2010.2.6(土) 天保山(「井上雄彦 最後のマンガ展」)
職場の同僚と天保山に行ってきた。
来年3月で閉館となる「天保山サントリーミュージアム」があるので、ちょこちょこ行ってるのだが、行くたびに微妙な発見があって面白い。
今回は井上雄彦(スラムダンク、バガボンド等で活躍した漫画家)の展示『最後のマンガ展』を観に行った。
「最後」とは何なのか?
その謎解きも含めて。
地下鉄中央線・大阪港駅で降りて、徒歩で向かうわけだが、毎度毎度、道中で恒例なのが
これ。
もう何年前からあるだろうか。少なくとも私がベイサイドジェニーに出入りした頃(1999年)にはあったはず。
店名は「GREEN.GIFT SHOP」。
圧倒陳列しすぎて商品が溢れ出している。年中この調子なのが凄い。
2階の窓からも滝のように流れ出る超和風服。
多少の雨では出したまんま。
外国から来る船員さんに日本土産を売る目的で建てたのだとか。
納得。
さて、今回の展示『最後のマンガ展』は、なんと時間帯別予約制を導入しています。
「三鷹の森 ジブリ美術館」と同じシステムですね。私はこれは正解だと思います。
美術館で人気の展示となると、ずっと立ったままで、ひどく疲れます。
神戸の浮世絵展で、最終日近くに行ったら、本当に最初から最後までひどい行列で、
展示品は見えないし、行列のスピードにあわさないといけないから、立ち止まれないし、
加齢臭は漂うし、乳酸たまるし、
( ゚q ゚ )発狂するんですよね。
今回の展示は今まででも有数のストレス無き、良い展示だった。
正面玄関から足を踏み入れると、
先日、心斎橋―道頓堀の戎橋で見たビル上電光広告と同じデザインである。
さすがに存在感がある。
宮本武蔵。
ホールの縦をほぼ埋めるほどの高さ。隣の電光広告が1mとすると、ゆうに3mはある。
3:5〜4.5ぐらいの比率なので横幅も5mはあるのではないか。
展示内容については簡単にだけ触れておく。
140点に及ぶ全・肉筆画の展示による、歩きながら体感するマンガ。
てっきり、今までの井上氏の作品から抜粋してのいいとこどり集的な展示になるかと思いきや、
テーマは「バガボンド・宮本武蔵の晩年」。それも、まさに天に召されるその瞬間の心的体験である。
衝撃だった。
「天下無双」への道を歩みながら、強敵を斬り、進んでいくうち、「何が最強なのか・・・」と
大きな問いに直面した武蔵が
最期に見た光景は・・・・。
武蔵の魂が還っていくところは
お母さんでした。
そして、心のどこかで繋がっていた、小次郎。
最後のフロア、砂浜。
そして武蔵は成仏していく・・・
前代未聞の展示でした。
連載中の作品の主人公の、死んでいく過程を主観から描ききるという内容、
この時点で原作を読んでいない私でも、何か伝わるものがありました。
(この展示を機に、原作へのめりこむことになりますが…。)
会場を出てすぐのところで、こんなものが。
携帯バーコードでアクセスできる感想書き込みサイトで、フォームに感想入力し送信すると、
ここに表示される。
じゃあ我々も投稿しようじゃないかということで、
字がつぶれてしまったが、こちら、チャフ氏。
「涙が出ました。
救われた気がします。」
井上作品を愛する彼らしい一言だ。
井上作品って墨だよな…。
外に出たら、風があまりに強すぎて、最初は広げられていた特大三連バナー広告が
( ・_ ;)” 武蔵がぺしゃんこ。
若干おもしろいことになってるので喜んで撮りました。
えらく小さくなったものだ。
水につけたら戻るかな。
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では続いて「天保山マーケットプレイス」に。
同僚がヒタヒタ走るので追いつきません。ぜー。。
あと、この写真では「わー、日当たり良くて、ぽかぽかね」としか見えないが、遮蔽物が無い広場を強い海風が吹き荒れる上に、この日の気温は3度とか4度ぐらい。体感温度はパネェことになっており、実際なかなか厳しい状況で、尿意が頻繁なること甚だしかった。
黄色い看板でおなじみの「COCO'S」(ココス)。
中央の広いフードコートを突っ切って観覧車側の奥、「なにわ食いしんぼ横町」という特設コーナーへ入り、昼飯の店を物色していたら
出たよ。
美味しんぼ。
ウワアァァァァァァァア。
(/ _ \)コワイヨー。
※美味しんぼアレルギーがひどくてすいません。謝ります。
がっつりの昼食は不要、甘い物が食べたいという意向になったので、「甘味と珈琲の店 まえだ」へ。
連れの女子が「ここの甘いのはおいしいのよ!」と太鼓判を押すので、さあどうだろうかと思うと、確かに美味い。
「いそべ焼き」を頼んだら、割と「醤油にズブズブに漬けたしょっぱい餅」が出てきた。
しょっぱいよう。
或るもちの死。悲しい。
店の外、海遊館の外周に妙な行列が出来ていて、気になったので駆け寄ってみると、
オウサマペンギンのペンギンパレード(待ち)だった。
行列は、並ぶと抽選でこのオウサマペンギンと一緒に記念写真が撮れるらしい。
囲いの中に封じられており、行進の準備中なのだが、
くそかわいい。
(*_*)かわいいけど寒い。
マジで寒い。
体感温度はどんどん下がる。この海風、海遊館の建物を抜けてくる時に完全にビル風と化して凶悪になっている。
寒い。
マジで寒い。
海遊館の公式HPにおける説明注意書きが良い。
<span style="font-weight:bold;">「※パレードと呼んでいますが、実際にペンギンが整列して歩くわけではありません。」</span>
確かに。
「体長は85〜95cm、体重は10〜16kg」との記述がwikiにあった。
コウテイペンギンに次ぐ大きさとのこと。
しかし同属のコウテイペンギンよりも温かい気候への耐性があり、多くの動物園などで飼育されているらしい。
そして寒さに人間が参り始め、去ってゆく様を見ていると滑稽であった。そのうち、周囲にはほとんどだれもいなくなった。私すらも実は限界で、撮った写真のほとんどがむちゃくちゃだった。ペンギンに負けた。
次に、天保山と言えば観覧車である。
その名も「天保山大観覧車」。
高校時代に初々しげなデート等で乗っておくべきであるが、なんでこんないい歳して乗ることになるのだろう。ふう。
チケットを買う。
700円。
学生にはなかなかヘヴィな料金である。
チケットのデザインが、
そんな外人見たことない、と言わんばかりのコテコテな欧米人が<span style="font-weight:bold;">「Oh!Crazy」</span>
チケットに書かれたプロフィールによれば、
○「海遊館よこ <span style="font-weight:bold;">世界最大級</span>」
○名称「<span style="font-weight:bold;">天保山大観覧車</span>」
<span style="font-weight:bold;">○地上高112.5(世界最大級)
○最大定員480名
○乗篭8名乗×60台
○回転輪直径100m(世界最大)
○直径100mのイルミネーションによる時報を兼ねた打上花火は世界初
○直径100mのイルミネーションによる気象情報の発信も世界初</span>
・・・「世界最大」と「世界最大<span style="font-weight:bold;">級</span>」がしっかりと使い分けられている点は興味深い。
骨組みの発光について、パターンに法則性があることを初めて知った。
明日の天気(晴=赤、曇=緑、雨=青)で色を変えているのだった。
また、気温も毎時30分頃に、アームの8つの節がそれぞれ5℃として、7節の35℃まで表示する。
「天保山大橋」。阪神高速湾岸線(何号とかは入り乱れていて意味わかりませんでした)。
その下の茂みは、日本一低い山「天保山」(標高4.53m)が隠されている。
こんな風に仲良く乗ったわけですよ。
乗るのが十数年遅かった感はある。あるね。十分にある。自覚もある。
ええ。
最大8名まで乗れるが、4人乗りで撮影のために反対側の端へ移ったりすると、明らかに篭全体が傾いて非常にスリリングな状態になる。
スリルがあって楽しい。
逆に南の方角を。
左手に夢洲。右手にコスモスクエア。雲の下にある丸いドーム状のものは例のハコモノ行政「なにわの海の時空館」。
だいぶ高くまで上がってきた。
この鉄の交錯はたまらん。何がどうなっているんだ。
天保山大橋をついに完全に見下ろしている。
左端のオモチャみたいな四角の並びはおそらくUSJの施設。
「天保山第五コーポ」1〜3号棟。
天保山を代表する白い巨大マンション。
中古物件として、だいたい1100数十万円で販売されている。
ほぼ頂点に来ただろうか。
安治川を中心に、左はさっきの桜島エリア。
大阪市西区、北区まで突き抜けて見渡せる。
右端の奥にある太くて高い異様な物体は、北区のスカイビル。
なんだかんだでやたら楽しい( ゚〜゚ )
阪神高速湾岸線が港晴で渦巻く巨大ループの一端。
無条件にたのしい。
コスモスクエア。
ATCはちょうど窓の金具に隠れてしまった。
背の高い建物は、コスモスクエア駅すぐの「ローレルスクエア大阪ベイタワー」ではないかと思われる。
球体はさっきもチラチラ見えていたハコモノ「なにわの海の時空館」。
こうして見るとなかなかクールなのだが・・・。
朝潮橋。
このエビみたいな体色と形は相変わらず。
約15分の旅が終わりました。十分に楽しかった。
カメラの操作に忙しくて多少酔った。ゥエッ。
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では最後に天保山ハーバービレッジのその他珍物を紹介。
「天保山アニパ」広告。
字のフォントがえらいことになってる。超うかれているのが小気味よい。
「アンデスの天使」ってコカインのことかと思ったけどアルパカなんやね。
・・・シュール賞を贈呈したい。
「冒険・からくり忍者屋敷」の忍者。
いつもいつもこの人は体を張っていて、1年前に来た時もたいがいこうやって寒い中ふんばっていた。
忍らしいといえば忍らしい仕事。
過去の読売新聞をプリントして発行できるという珍妙な迷機械を発見。
しかし1発300円もする。
記念にここで新聞を焼いて帰らなくても、地元の図書館で閲覧できるのでは・・・。
アホみたいに寒い中、体を張って珍芸を見せるお兄さん。
手足が長く、動きが良かった。
後ろのクレーンと相通ずるものを感じた。
手を合わせて応援。合掌。
マンタ2体が海中を滑空する様子がうまく表現されていた。
これは凄い。
大きさも申し分なし。
誰が作ったのかは分からぬが、その気合はよく分かった
そんな天保山レポでした。
いい歳した大人どもで行くと楽しいね。
展示内容が思ってたのと全然違ってて、もうなんか臨終・昇天って感じ
でした。南無。