【宴】【ART】創作料理空間「世沙弥」(せさみ)@大阪市・塚本
「あした昼ごはんにお蕎麦どう?」と誘われたら異次元でした。
( ´ - ` ) ??? お?
そ ば???
( ´ - ` )ノ お蕎麦が出たんすよ、
ここで。
ほんまかいな。
話を整理しますと。
12/7晩・写真仲間(mikkoさん)の個展打ち上げ会に出席 →ぎゃーぎゃー(盛) →参加者の一人に翌日の昼ごはん(蕎麦)に誘われる →いく →魔窟◎
( ´ - ` ) 魔やぞ? おお?
お導きいただいたのが、ムトーさんというすごい方がで、すごい方であられまして。個性と文化の香りのするやつだいたい友達、みたいな、アヴァンギャルド系B-BOYみたいな(どんなや)ご婦人です。人間磁石みたいなお方です。
場所は塚本。尼崎と大阪の間ぐらいに位置し、ラーメン店が多いことで有名な町です。
パチンコ、商店街、アパマンショップと、どこの駅とも区別のつかない平凡な駅前なのである。少し都会めいた表情も、この裏に回れば、古い住宅の並ぶ下町感、民家、民家、民家でございます。
そんな路上で、盆と正月がいっぺんに来たような陽気な妖気のグループがおり、なんやっ、と思ったら、店に向かうムトーさんと、店から出てきたご友人方でした。歩く樹液みたいや... なんぼでも蝶とかカナブンめいた珍妙な人達がとんでくる...。
そうして辿り着いたのが
異次元そば屋敷。
( ´ - ` ) 「ポツンと一軒家」が流行しているが、これらは衛星からは発見できない「ポツンと万博」ですなあ。はっはっはっ。いや笑い事ではない。美術品(たぶん?)が野ざらしである。日本は平和だ(関心がないだけ?(笑))
だがこちらは、れっきとした創作料理の空間「世沙弥」(せさみ)。
コース料理を出してくださるお店なんですよ。ほれ、
しかし魔窟であるよ。
とても料理屋には見えない。宇宙です。こんにちは。
合う人と合わない人がはっきり分かれるかもしれません。女体とも卵ともつかない生命力を帯びた球面がでんでん置いてあるのを見るだけで、なんかイ"ヤ"ーッてなるひとはなるだろうし、アートと聞くと怒り狂う人もいるだろうし(いるのか?)、歓喜する人はしますし、まあその、球体、球面には力がありますからね。原始力っていうんですかね、なんかね。
( ´ - ` ) はいろu.
ガチャ。
志賀理江子『螺旋海岸』
/(^o^)\ あっこれ完全にだめなやつ(良い)。
どういうことや(良い)。
玄関開けたら螺旋海岸。どういうことや(良い)。
大量に周りにも像やら何やらあるんですが、
エゴンシーレ系男子がいてるし、
肺とか病んでそうだけど目力がすごい男子。
さあこれはたいへんですよ。
14時過ぎに到着。お蕎麦午後の部は14時半から開始。それまでは散策タイムということで、店の奥に通され、「お二階もどうぞ」と促されて階段へ。
そうですな、
あっ、
/(^o^)\ 奈良連打。
/(^o^)\ おいどうかしてるぞこの店(店???)。
なんで奈良美智バンバン出てくるんや。店の階段やぞ。奈良が多いぞ。
そうここは、創作料理の店でありながら、美術館も真っ青な、現代美術コレクターの魔窟なのであった。店とは何か。
2階に上がってすぐのトイレ空間がことさら鬼です。
鬼やあ。密度おかしくね? さすがにトイレとしては使ってない、っぽい? あくまで作品のための空間のよう。ここも奈良美智ありますね。なんぼでも出てくるなあ。なんぼ使ったんや。おそろしい。
実際にはこれまで通ってきた廊下やフロアも全てこのような勢いで彫刻などが置いてあるが、物量が圧倒的だし、わたし立体作品には詳しくないし、作品とインテリアのどちらにも見えるしどちらでもなかったりするし、そんなわけで撮影や分析どころではなかったので、写真がないねんな。将来はVRで目に直接作家名とか作品名とか来歴とかが表示されたらいいですね。かちがわからないとすどおりしちゃうの。
心臓のモチーフ。刺さるなあー。フリーダ・カーロがある便所なんて聞いたことも見たこともないですよ。生命力の高すぎるトイレでした。レッレッ。
森村泰昌のワークショップでフェルメールに扮しているのが、この異空間と作品群の持ち主、和田大象 氏。実際の写真も飾られていた。
その隣の広い部屋。
アート筋力増強ジムの趣がある。
動揺してたのかなんか変な写真になってしまった。まずスケール感がおかしいです。もっと広いです。 そして斜めになったのは私がラリっているからでしょう。これ全部作品ですからね。まじかよ。コレクターってすごいなーー(白目) ラリる。
/(^o^)\ ラリる。
個人事業とかやってたら蒐集できるんですかね? 社畜の月給生活ではむりです。毎週末の遊興費と日々の冷暖房費とスマホ代とAmazon書物費でもうだめです。しゅうう。
うわあこういうの好き。メカ人間。聖者量産型。
この店(店???)、岡本光博作品がしばしば見られたので、主がただものではないことはよくわかりました。重々理解しました。これは、ヴィトンのバッタもんというコンセプトでバッタ作ったらヴィトンに怒られましたという作品。相手がでかい。怒られるまでが作品ですというのは現代美術にほよくあること。これ買った人がいたんや...。家に置いたら意外と素敵になるということに感銘をうける。
90年代の村上隆はやっぱすごかったですよ。ヤバいところを掴んでいた。20年以上経って今まさに女性の乳とか仕草の記号性と女性蔑視とポリコレでこうした表現が陽の当たるところでボコスカウォーズだもんな。
加藤泉? この、幼生めいた胎児の顔つきが不気味な。人間になる何歩か手前の人間。好きにはなれんが忘れることもできない。
アイ・ウェイウェイのひまわりの種やん。ひまわりの種やんんんん。ひまわりの。。。。
これを見ると小池都知事の方が先に思い出されるという症状になやまされております。バンクシーには顔(の記憶と表象)がないけど、小池某という為政者には顔しかないからなあ。記憶回路の中で結び付くんやなあ。ほんまか。他にもバンクシー絵を元にしたオブジェあり。
店内(店???)は、その時々でテーマによって展示品のセレクトを変えているようだ。今回目についたのは、赤ん坊、発達未満の存在、膨れ上がり蠢く命、原初の生命力でした。肉から生き物へそして人へ、その意味体系を孕んだくるまり。そういったものどもの生々しさ。むせ返るような生命力の発露と言いますか。アントワン・ダカタの写真集や塩田千春の作品集が隅に置いてあったのも納得がいく。好みは分かれると思うけど、このむせかえりこそ表現の醍醐味といいますか。ゲフッ。
五木田智央もしばしば見かけたなー。普通に掛けてあって、よく合ってた。さらっと掛けてるのがすごい。
甲虫祭り。うれしいですね。海外の甲虫は鉱石めいた力があります。
通天閣おん自らが昼間っから飲んでるという素晴らしいオブジェです。だいたい合ってる。現実です。
長野久人「マキャベリに傾倒しない春キャベツ」。ぐぐるとだいたいこの「世沙弥」を訪れた人の記録がヒットする。名実ともに「世沙弥」の代表選手か。彫刻にキャベツ描いてあるねん。表情がね、とろけていて、エロいですね、ですよね。
ありすぎてわけわからんようになりました。胎児、原始の力つながりか、内倉真一郎っぽい赤ちゃんのモノクロ写真も見かけた。
さて、、、
( ´ - ` ) あのう、
( ´ η ` ) そろそろごはん、
\( ^ ^ )/ 飯や⭐
( ´ - ` ) ??? なにこれ、
AHOなので書いてある日本語とか素材が全然わかりませんが、「アートな置物がたくさん置いてる蕎麦屋で一杯すすって帰る」というような生易しい話ではなく、「生粋の蒐集家宅でガチの蕎麦のフルコースをいただく会(人数限定)」だったことに今さら気付く。
デザイナーにして蕎麦職人の山下文朗氏とその奥さま山下恵美子氏が登場して解説タイム。産地や仕入れや調理など全方向からこだわった蕎麦世界との対話の時間となりました。こういう採算度外視っぽいこだわりの食って採算とれるんかなあ。
(※これ以降、食べるのに忙しい、素材の味を理解するのに忙しい、手元の食器等を鑑賞するのに忙しい、酒を投入して脳のかいてんが止まるなどがあり、写真がえらく少なくなります)
一発目のお料理。このたまごヤバいぞ。一晩浸けてあるんやけど、浸けてあるからヤバいぞ(※筆者は語彙に問題があります。) となりの、いぶりがっことチーズの組み合わせもかなり癖になりそう。なる。この数倍の量があっても友達になれそう。コリッコリッ。
解説はめんとくさいのでおしながきを拡大して読んでみてください。(煮卵は蕎麦出汁に漬け込み、いぶりがっこはギリシアのフェタチーズとペアで、右端のえいひれみたいなやつは田舎蕎麦の生地を薄く延ばして揚げたチップ)(おいしい (コリッコリッ
コリッコリッ。あっ言い忘れてました。奥さん聞いてよ。箸置き、皿、お冷とか酒を受ける器が、全員で全て異なります。これがほんとすごい。食器が全員ばらばらってすごくないですか? 奥さんやばいよ。やばいよ。(※筆者は語彙に問題があります。) 冗談ではなくて本当にヤバくて、価値のありそうな、芸術家が手づから作ったであろう個性的な皿や器が続々と登場します。そしてこの眼は箸置きですよ。店主なぜわたしが眼好きだと見抜いた👁️
酒の器がオブジェってる。着脱可能式。ぐるぐる回せる(意味はない/ある)。こんな感じで一つ一つの食器類が凝っていてたいへんです。どうやって買い集めたんだろう。
うちの卓は半透明の星人がお供してくれましt
いや私が置いたんじゃない
( ╹p╹) あったんや
( ╹p╹) 卓に置いてたんや
わああ
(事実です)
クリスマスが近いということでお店からの。「O(オー)レゼルヴァ シャルドネ」という貴族みたいな名前のあれです。蕎麦がきのあたりで登場。美味しかったのでメモをとっていない。あああ。なんかね、そうですね、ええと、光
いよっ待ってました「黒ごま 変わり蕎麦」。そばつゆ無しで、これで食べます。
更科粉(蕎麦の実の中心部分の粉のみ)に黒胡麻(大阪天満にある明治十六年創業、胡麻の老舗 和田萬を使用)を熱湯で捏ねて打ちました。
ツルツルチューな食べ方をすると勿体ないので、よく噛んで食べましょう。はあい。
胡麻をごりごりすり潰してぶっかけたら、がん細胞が無限にしぬんじゃないかと思うぐらい濃厚で良い香りが漂った。これはがん細胞もしぬ! やったね!(※個人的感想です)
皿の中の箸めいた棒は、ポッキーの黒蜜きなこ味。これはやばいぞ。めっちゃ蕎麦に合うんですけど。やばいぞ。正直ごまをふりすぎて蕎麦の風味がわけわからなくなってしまったところに、味の勇者降臨。味が! すごく主役的な味が!!
sakeをいただきます。※ムトーさんのおごりです。
「吹田のゾウ」という初耳な地酒。吹田で地酒を作っていたとは知らなかった。数百万年前、吹田あたりにはアケボノゾウというのがいたらしい。それで。
これが超あまくて日本酒っていうかワインの出番をかっさらってしまう類の風味。もちろんワインとは全く異なる系列の、日本酒の味ですけど、いやあこれ。うまい。
私が手で麺を手で受けたようなことになっていますね。炎上ツイート? いいえ。こういう皿なのです。一癖も二癖もある食器しか出てこない。食器と芸術のはざまで食事をします。ウルトラマンもいるしな。
こういう家庭で衣・食・住して育ったら絶対になんていうかボーダレスで自由度の高い発想力のしなやか強靭で権威に従わない学校の先生がめんどくさがる・独裁者に真っ先に処刑される・そういった面白そうな子供に育つと思うですね。生きる上での発想が根本的にちがうんですもの。ちがうんですの奥様。衣・食・住が。表現と生活がここまでゼロ距離で共にあると。
しょせん私にとっての「表現」「芸術」は、美術館やアートイベント会期に出向いて、ケースや柵の向こうにあるものを眺めるだけでしかない、お勉強やお客様の域を出ない。でもここは、生きること暮らすこととそれらが共にある。いいなあと思った。現代美術をコレクトする意味が分かった気がする。世界のコードが書き換わるのだ。ウルトラマンもいるしなあ。
あともう1皿、メインの「田舎 新蕎麦(北海道産キタワセ種)」が来て、塩やらツユやらつけてうまいうまいと内心わめきながら食べていたのですが、更なる薬味として永谷園のお茶漬け海苔のふりかけが猛威を振るい、長くて難しい方程式がきれいに解けたような悦楽を味わいました。蕎麦は方程式。なのか。
酒を飲みすぎましt。※ムトーさんのおごりです。
トイレにいきます。
( ´ - ` )ノ ガチュア
( ´ - ` )、
トイレの中まで美術品攻めです。(※写真はごく一部) 置ききれない分の美術品は隣の敷地の倉庫に入れてあるという。なんやらスケールがちがいますなあ。こういうコレクターがおられることで美術界隈(写真界含む)は下支えされているのだとわかった。
わかったのだった。
そういう感じで大人の社会見学【発見!僕らの町の美術コレクター!】でした。趣旨変わっとるがな。
気になるお値段ですが、蕎麦のコースが1人四千円ちょっとです、たぶん、そしてお酒は別料金 ※酒類及び端数はムトーさんのおごりです。 出世払いやな。出世するんかな... ボーナス減ったし...
( ´ - ` ) 会が終わったらもう16時回ってて暗く寒い現世でした。さむい。いやあ色んな珍スポットを散策してきましたが、本当に珍なる場所には偶然でしか出逢えないものかもしれませんね。こちらは創作料理空間であって珍スポットではありませんが、真の珍ということで
ウルトラマンこねくりたおしてましたが、素敵時間を過ごさせていただきまして、ありがとうございました✨
( ´ - ` ) 完。