写遊百珍

大阪国際メディア図書館「写真表現大学」研究ゼミ生&TA。各種講座のレポや、関西・東京の写真展、アート展示を特集。

【写真表現大学】H30.12/14(木)山沢栄子作品の撮影現場 & 仲間のフォトスタジオ物件探し同行

【写真表現大学】H30.12/14(木)山沢栄子作品の撮影現場 & 仲間のフォトスタジオ物件探し同行

( ´ - ` ) 山沢栄子降臨。

所用により仕事を休んで所用をアレしたついでに、表大に立ち寄ったら、館長とスタッフが図書館に収蔵していた山沢栄子作品(でかい)を、撮ったり測ったりしてはりました。

 

来年2019年春に開催予定の、西宮市大谷記念美術館での回顧展に向けた目録作りなど準備のためのようです。 

写真作品は、作者がこの世から去っても、高い鮮度のままで残るのがとても不思議で、魅力的です。ご本人の精神がそのままそこに息づいているような気配を感じます。それだけ作品に力があるということでしょう。しかし写真は、絵画などとは違った、生々しい力があります。

いやほんとこの作品すごい。「無機物の配置が生き物に見える」って、まさに私のやってる世界観だし、何か揺さぶられます。洗練度は桁違いですが。 

( ´ - ` ) いいですなあ。

机を畳んで重ね、バック紙を敷いて、作品撮影が行われていました。窓からの自然光をベースにしつつ、左右からライトを天井にバウンスで当てて、調整されています。

 

( ´ - ` ) あ。 

みなさん山沢栄子という写真作家はご存知ですか? 

かなりマイナーで、知る人ぞ知る作家という位置づけかと思います。 

mareosiev.hatenablog.com

 「関西が誇る女性写真家」「日本のコンストラクティッド・フォトの先駆者」「高齢になるに従って世界の深みがどんどんパワーアップした恐ろしいお方」「自分の作品をすぐ燃やしてしまう人」といったことで、何かと衝撃的なお方です。知っておいて損はないです。

人間、性別や年齢に関係なく素晴らしいものを創作することが出来るのだ、ということを身を以って体現された方であります。勿論それだけの教育を受け、実戦を重ね、努力を重ねておられます。それはもう。ええ。しかし勇気付けられます。

老人ホームに入り、他の入居者らとご飯を食べたりしながらも、鋭い眼光で作品制作をしておられた映像があり、「創作には性別も年齢も関係がないのだ」と、衝撃を受けたわけです。みなさんもぜひ衝撃を受けましょう。

チバクロームプリントでダイフィット加工してあるから、色がみずみずしく保たれ、写真自体も綺麗にシワなく保管されています。威厳があります。拝んでおこう。 

うわっ。エドワード・マイブリッジが置いてありました。駆ける馬の連続写真が歴史的に有名ですが、こちらは全裸の男性がつけもの石のようなものを真面目に放り投げています。なかなかにシュールです。全裸で石投げ。うむ。

 

表大にわざわざ寄ったのはこちらがお目当てでした。

BCBOOK.com ONLINE SHOP / 西風のコロンブスたち

12/16(日)に開催される「美術館スタディ」という課外授業の参考図書として生徒に無料配布(!)されています。これ欲しかったんですよ。

この書籍はかつて畑館長が49人の美術家らにインタビューと撮影を行い、1985年に刊行されたものです。現代美術史上、70年代後半~80年代の日本の動向はどうにも理解できないところがあったのですが、これには当時のアートシーンにおける生の活動が収められていて、非常に参考になります。

www.nmao.go.jp

80年代のことがなぜ必要かと言うと、現在開催中の国立国際美術館ニュー・ウェイブ」展を理解する上で、絶対に苦労することが目に見えていたからです。

80年代は難しい。収蔵作品を都度セレクトして展示する「コレクション展」などで、毎回わけがわからないのがまさに80年代あたりです。日本が高度成長を終えて近代化を完了し、”戦後”が終わってポストモダンに突入、イズムの消失、そして作家らは表現意欲の高まりを旺盛にぶつけてゆく・・・それをどう理解すればよいのか。ばらばらに見える彼らの”哲学”に共通するものはあるのか。あるとすればそれはどこに見出せるのか。そういうことを考えたいわけです。

なんでそんなことを考えているのか自分でも分かりませんが、謎の引力があってですね、美術とかアートには得体の知れない力があって、ただし封印が施されていて、それらが秘めた力を発揮せしめるためには、解除のパスワードを入れないと封印が解けないようにできている感じがあります。パスワードにあたるものが、評論・批評であり、作者の独白であろうと思います。うふ。

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この日は仲間のスタジオ物件探しに同行していました。

独立して城を構えたいというお話で、ええやんええやんと無責任に後押ししている昨今です。ええやん祭り。

私にはスタジオ経験が皆無ですが、ちょっとググってみただけでも、最近のフォトスタジオはプライベートな仮想の理想郷を演出する場となっているようで、マタニティフォト、ベイビーフォトなど、着替えや小物やらでふんわり幸せ感を盛り付けるのが流行りのようです。

みんな幸せを維持するために色々やってるんだなあとか、不協和音のかたまりみたいな私は思うわけですが、幸せごとにお金を払える人はそれなりに所得がある家庭だと思うので、何らかのエリアマーケティングは必要ですね。私みたいなのしか住んでない街で店を開いたら早晩に傾いてしまいます。…そんな街ぜったい嫌ですけどね。

不動産屋にJR茨木駅付近を案内されます。

スタジオ撮影は自然光ベースでやりたいというお話でした。ここは両側の窓から採光できるので、良さそうです。元は事務所で、年季が入っています。ご覧ください壁や照明の無骨さを。色々と手を入れる必要があります。

空間はなかなか広くて3~4室ぐらい撮影室を作れそう。しかし雑居ビルの3階で、エレベーターがなく、狭くて急な階段を上らないといけないのが大難点。家族連れや高齢のお客さんに出入りしてもらうのには不向きです。あとで居酒屋で「あれきびしいんじゃないですか」「きびしいですね」「きびしい。」と語り合いました。人生きびしい。

ちなみに向かいのお店の方は、内装を自分でリメイクされたとのことで、頑張るとこういう感じに出来るらしいです。まじかよどうなっているんだ。ここのおねえさんにお金払ってやってもらったら早いんでは…。

「お客さんは内装とかぶっちゃけそんなに見てないんで、安く仕上げて、むしろよく見られるのは小物なんで、そっちにお金かけた方がいいかも」ありがとうございます◎

 

JR茨木駅付近は3~4階建てぐらいの小・中規模のビルが多く密集しつつ、その合間にやたら古い民家や商店がぼろぼろ立ち残っていて、街として非常に不安定というか、どっちつかずの景観です。特徴がない。建物はどれも古そうです。店はどんどん入れ替わっているところと、長年ずっと存続しているところの差が極端です。飲み屋がそれなりにあり、パチンコ屋と水商売ビルもあって、ニュータウンの新設駅とは違って、古くからの街という感じが良いですね。 

16時前から酒を呷りつつお話を聞いていたら、職場の人の意識が低すぎるようで大変そうでした。カメラマンとして雇われたのにカメラの使い方を知らないし、覚える気も無さそうだという話で、それカメラマンちゃうやんと思いました。世の中意外とそういうことがあり、料理人になりたいと言いながら包丁に触りもしない人種がけっこういるわけです。しかし、タダ働きでも無限にカメラや包丁をいじり続けるような、狂ったモチベーションに突き動かされている人種も少なからずいるわけで、彼らは何処に行ったのか? というと、そもそもやる気のある人間は何でも出来てしまうので、全然違う畑で飯を食っていたり、個人の趣味だからモチベが無限に龍のように尽きないのだ、ということがよくあります。世の中ままなりません。

 

皆さんも、カメラの設定がくるっていたときには、焦ってISO12800で撮って真っ白にしてしまったりすることのないよう、だいたいの適正露出を体で覚えるようにして生きていきましょう。なんかそれだけでお金稼げる気がしてきた。

 

ISO12800って狂気だなあ。

酒がうまい。 

( ´ - ` ) 完。