写遊百珍

大阪国際メディア図書館「写真表現大学」研究ゼミ生&TA。各種講座のレポや、関西・東京の写真展、アート展示を特集。

【写真表現大学】H30.8/18(土)特別企画_澤田知子氏によるポートフォリオレビュー

【写真表現大学】H30.8/18(土)特別企画_澤田知子氏によるポートフォリオレビュー

 

個別ポートフォリオレビューを受けてきました。ことの発端はこれ。

 

レビュワーは、世界的にも評価されているフォトアーティストの澤田知子氏。

 

通っている学校(写真表現大学)から本企画について紹介があり、「そう言えば38年間も生きてきたけど、ポートフォリオレビュー受けたことないなあ」と思ったので、ちゃんとポートフォリオ作って持っていこうというあれです。人生経験が足りない。

 

( ´ - ` ) さあどうなったか。

 

このレビューの趣旨は、「誰かにアドバイスをもらったり、見てもらう機会がなく行き詰ってる人がたくさんいると感じることが多く、私ならそのサポートをできると思います。」という澤田氏のメッセージの通り、個々人の活動における課題や問題点について、作品を通じてフリートークで相談し、解決策をアドバイスしてもらうというものでした。

 

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なので、他のよくある「ポートフォリオレビュー」(有名写真家や批評家ら複数名に、順番に短時間でプレゼン&質疑応答を行い、自身を売り込んだり、上位評価者に展示機会が与えられたりするもの)とは、かなり意味合いが異なります。異なると思います。一般的なレビューを知らんのです。また今度受けよう。人生経験が足りない。

 

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さて澤田氏のレビューです。

個人的な内輪の話も多かったので、すごく要点をまとめます。1時間の枠の中で、以下のような話をしていただきました。

 

1.ポートフォリオを通じて澤田氏が気付いた点(課題)

2.作者自身の課題、問題点の相談など

3.それらに対する解決策

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1.ポートフォリオを通じて澤田氏が気付いた点(課題)

まず1点目は、作品の世界観と、テキスト、タイトルとの整合性が主な焦点となりました。たぶんこの先ずっとつきまとう課題になります。

 

内情に踏み込むと、私は一個人の写真作家として活動をしていくに当たり、出発点として、現在所属している学校で方針やテーマ性についてのプロデュースを受けて、議論を重ねて企画を作り込んでいる状態です。

そこで重視されているテーゼは、「テーマの社会性」、つまり作家活動と社会とのリンクです。

しかし、作品が実際に語っている世界観はどうなのか? 作家自身の率直なところはどうなのか? ということが、今回のレビューで最大のポイントとなりました。

 

 

2点目は、「作品の純度を高めること」でした。

これは、やや説明的な写真を入れていたことについて、「他と異なるものが混ざっている」ので、「余分なものは捨てて」、「作品の解釈は観客に任せるべき」という指摘でした。

実は、普段の日常世界と作品世界とを観客が行き来できるよう、独自の世界観(ゲームのモンスター)に日常景の写真を交差させてみたのです。

しかしその「行き来」は、あくまで観客が作品との対話で行うものなので、作家が説明的な作品を挿入して行うものではない――観客の側に生じたゆらぎ、気付きによってなされるべきであるということです。

それを促すのが前述のタイトルやテキスト、会場設営など、総合的な編集の視点によってなされるべきであるというお話でした。

 

ごもっともです。腹筋がいたい。

 

2.作者自身の課題、問題点の相談など

私「ふとんって違和感どうでしたか、」

澤田氏「違和感ありません。」「面白いですよ」

\(^o^)/

 

私「ゲームとかサブカルとの関わりを主張してるんですが、それ間口として狭すぎないか、観客に分かってもらえるのかどうか、」

澤田氏「皆に"理解"はしてもらわなくても、何か"反応"してもらうことが大事」「むしろ、入ってもらえるかどうか」「入りづらいとしたら、タイトルに原因があるかも」「玄関が重く閉じている感じ」

\(^o^)/

 

私「日常のゆらぎを入れたほうがいいんではと、、」

澤田氏「この(モンスター)が作者にとっての日常ですよね?」「だからもう表現できているのでは」

\(^o^)/

 

ごもっともです腹筋がいたい。

 

3.それらに対する解決策

自身の初期作品を評価して、その路線を貫くことが重要であると、澤田氏自身のキャリアを踏まえてアドバイスされました。(※澤田氏はずっとデビュー当時の創作スタイルを貫いており、その点が海外で評価されている)

色々と新しいことをやりたくなったり、これでいいのかと不安になったりすると思うが、スタイルを貫くことが作家としては不可欠――荒木経惟篠山紀信横尾忠則も、やっていること自体は一貫しており、変えていない。

もし別の要素に着手するなら、別テーマとして「同時並行」で取り組む方がよい。それらが育ったら、根底に流れるテーマ性はおそらく同じなので、展示で総括すると良いのでは。

  

( ´ -`) ごもっともです。腹筋がいたい。

 

(参考)初期作品(2017.3月)。この路線を基軸とすること。

 

タイトルについては、学校側との兼ね合いはあるとしても、自分の指針となるべきものは、自分でしっかり作って、持っておかないといけない。

この作品、作者とモンスターは、どこでどうやって出逢っているのか。両者の関係は。日常の定義とは。

 

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以上でした。

 

終始、作家側に全力で寄り添ってくださったポートフォリオレビューでした。まさに応援していただいた感じです。ありがとうございました。

コアな部分については、実は書いていません。それは私が活動の中で答えを出すべきところだからです。今後にご期待ください。

 

何より、普段見せたことのない方に作品を見てもらうに当たって、「ゲームってなんやねん」「私ってなんやねん」と、ゼロベースで考えて準備をしたこと自体に、意味があったと感じます。

 

実は最近、いろんな写真集を見すぎたせいか、モノが視界に浮かび上がってこず、風景として「面」に埋没していました。それが、議論の中で、眼が戻ってきたというか。帰り道はいい感じに眼が開きました。天気がとてもよかったせいもありますが、久々にはっきりと彼ら(モンスター)が見えたりしました。

 

よろこばしい。 

 

今まで暑すぎて、モンスター召喚するどころじゃなかったというのも実情としてあります。暑すぎます。しにますよ。今日は涼しかった。よかったですね。昔から、食欲の秋、芸術の秋、召喚の秋と言ったり言わなかったりするので、精を出していこうと思います。

 

 

ていうか、開始から10分も経たないうちに核心の話に至った澤田氏の眼力に「やっぱ本物の作家はすごいですなあ」と感服です。そうありたいものです。腹筋がいたい。

 

 

( ´ - ` ) 完。