写遊百珍

大阪国際メディア図書館「写真表現大学」研究ゼミ生&TA。各種講座のレポや、関西・東京の写真展、アート展示を特集。

【写真表現大学】H29.11/18_授業:Illustrator、デザイン

【写真表現大学】H29.11/18_授業:Illustrator、デザイン

 

皆さんお元気ですか。くれぐれも飲み会の席でビール瓶を人の頭に振りかざしたりしないようお願い致します。偉い人の前ではスマホをいじらないほうが吉です。

 

この土日は学校で授業を受けていました。準備のために金曜に有給消化と称して休みを入れ、フォントがどうの配置がどうのと地味にあれこれしました。創作の大半は地味さから出来ているということが分かりますね。やだあ。

 

 

11/18(土)をおさらいしましょう。

1限目「Illustrator

前回の基礎動作のおさらいから。さっそく写真展のダイレクトメールの原案を作っていきます。

 

DMのデザインとして必須の事項を押さえていきます。切手貼って郵便物として出すか、宛先は、会場へのアクセス案内は地図にするか、等々。

 

地図。

 

「作れる人は作ったらいいけど、むずかしかったら作らなくてもいいよ。」

 

 

うわああああ複雑怪奇

 

 

( ´ -`) 抜け毛がふえそう。

 

 

( ´ -`) 今はいいです。

 

 

地図データが配布されました。よかったー。

 

DMのメインコンテンツとなる、自分の作品をセレクトします。

 

大切な人の手を引っ張っていくようにして作品をえらびましょう。

 

実際には、展示候補が何十枚、何百枚とストックがあったとしても、トップクラスの作品はごく僅かです。なのであんまり悩まないかもしれません。

複数枚で構成するとなると悩みます。100×148の世界で何枚も詰めるとまとまりがなくなる。きついですね。デザイン力が問われます。

 

そうデザイン性がいるんですよ。そしてまた不慣れなイラレであれこれ細かいところを触るのは結構大変。配置した写真をその場でトリミングしたいとか、あるよね。

 

トリミングという概念はないのです。クリッピングマスクしようぜ。

 

photoshopLightroomのノウハウが相当普及しているので、一枚の写真をコテコテと作りこむことについては、多くの人が慣れ親しんでいることだと思います。しかし文字や配置を考えながら販促、告知の効果を高めることについては、こういう機会でもないと学ぶことがないので、手を動かしていきましょう。

 

(具体的な目的もなく、テキスト片手に前から順にやっていこうとして早々に挫折した経験があります。あれはきつかった。パスが嫌いになった。職場にテキストとDVDが置いたままになっている。嗚呼。独学なんてむりですよ)

 

 そんなわけで大いにこの講座が役立ったわけです。

 

またろくでもないDMが出来ました。プロジェクト名が「仲間割れ」で、ケミストリーに入れなった男が自暴自棄になりながら、日本近海の不漁を嘆いてたたみを愛でるというストーリーです。仲間がそもそもいないのに仲間割れを主張している点がクレイジーで見どころです。うそです。

 

 

昼休み。

生徒の松岡氏から面白いものを見せてもらいました。

 

やーん。可愛い。

コダックのレチナという子で、ふたを開けると蛇腹式のレンズ。

また、フィルム巻き上げ後にシャッターチャージをしないとシャッターが切れないという面白いことになっています。距離の単位はフィートなのでメートル換算が必要。こういうのを見ると古典カメラ良いなあと思います。インスタグラマーが絶滅したらやろうと思う。

 

 

□2限目  (空き時間)

やらなあかんことがあるのでやります。

 

ウィリアム・エグルストンですが、どう見たらいいかよくわからなかったのが、分かってきました。英語わかんないんでスマホに無料の辞典を入れたりしました。記憶したほうが良いというのは検索の手間がかかりすぎるからで、このスピードが圧倒的に圧縮されるなら人間が単語を覚えなくてもいいのにと思います。結局はウォーカー・エヴァンズかよ!とつっこんで2時間が終わりました。

 

 

 

70年代のカラー写真ですねというところから、これが前時代(エヴァンズとか)の平面、正面というものと、どんな視覚変容があったのか。静物でもデザインでもない世界、空間の深さは乏しく、平面的だが、真正面から平面として撮られている面はとても小さい。

 

 

□3限目 デザイン 

京都市立芸大・辰巳先生のデザイン授業もこれがラスト。

ACの「ゆたかな社会」をテーマにした広告を作るというお題で、個々人がA3で案を提出。

 

まあ誰も「ゆたかな社会」とは、現代を肯定的には認識していないわけです。

 社会ってなんだよとか、豊かさって何なのっていうことで、参加者はそれらを問いかける作業を行いました。たぶんね年収3億円あって不老不死になって豊胸して仲間がいっぱいいても豊かさは手に入らないと思う。無邪気になれませんやね。けどそういう社会の真っただ中で私たちは生きているし、生きていかざるを得ない。そういう感じがあります。

 

 

◇(私)_私たちは豊かな生活空間、都市のあり方を望んだ結果、こんなにも監視カメラだらけの都市を生み出してしまった。一方的に個人の記録を蓄積、解析される反面、犯罪抑止などの面では安心感を担保しているという矛盾がある。しかし監視カメラ多くないですか?半径20~30mぐらいでどんだけあるねんっていう。この豊かさはグロテスク。もうモンスターですよ。だめ(好きかも?)。

 

◆先生_

・監視カメラの設置側、供給側の責任として今後考えるべき課題。現状は一方的すぎる。何のためにどういうデータを収集しているか(交通量調査やファッション等マーケティング調査、防犯上の記録、リアルタイム監視等)が開示されれば、一般人の理解は得られるのではないか。

・個人情報の売買は日本ではネガティブだが、海外では市場規模の大きなビジネス。例えば特定の疾患の患者さんのデータは色んな業種からニーズがある。監視カメラには個人情報の識別機能はないが、今後どうか。

・広告としてみた場合はもう少し、閲覧者へヒントを。ボディコピーで趣旨を入れていく。また、コラージュの方は絵に「目玉」が必要。

 

 

 

◇戸田氏_ みんな飛び込んでみたらいいのにって思いますね。豊かさとか、飛び込んでみないと何も分からないじゃないですか。明石家さんまが「生きてるだけで丸儲けや」てよく言うんですけど、世の中そういうものだと思う。それで、この川には明石家さんまがいます。で、崖の上で逡巡してるという状況。さんまが来いよって呼び掛けてる。

 

◆先生_

・その通り。ベンチャー起業家はみんな5年先10年先がどうなるかなんて思ってない。「今」が面白いから飛び込んだ人しか成功してない。

 ・飛び込めば奇跡が起きます。これはこれまで沢山経験してきた。お金や仲間が回り始める。

・イノベーターは管理能力、将来設計の能力がほぼゼロだと思う。それらの能力は一般的に企業では重視されるが、例えば本田宗一郎なども、管理することなど考えていなかったのでは。今の大きな企業は管理者ばかり求めている気がする。

 

 

◇松岡氏_ この人は、物をいっぱい持っているけれど、自分のことが見えていない。心は空っぽで満たされていない。お金は生きていくのに大事だけれど、それが全てではない。モデルは自分自身。 

 

◆先生_

・こっちを見ていないのが効いている。モデルと鑑賞者の距離感は新聞広告に適している。雑誌ならもっとモデルを拡大。

・売る側が「何が欲しいか」という答えを持っていないが、本来は衣・食・住で何か必要としていることがあるはず。それとも、モノでは満たされない何かがある。

・それを求めてか、お金のリターンを求めていない人がボランティアに来ている。1人2役(企業で利益追求する傍ら、オフでは無償でボランティア活動)の人が多い。これは実は問題だと思う。人の生き方や価値観に、企業や社会が応えていない。

 

 

 

◇小川まなみ氏_ 人の勝手な思い込み、先入観があって、個性が制限されている。人から言われたことが気になって、個性や生き方を制限してしまう。このワニは別に怒ってないのに生まれつきこういう顔をしているだけで怒ってるように言われて傷ついている。また、元々これは文房具(ペンケース)で、ワニですらない。牙を剥いて怖そうに見える表情を探した。

 

◆先生_

・多様性と言われているが、実は日本は決めつけの非常に強い社会。その点ではまだ昔の方が多様だったのでは。今はもうネットから何から、基準から少しでも出たものは許されない。

・目と涙は貼り付けたとのことだが、ペンケースのみでワニに見える表情を作り出して勝負してみては。普通のものでそのように見せる方がリアリティがある。

 

 

 

 

 

◇岩本氏_ この世界のエネルギーの消費の仕方、その他もろもろ、この先どないなるんやろう…という不安感があった。 果たして私たちは豊かな世界にたどり着けたんかいなと。夕暮れ前のガスタンクを狙って撮った。

 

◆先生_

・広告の構成としては成功している。完成度が高い。

・ガスタンクの文字とゆるキャラがいい。「歴史と出逢う都市 かしはら」で、全国どこにでもあるようなゆるキャラ。歴史も何もない。人工物であるガスタンクと手前の自然・樹木と、何かこの先がなさそうな夕暮れと、そしてタンクのデザインが組み合わさって効果的。

 

 

 

<先生からの総評> 

・実は自分の勉強になった。学生に企業の広告の提案をさせるが、例えば「プリウスで広告を」とお題が来ても、商品のスペックをPRするだけになっていた。それが何なのかと言うと、根源的な社会、豊かさの確認から始めないことには、広告も製品化もできない。モノやサービスのベースを考える必要がある。

 

・今回の授業では、難しいことは一気に考え切ってしまうことを体験して学んでもらった。前回では1時間2時間で案を出して発表してもらったが、お題に即・考える癖をつけることが重要。考えれば、置いておいても必ず熟成され、潜在意識に働きかけがある。

 

・私は数多くの企画に携わっているが、「できなかったらどうしよう」とは思っていない。「どうすれば出来るかな」が100%。能天気で何も考えていない方がうまくいく。勿論リスクは前もって消していると思うが。

 

 

ありがとうございました。

 

( ゚ ~゚  ) こうして一瞬で、濃密なひとときが終わった。

いやああああ面白かったですなああああ。言葉だけでプレゼンしていた前回の段階では、みんな何か一生懸命言うてるけど、それって面白い絵になるんかなあ…と全然つかめなかった。しかし今回、成果物が形として出てくると、誰も似ていなくて、そして個性が全開。

戸田氏のプラン:明石家さんま箕面の滝つぼで呼んでるのは、ご本人の日頃のキャラと大いに違ったのでたまげました。岩本氏のプラン:夕暮れガスタンクが、完成度高くて仰天です。なんでこんなすっきりしたものが作れたんですか。(※日頃は視界を遮るような構造物の散らかりを取り込んだ都市景を特集してはります)

 

 

多様性社会になってて喜ばしいです。多様になりましょう。

 

 

( ゚ ~゚  ) 完