができました。これをチラチラ動かして動画にしたらナニワのリヒターって呼ばれると思いますが、気持ち悪いのでしません。

 

大阪キタ(茶屋町、梅田)とミナミ(心斎橋、アメ村、道頓堀)で目にした「言葉」を撮影し、それらを切り抜いてエリアごとに整理したものを、Google Map上に糊で貼り付けたものです。

ここでいう「言葉」とは、都市の放つ言葉を意味します。広告や店のメニューだけでなく、駐車場の注意書き、道路標識、通りがかった車の側面の文字、壁の落書き、無法に貼られたステッカーなど、全てを含みます。全部等価に「言葉」と見なして、その中で、大阪弁がどのぐらいあるか。そういう検証です。なお、すべての言葉を収集しようとすると、不審すぎて警察を何度呼ばれても足りないので、「ある程度」の撮影収集ということでご容赦ください。ああん。

 

デザイナーまたはデザイン自体の仕事が「伝えるべきメッセージを伝えるために、ギリギリまで引き算を行う」ことなら、対する写真の本懐は「人間の意図や計算から漏れた、予期せぬものを取り込む」ことに他ならないですから、それを推し進めたものだとお考え下さい。ノイズを無作為に集めて再配置して音楽のようなものとして流す発想です。ただ今回、キタとミナミをそれぞれA1サイズで作ったため、個々の画像パーツが小さすぎて字が読めません。これは今後、4倍ぐらいの大きさで再作成したいです。

 

肝心の大阪弁ですが、一応ありました。ちゃんと数えていませんが、きわめて少ない。でも、あることはありました。気合の入った串カツ屋とか、個性を推しすぎたラブホテルとか、なんかそういうのです。95%は非・大阪弁です。

限られたスペースで端的に、不特定多数へメッセージを伝えるためには、大阪弁でキャラクターを演じて商売や警告を行うよりも先に、今のご時世、標準語なり中国語、ハングルで書く方が重要で効果的だということです。つまり、「大阪弁では商売にならん」という仮説で正解かと思います。大阪弁によって表されるキャラクターが、観光商売のコンテンツになる時代が終わったと言えるでしょうか。

 

(参考)

www.hyperneko.com

奇しくも、以前聴講した「大阪弁という役割語」レクの趣旨を実証する結果となっています。大阪弁はその名の通り、大阪の地の言葉であるが、同時に誇張によって「キャラ」を演じるもの=「役割語」としての機能を持たされてきた。それをもっと広い視野で考えると、「大阪弁」とは「~やねん」とか「~でっか」というフォーマットを使わずとも、顧客ニーズに応じてヌルッと手を変え、標準語でもハングルでも何語でも自在に乗せられる。その柔軟な身の振りようが「大阪弁」なのではないでしょうか。

 

などと分かったような分からんようなことを言いつつ、展示してますので、ぜひ虫メガネとかハヅキルーペでもご持参くださいませ。 キャッ。 

 

他の出展者の方々の作品を観ながら、ご自身の好きな「大阪弁」を思い浮かべてみてください。

 

個人的に面白かったのが、

 

この、「ごはん」を表す「しま」という隠語が存在するという指摘は、考古学的で面白い発見でした。Google検索をなんぼページ繰っても表示されない物事があるのだということに繋がります。

 

じわじわくるポスターです。なんかポップで優しいようで、なんかそれだけでは終わらせられないノイズ感があります。地味にこう狙ってない腹パンが入ってくる感じ。いいですなあ。

 

自分の好きな大阪弁を改めて考えてみましたが、「あかん!」「あかんぞ!」「これはあかんやろ」あたりが好きです。好きなゲーム実況主がよく叫ぶ言葉でもあります。他者制止のみならず、嘆き、諦念、ぬぐい切れぬ憤りなどが入り混じった言葉であり、他者にも自身にも使える、不思議な大阪弁です。ゲームって操作者と主人公の関係が自他曖昧になるから、「あかん」の複層性がもろに活用されるねんな。されるんですわ。

 

 

あと、大阪の街について学習ができます。

 

 

 

( ´ - ` ) 賢くなりましたか? なったでしょう。

 

DASでは年数回、街歩き企画があり、ガイドツアー形式で名所を回ります。そのエッセンスが1枚のパネルにまとめられています。

 

(参考:街歩きに参加した時のレポ)

www.hyperneko.com

 

大阪(弁)って、なんやねんということで、

なんなんでしょうね

結局。

 

 

 ( ´ - ` )ノ 完。