【写真表現大学】H30.2/4(日)作品レビュー(講師:飯沢耕太郎 先生)
例えば写真表現大学やビジュアルアーツ専門学校が、写真評論家・飯沢耕太郎氏を定期的に招聘するのは、コンテンポラリーな写真界の状況についてレクをお願いするだけが目的ではございません。
数多くのポートフォリオレビューやコンペの審査員を務められているプロ批評家の眼は、作品のどこに向けられているのでしょうか??
<ふりかえり> 飯沢耕太郎氏・特別公開講座のレク概要
というわけでした。これが前段。
ここからはまた別物です。この1年近く、内部の講師とクラスメイトを相手にプレゼンを繰り返してきた生徒にとって、これが実質的に初の他流試合になります。ドキドキしますね。ときめきましょう。
では当日の発表順、時系列にてレビュー記録をレポします。
◆在学生の作品レビュー
①キャロライン・ジョアンナ&くーねる・よんだーす 氏 / 『二人のママのあかし』~そのドラマのすべてが美しい~
(被写体となった女性との合作。身元についてはナイーブな話になるため、あえて飛躍したユニット名を名乗っている。「くーねる・よんだーす」はケンタッキーのあの老人へのオマージュ。)
【作品】
2人の子供を産み育てた後、体のラインが崩れて女性としての自信を失ってしまった友人に寄り添い、共同制作でヌードと日常生活を撮る。ポートフォリオを白黒とカラーの混在で構成、一篇の物語として提出。
女性側の身元を伏せる必要があるという事情、および、体そのものを先入観なく見てほしいとの思いから、本名や顔は排除されている。
【講評】
<テキスト>
・テキストとそのあり方(位置と量)は要検討。今だとまともに読むと5~10分かかる。写真を見る前に読まされてしまう。読者が先入観を持って写真を見ることが良いのかどうか。
・ページの途中に白の余白が多い。「白」はすごく強い。ここに言葉をちりばめても良いのでは。
<被写体>
・顔は出ない、という関係性なんですね。見たいけどね。
・この人がどんな人か、って気持ちになるよね。これを見る我々が何を見たいか、どう考えるかも考えてみてほしい。
<構成・全体>
・白黒とカラーが混ざっていても、意図があると違和感がない。
・ポートフォリオとしての形はしっかりしてる。
・内容は、非常によくできている。選び方、並べ方は非常にいい。
・ここで終わるともったいない。この先、この女性の産み育てた子供らが成長すると思う。テーマとしては普遍的なので。
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②岩見あづさ 氏『ぼくのめせん』~周りが変わるふしぎなゆらぎ~
【作品】
重度の全介助状態の息子を自分や家族、また本人の目線からもGoProなどで撮影。「障がい者=かわいそう」とよく語られがちだが、彼自身はそんなことを思うことなく生きており、また家庭にとっても欠かすことのできない一員である。
修了展の展示構成(画角の違いに応じた小ブロック構成)で作品を提示。
【構成】
・展示は写真集とは異なる。これはポートフォリオ、写真集として完成させたいところ。
・伝えたいことは、観客とのキャッチボール。まだバランス感覚が伝わりにくい。もう少しうまく伝えるやり方があるのではないか。
・小説でも第1章、第2章、第3章・・・と構成があると思う。もうちょっと「かたまり」が見えてくるといいね。
・団子の「串」は「彼(息子さん)」。
・「台割り」を作らないとぐちゃぐちゃになる。大きな流れ、全体が見えないと。
【写真】
・プリントはもう少し細やかに。
・もっと色々な映像が出てくると思うけどね。
・あまり見たことのない写真と、客観的なものとの兼ね合いが、ブックを作るときの大きなパートになる。
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③岩本啓志 氏『さえぎる風景』~ゆたかなせかいにたどりついたか~
【作品】
大阪ミナミにそびえ立つ「あべのハルカス」が見える光景を巡って撮りためた。日本最高のビルだがそうには見えず、風景を邪魔しているのか、周囲の風景に邪魔されているのか、そのノイズ感を捉えた。
修了展の展示構成(上下2段、全タテ位置)で提示。
【被写体】
・ビルの周辺の風景がもっと入ってきたら良いんじゃないかな。地上部。
・内部は? 警備員にとめられる? やってみたら。だめだったら、だめでさ。
【全体・スタンス】
・面白くなりそうなんだけどなあ。写真はまだやり始めたところ? もう少し、思いついたことをやってみたら。あんまり囚われずにさ。「新しい風景」なわけだしさ。
・見た感じ、煮詰まってる感じがするから、なんでもやってみて。新鮮さを吹き込ませてみて。
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④桜井祥直 氏『自然と不自然の嘘』
【作品】
地元・鳥取で活動するプロカメラマンとして、鳥取の知られていない風光明媚と、モデルとカメラマンとの共同演出による空想的な世界をコラボレーション。鳥取出身である植田正治の精神に学び、地元の奇伝、伝説を範にとった世界観を映像化する。
先日の個展で発表した作品から5作をピックアップ。
【テーマ性と映像】
・やるだけやってみたらいいんじゃないかな。アイデアとセンスが必要。やりきってないところがある。
・スケッチと偶然性の兼ね合い。事前のスケッチを描くのはよいが、それをやりすぎるとただの再現になってしまう。植田氏もスケッチは作るが、写真がその予想からずれていく。それが写真の力。
・多様な要素がほしい。もう1つ何か置かれているとか。複雑にしたい。一発勝負になっている。1つのパターンでしょ。頭の中を再現しただけになってしまう。
・1点だけストレート写真があるが、これは違うものだから除いたほうが良い。
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⑤小川真奈美 氏『彫刻にたくす愛のまなざし』~東 健次の平和へのメッセージ~
【作品】
三重の山奥に夫婦で移住し、陶芸作品を作り続けた東 健次 氏の芸術庭園『虹の泉』を取材・撮影。本人は逝去しているため妻へのインタビュー等を通じて、東氏の愛や平和への想いを解釈し、彫像の眼差しにこめられたその思いを特集した。
修了展の構成(彫像1体につき表情のみ3枚構成 × 十数体)で提示。
【被写体・構成】
・これはすごく面白いね。思いは伝わる。
・彼ら(彫像)がどういう環境に置かれているかが見たい。全体像がほしい。情報としては見たい。
・アトリエ撮影は? NGなの? アトリエ撮れないと厳しいな。
(※妻曰く、過去に大手企業の取材の話があったがゴタゴタがあってそれ以来NGにしているとのこと)
・ 作家がどういう生き方、暮らし方をしてきたかが見たい。それが見えないと厳しい。
・メインはこの作品でいい。クローズアップだけではない像もほしい。本当はその作者、人となり、どういう佇まいかを見たい。
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⑥松岡香奈 氏『ひかるいのち』~ガラスの向こうの小さな海~
【作品】
水族館のアクリルガラスの向こうで生きているものたちに着目し、光を帯びているその命の形、ゆらめき、輝きを追った。くらげがすきです。
修了展の展示構成(上下段横長、大1枚→小4枚の連続パターン)で提示。
(私がプレゼン準備のため何もできず。以下は断片的です)
【写真、テーマ性】
・くらげにとらわれなくていい。
・プリント面白い。インパクト出てる。
・水族館だから、(色彩、陰影、背景の感じ等)こういうもんだと思う。テーマに沿っている。
・テーマとかはもう出来上がってるんじゃない。修了展に出さないやつのほうが面白いかも。
(大体まとまってて「いいんじゃない」的な評価)
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⑦田代雄樹(筆者)『温帯の繁殖者』 ~神様はいない。溶ける都市~
【作品】
都市生活者の日常はサブカルチャーと密接、というか、現実側との境界が溶けており、ゲームやアニメの感性が流れ込んできている状況。暮らしの中(寝室)と都市のパーツ(主に梅田)において、サブカル側の生命体が、誰(神)の統治も及ばないまま繁殖している状況を捉えた。
修了展の展示構成(3枚×3枚)にもう1ブロック追加で提示。
(応答とメモで忙しいため何も出来ず)
【構成・写真】
・この展示構成はこれでいいけど、これ以上になると、このパターンでいくのはきつい。20枚前後でいっぱい。
・写真の背景が黒く塗りつぶされているが、背景をもっと出してあげたら。どこにいる生き物か分かるように。さっきの彼女は水族館だから黒くてもいいが、これ街の中で撮ってるんでしょ。
・黒バックで平面的になってて、グラフィック化してる。単一的。リアルな空気感がほしい。
・(ゲーム世界感との連結をしたかったので平面グラフィック化を意識した旨を説明)>ゲーム感は出てないね。それならゲームそのものを撮ればいいじゃん。
・ふとんは効果的でないね。
【テーマ】
・主題「温帯」、わけわかんなくて良い。
・サブタイトルは要らない。むしろ減点だよ。主題と写真みればわかる。既に言ったことを繰り返す、主題の解説をするような副題は考え物。
・主題だけでいい。
(※ ↑ こういうのを撮っています。 )
【>以下内省】
・だいたい知ってた。(だいたいゼミで毎回言われてたこと)
・サブタイトルが浮いてるのは、展示(個展)プランがまだ無いから。展示や写真集の構成と呼応させる形で、サブの必要の有無も含めて考えた時、初めてサブタイトルは意味をなす。と思う。
(※前日に発狂しながら滑り込みで決めました 吐血。)
・つまりギャラリーでの展示構成を検討することが次の仕事。(それがないと「色の黒い人」で終わる)
・写真界の人の眼にとっては、これは「ゲーム」ではなく「都市写真」(むしろ作者がゲーム、サブカルとの連結を意識しすぎているか)
→写真をやってる以上、写真のノイズ性、ドキュメンタリー性からは逃げられない
・ふとんは不要と言われながら、ふとん写真がどれか見分けがついてなかったので、なんだかんだでいける。
・主題の意味不明さはアタリ。
( ´ - ` )ノ 道のりは遠い。
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⑧楠田正明 氏『次の停留所はコンパクトシティ』
【作品】
仕事で滞在した三重県松阪市のコンパクトシティ化する現状を身近な光景から捉えた。3枚の写真の被写体は、まだ稼働中のバス停や電柱だが、いずれは・・・。
修了展の展示構成(3枚)で提示。
【構成】
・3枚では・・・ もっとないの? そのザルの写真いいじゃん。やっぱザルだよ。色が他の写真と合ってないって? あとで合わせたらいいじゃん。
・全国どこもそうだよコンパクトシティ化
・ザルが一番面白いけどね、
・コンパクトシティってすごい面白いテーマだ。
【写真】
・「これで撮るんだ」っていう気合が足りない。これ撮り直しは・・・三重だから難しいか。どっかそのへんのさ、茨木の駅の間とかで撮れるんじゃないの(そこそこ寂れてるから)。
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⑨佐藤直樹 氏『見えない光をすくって』~漂う時間が描くやすらぎ~
【作品】
デジカメに手を加えて改造、赤外線を取り込みながら、大阪南港の沿岸部で撮影。昔の記憶をたどるようにして光を「すくって」いく。
修了展の出品作品をチョイス(構成は不明)。
【テーマ・タイトル】
・副題は必要ない。言い訳に見える。そもそも主題もどっちも副題っぽい。
【写真】
・これ写真が斜めだね、あえて少し斜めにしてるのかな? (特に意図はない)>であれば効果的ではないね、このシリーズには必要性がない。
・湾岸の持ってる独特の空気感がもっと出てくると良いのだが。(明確にしたくない)>場所の空気感は出したほうが良い、何か惹かれるものがあってこうして作品にしてるわけだし。湾岸で撮ってて、動機があるなら、ちゃんと方向が見えた方がいい。
・面白くなりそうな予感もある。
【構成】
・こっちとこっち(花とかモノ主体と、空や海の風景全体?)が写真が違いすぎる。どの写真を選ぶか、どう組み合わせるか、厳密にやらないとだめ。まだ手探り状態だな。見えないまま動いている感じ。枚数増やしてみて。
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⑩吉川育子 氏『咲くや庭造り』~愛と奮闘の物語~
【作品】
プロカメラマンとしての専門領域を獲得する上で、今後ニーズの高まる「庭」、「ガーデニング」に注目し、オープンガーデンの時期を中心に個人宅の庭園を取材。様々な庭主と交渉し、その想いを聞きながら、それぞれの庭の個性や見どころを特集した。
修了展の出品作品をチョイス(構成は不明)。
【写真】
・(チョイス分について)どれも似てるね。バリエーションつけたいな。
・オープンガーデンだしな、メリハリはつかないか。
・クローズアップがあって、建物と窓の入った写真があって・・・ 写真は悪くないんだけどさ、ちょっともったいない。良い被写体なんだが、もうちょっと何とかしたい。
・(チョイス分に)花入れてみたら。全体的に暗い写真が多いんで。
【テーマ】
・テーマ面白いじゃん。冬とかあったら良いんじゃないかな。
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⑪齊藤いりす氏『2nd ホームタウン』~故郷じゃないのに愛しい町~
【作品】
2年間、地域おこし協力隊として滞在した「第2のホームタウン」である福井県高浜町で、四季折々の地元の風景を撮影した。もうすぐ個展があり、その展示プラン:春夏秋冬の時系列で並べている。
【写真】
・気持ちのいい写真。良い写真があるからメリハリ付けて。
・地域の人たちとのコミュニティがもう少し強く出たらいい。「ホームタウン」としてもう少し人を出したら。
・(人、顔あまり写っていないことについて)この後ろ姿の写真は? 象徴にもなっていない、たまたま後ろ向いてる。「顔」の情報は大きい。
・この写真のあり方なら、みんなの顔を出しても問題ないのでは。祭りの時だけ顔が出てるけど、慮ってるように見える。どアップの顔写真があっても面白い。
【構成】
・シリーズの始まりと終わりは何か欲しい。イントロ部分。心象で始まり、心象で終わる・・・ この町に住んだことがリアルに出たらどうか?
・例えば、この町に来て、新鮮、衝撃、驚きがあれば、まずそれを見せる。観客がそこに共感する。最初から自分の作品としてまとめてるのがどうかなと。
・ラストの2枚は心象、主観だね。この2枚は抜くか。(紅葉のイメージ写真)(>他に紅葉の写真がなく、紅葉の時期も短い)
・撮る人、見る人のキャッチボールがあるはずだからね。
( ´ - ` ) 後にご本人と話したところ「人を撮るのは苦手、逆に寂れたものとか景色が好き、楠田さんの世界観とかすごく好き」とのことで、人は見かけによらないなあと唸らされました。わびさび女子。
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⑫井上晃啓 氏『僕は旅散歩にいく』~指先が創るイメージから俳句を読む~
【作品】
日常の光景を撮り、そのシーンに合わせて俳句を詠み、写真に重ね合わせる。
修了展の出品作品をチョイス(構成は不明)。
【作品全体】
・(俳句×写真)結構面白いと思うよ。
・言葉は映像より強いからバランス難しいけど、案外ちゃんとできてる。ゴチック体がいいね。
・写真は優しくていいね。
・6枚の並びもいい。上の3枚がいい(中心となる被写体がモノとしてしっかり写っている)、下が少し弱いか。
・副題が気になるな~~~
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⑬村上弘 氏『猫は家に帰り、僕は散歩に出る』~プチ家出、自然を巡る~
【作品】
井上氏同様、日常景に俳句を重ね合わせる。
【作品全体】
・これも副題いらない。なんでみんな副題つけんの? ああ、学校の方針・・・じゃあしょうがないか。
・俳句の文字の入れ方が気になる。(黄色で和のテイストのフォントのため可読性が低い)
・写真の選び方がこれでいいか? 大人しい。言いたいことがハッキリ・・・まあそうそう分かんなくてもいいか。
・生徒みんなで俳句やったら面白いんじゃない。
・俳句は俳句専門の人に見てもらったほうがいいんじゃないか。俳句は定型であることと季語を使うということで、財産だからね。
・朝日新聞のコラムで連載してた「折々のうた」(詩人・大岡信)が参考になるよ。(と、おもむろに本を取り出す)(な ぜ 持 っ て る !!!)
( ´ - ` ) 飯沢氏の守備範囲やべえな、とおそれをなした瞬間でした。何故持ってる!!!
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⑭高橋咲 氏『ジュウゴ』
【作品】
15の妹を中心に、日常の光景、家族などを撮ったもの。フォトブックの形にまとめた。メインビジュアルは、妹がこっちを見据えている1枚。
【構成】
・写真のバリエーションは悪くない。見せ方は検討の余地あり。
・並べ方・・・始まりと終わりがあって、その間を繋いでいく。
・大きさはメリハリをつけてあげてはどうか。シークエンスの示し方とか。
・並びですよ。やりようがある。
【写真】
・この人物の独特の表情はいい。大きい写真はインパクトがあって良い。(一体何者?という不思議さ)
・父親の写真がすごくいい。となると、母親を入れたいね。ないとちょっと弱い。(父子家庭であるとの誤読を招く恐れもある)
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⑮佐々木久実 氏『つながる親族の力』~たわいもない話が生き方を形づくる~
【作品】
実家の昔からの風習や、旅先で触れた文化などを特集し、ミニテーマに分類して1つずつまとめていく。今回は実家でずっと昔からやってきた餅つきの記録。この写真が最後の餅つきになってしまった。12枚で構成。
【写真】
・もうちょっといい写真ないかな。もち自体が見えるような。せっかくの餅が、美味しく見えるように
(何を混ぜているのか分からないが、一般的な白い餅ではなく、茶色く、ザラザラ・ボコボコした何かが混ざっていて、それを搗いて伸ばしているため、餅というか、食用ではない物体に見える。)
・クールに撮れなきゃだめだよね。その時その時を、嫌がられても。ちゃんと見たいんだよね。餅つきの写真が。
(入学前にスマホで撮ったもののため、クオリティやフレームの強度に難あり。しかし餅つきはこれが最後)
・テーマは本当にいい。次は本気で撮ってよ。やっぱりケータイと一眼レフとじゃ気合が違うから。
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⑯小川雅美 氏『ええげに活きている』~自然と人、共生の肖像~
【作品】
良い感じ(ええげな)で、現役稼働中と思われる小屋を巡って撮影している。自然と人間界との境界にあり、まるで人のように、それぞれの小屋には個性がある。
修了展の出品作品をチョイス(構成は不明)。
【写真】
・小屋と周囲との関係があいまい。どういう佇まいなのか。
・小屋と言えば、写真家・中里和人(なかざと かつひと)氏の「小屋の肖像」が素晴らしい仕事をしている。佇まいをとらえ、人を撮るように、タテ位置で撮っている。ぜひ参考にされたい。
・テーマ、セレクトは非常にいい。
・スペインの小屋の写真、他の写真もこれぐらいの距離感は欲しい。
<参考>
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◎全体総評
おつかれさまでした。
・みんな頑張ってるから、このままがんばってください。
・批評家は色々言うけど、最終的には本人一人が決めること。色々言われて、その通りやってると、キリが無いから。いかに受け流すかが重要ね。
・良い意味で自分を持つこと。そこが基本。
・写真の発表は独りではできない。「見えない観客」をいかに想像できるかが大切。鳥の眼で見てください。ガンバの遠藤みたいに。
・そうやって仕事を「best」に持っていく。「better」じゃ駄目なんだ。客観的に「良いもの」を作ること。まだまだ作業の延長線上で、これから先もずっと続くんだから。
・撮って選んで並べて・・・を繰り返すこと。
・1つのことだけやってると息切れすることが多い。みんなスタートは同じなんですよ。どんな有名な写真家だって。他のことやるのもいい。煮詰まってくる。良い写真家は必ず複数のプロジェクトを抱えて同時にころがしてる。
・コンペにどんどん出していくことだね。
・正直、コンペでよくある「35歳以下」の年齢制限って意味あんの?って思ってる。関係ないじゃん。芥川賞だってさ、60歳超えた人がとってるような時代。「新人」の意味はもう変わってきてる。
・この学校はとてもいい講座の在り方をしている。(歴史、教育システム、図書館としての環境等) ただ、色んな場所で、色んなあり方がある。(コンペ、ポートフォリオレビュー等)外にも出ていくことだね。
( ´ - ` ) ありがとうございました。ました。
◆懇親会 @表大1Fスペース
そのまま1Fに下りて懇親です。絵にかいたような懇親をしました。
懇親。
書籍が間近にあるんでけっこう怖いんですね。あばれないように飲みました。
ストロングゼロは福祉で、甘くておっとりしてるように見えて、全然なんていうか、表情が優しいだけで中身は棍棒を持った鬼です。脱法ドラッグみたいなケミカルな味がしました。ギャー。
飯沢氏に生徒が「なんで写真家にならなかったんですか?」と聞いたら即答で「日大写真学科に入って1週間で断念した」「大判カメラで新聞紙をちゃんと撮るって授業があるんだよ、字がちゃんと読めるように。それがイヤで、こりゃ写真家向かねえわって、やめちゃった」とのお答え。
「写真家はそういう技術の積み上げが出来る人間でないとなれない。おれはちゃらんぽらんだからだめだ」「評論家なんていい加減でも出来るんだよ」「すぐ結果出したいのよ。写真だと時間がかかる。文章なら思いついたことパッと形に出来るでしょ」
「全部調べてから書き出すんじゃ絶対に完成しない。だから50%調べたら書き出すんだよ。あとは書きながら何が要るか見えてくるから、その都度調べていけばいい」「おれは書くの好きだからね」
正確な言葉ではないですが概ねそういったお言葉で、いちいち含蓄があり、これまで雲の上だったお方の肌感覚が知れて面白かったです。ストロングゼロとの相乗効果がおいしいです。
教務スタッフの椅子に倒れ込んでいた模様。ストロングゼロがぜんぶわるい。効くなあ。飯沢氏「まだ食い足りないんだけど」「店どっかないの」はい今いきます。グエー。
◆懇親会2 ~居酒屋~
よくわからんチェーン店に来ました。日曜の晩のせいかえらく空いています。たぶんアレなお店ですが、みんなさっき飲んだので舌がバカになってて許してもらえるかなと思いました。案の定誰も味がどうとか言いませんでした。ウェーイ。
元・魚屋だったり元・板前だったりした謎のお兄さん・戸田氏(くーねる・よんだーす氏)が「シャフ度!」とキメポーズを撃ってきます。
あまりに撃つのでどこ界隈で流行ってるのか聞いたら「昨日会った20ぐらいの女子が・・・」という。正式には「シャフト角度」といい、高度に寝違えたような首の反りが特徴的で、無理をすると筋をいためます。
卓の布陣が偏り、飯沢氏の席は女子の花が咲き、こちらはおっさん達が泥土のように積もっている。体の健康のことを慮りながら慎重にメニューを選ぶなどしました。
慎重を期した結果、サラダをします。チャーー。もうだんだん会話が疾病とか健康とか心の平穏とかに寄ってきてる気がしますが、そういう感じでおっとりしながらも写真などをやってる限りは良くも悪くも心の免疫不全症候群を来し、見えない火炎瓶を振りかざすような姿勢はどこかであり続けるでしょうから、それなりにやっていこうっていうことです。
記念をしました。シャフト角度で〆です。
今回の作品レビューの総括・分析的なことを書こうかなと思いましたが、やっぱりやめます。理由は「これを読んだ方々で、興味を持たれた方がおりましたら、ぜひ自分の身と作品で体験してみてください」に尽きるからです。これだよね。
傾向と対策ほど無意味なものはなく、たとえ評論家や写真家の気に入るものを持って行ったり、その場で褒められたところで、自分自身が羽化あるいは孵化するわけではなく、そこはまさに自分次第ということです。羽化してもすぐ死ぬ場合もあり、一生地を這う幼虫か!と泣いていても実はそれが成虫で、不完全変態タイプだったりするので、もう色々と人生です。
予期せぬカミーユとのシンクロです。戦争しようZE。
調子に乗って日本酒を多めに注入したので、翌日たいへんでした。仕事ってなんですか。
完。