nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【写真展&暗室】R2.8/1_フィルムの写真教室OB展「FILM ing」@ギャラリー・ソラリス

【写真展&暗室】フィルムの写真教室OB展「FILM ing」@ギャラリー・ソラリス

写真仲間が、ギャラリー主催のフィルム写真教室を以前に受講しており、そのOBグループ展に出展中。陣中見舞いに訪れると、暗室をレンタルしてせっせこプリント中とのことで、暗室作業も覗いてきました。

 

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【会期】2020.7/28(火)~8/9(日)

 

まず展示から。オーナーの橋本氏を含めて13名が参加。

みなさんフィルム楽しんではる。

いや楽しいんです。実際楽しい。あれですよ。撮ってるときには何を撮ってどうなったか、確認できないんです。おそろしいですね。二度とやりたくない(※筆者は老人なので十代の頃はフィルム世代でした) 真っ暗な暗室で、真っ白な紙に、自分の力で色や光を呼び起こしていく作業はですね、神秘的な魅力があります。あるのです。

 

皆さんも光と色に着目して撮ってはります。いいですね。デジカメで記録された「光」と、フィルムが宿している「光」の違いは何でしょうか。これは皆さんの体験談を教えてほしいところ。

 

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一発目のモノクロの作者さん・Elliott氏、海を走る船で、溢れる光を留める。いいすね。これは光だ。

その隣の2枚は松岡香奈氏、私の通っていた写真スクール(写真表現大学)の同窓生です。自分自身を撮っているように見えるが、それにしては謎の画角。マニュアルカメラでそんな奇抜なポーズで自撮れるの? それとも雰囲気の似た友達? 

 

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身近な人や光や影など フィルムの温もりがそうしたものを撮らせるのか。まあ空気感が写りますからね。空気なあ。せやなあ。身近な空気を撮ることになるわけですか。

新緑の光にあふれた1枚は、私と同窓生のmikko氏の作。引きの画像ですんません。今マジでマニュアルカメラとフィルム撮影・現像に人生の幸せを感じておられるところなので、光だの波だのでくるったようにやっていただきたいと願っております。

 

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言うてもあれですが、右端の橋本オーナーの大きな写真が格別に良い・・・。肉なのかドレスなのか海洋生物なのか分からないこの色の造形と襞の、気持ち悪さと綺麗さの混ざった姿が良いんですなあ。

 

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山崎とうま氏の、人物が飛んだり跳ねたりしぶきを浴びたりしているスナップは、惹かれます。刹那の演出と衝動という感じが。ブルーと影の比率が大きいところに若さを感じます。中高年への階段を上がるときにいったん強いブルーは卒業して、最期にまた喪失や死に向き合うときにブルーへ回帰する、人間の一生は青に支配されておるような気がします。

 

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ハートの木にモノクロがぶら下がっているのが、写真仲間の森下聖子氏。学校は違うのですが何度か飲んだりしましたな。写真がモノクロなのは、昔に自分の父親が撮ったものだから。家庭内ファウンドフォト的な。自分がフィルムでシャッターを切っていない点で本展示の中では異色。

 

 

( ´ - ` ) あっ。某・写真学校(写真表現大学)の写真仲間が。

 

んちはす。

 

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昼から暗室にお籠り中の暗室シスターズ。左がmikko氏、右がおさむ氏(今回は出展なし)。なにげにソラリス特製「印画紙Tシャツ」を着用。いいなあ似合ってます。首から下げてはる巨大な軟骨みたいな白いのは、暗室で使うライト。

 

17時までカラーフィルムの暗室ワークで、18時からはモノクロ暗室ワークという、事実上の暗室夏合宿です。日帰りですけど。ようやらはる。アドレナリンが出ている証拠ぞ。

 

ちょっと見学させてもらいました。

 

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ギャラリー・ソラリス暗室。

もはや二人のプライベートルーム化してる。ドライヤーのせいかな。これは水洗後の写真を干す前にガーッてやって乾かすのに使う。

二人体制だと、電気を付けたり消したり、焼き込みの適正秒数の相談とかが出来て、なんか良いらしい。大学時代の暗室は基本一人しか入れなかったので、この広さはいいなあ。

普段も、ギャラリー営業と同時に教室などを開講ときは、こちらの部屋を使っているようです。

 

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これからカラー引伸ばし機を操作して、焼き込み秒数とRGBをテストします。

 

パチ。

 

ム"ー。(実際は無音)

 

この、印画紙に焼き込む操作になると、部屋を真っ暗にするので、うわあーってなります。うわあー。くらいー。くらいよー。

 

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テストピース。印画紙を細かく切っておいたもの。これで、引伸ばし機で光を当てる時間を段階的に増やしていき、どの時間ならイメージ通りの露光になるか調べます。何気にこのテスト片が良い味出すから、何となく捨て難かったりします。

 

だんだん思い出してきます暗室青春日和。20年近く前は毎日のように暗室ごとをしていたのだなあ(詠嘆)。モノクロだけでしたけど。ぜんぜん学業の記憶がない。酢酸の香りだけを覚えて卒業しました。親が泣くぞ。

 

で、カラーの暗室ワークは異様に合理化されていて、どうやら秒数とRGBの調整だけして、印画紙に焼き込めば、あとの薬品処理&洗浄&乾燥はマシンでやってくれるようです。入れると終了。それはすごいな。いつかやってみるか・・・(一生やらないパターンの発言)

 

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旅館のルームキー風の「写真のソラリス」。

存在感がやばいんやで。そのうち暗室旅館もやるかも(やりません

 

この後、シスターズは暗室作業を「たのしい、たのしい」と続けてはりましたが、真っ暗になる度に強烈な眠気が来るので、私は早めに切り上げて退出しました。視覚情報における闇の濃度が一定量を超えると、脳がねむり命令を出す設計となっております。ぐう。

寝る。

 

( ´ - ` ) 今思えばもっとちゃんと暗室ワークの取材したらよかった。いや今日は「ヤン・ヴォー展」観に行ったら国際的テーマでインスタレーションでノーヒントすぎて脳がバグって疲れてたんどす。またの機会に。

 

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心斎橋の商店街は、そこいらじゅうで血で血を洗うようなマスク販売合戦が繰り広げられており、アベノマスク第2弾が割り込む余地など、どこにも無かった。無いのである。あいつら商店街で買い物したことマジでないだろ(怒)。

 

( ´ - ` )完。