【ART】北アルプス国際芸術祭_大町名店街の夜
北アルプス国際芸術祭を目当てに、大阪からフラフラとやってまいりました、そして夜です、信州の信濃大町、信州ですよ、地元の幸がぜったい美味しいはずだと、確信しつつも、大阪や東京と同じ時間感覚でやっていると、店が全くありません。ない。うわあ。ない・
駅前のチェーン店(養老乃瀧)は開いているようだが、信濃大町まで来て、それでは泣けるので、がんばることに。
21:10、「営業中」の札に安堵したものの、「10時でしめますので」とのこと。がんばりようがないぜ。
しかし店員さんがとても親切だった、電話でまだやっていそうな店にバトンを繋いでくれたのだ! わあい、
信濃大町の駅周辺を見てみよう。
店の数は少なくない。
芸術祭の作品MAPには、本企画とのタイアップ店舗が掲載されている。実際には無数の店があります。「店は」あります。
拡大。けっこうあるざます。
あるなあ。しかし難易度が高いのだった。
(パターン)
・営業時間が短い
・食べたいメニューじゃない
・そもそも何の店か分からない (地元の常連さんはよく分かってる)
・想定キャパが日々の地元客 (急に4~5人来られても対応できない)
うむ。
車で、何か店ないかと、目をこらしながらぐるぐるするよ、けど、ないんだ。
2車線ぐらいある車道は、横断歩道ではなく地下道になっている。富山なんかもそうだね。雪国って感じ。
飯、飯はないですか。
居酒屋には芸術祭が貼ってある。街を挙げてこのイベントを掲げている、うれしいです。瀬戸内国際芸術祭のときと似ている。あそこも地域全体での取組みがあった。昨年のあいちトリエンナーレは残念だった、名古屋駅など、どこを見ても特に貼り紙もなくて、染まっている感が無かったんで、勿体ない感があった。美術館的な企画と芸術祭の違い・価値はその点です、フィールド全体がアート化して別次元に移行するとき、ああ新しい世界に踏み込んだんだなと実感して、探索が悦びに。それはそうとして飯、飯はないですか。
メインストリートの商店街から派生して伸びている「大町名店街」という、コアな密集地帯に来ました。さきのお店のお姉さんが連絡をとってくれた関西風の居酒屋がこちらにあると。暗闇の中でここだけ四角く光っていて、実に魅了されます。飯はないですか。
飯ありそう!
写真左の居酒屋「まいど」でお世話になりました。あとのお店は閉店で、普通に大人3名が飲み食いを出来る場所は、もう町の中では皆無といってよいほど。探したらあるんでしょうかね店???
駅をはさんで反対側の国道147号沿いには「すき家」や「COCO'S」があるが、それはちょっと。
「まいど」はほぼ満席で、メインメニューがなんとたこ焼きで、こちらは車で来ているから酒を飲める人がおらず、水でたこ焼きをむさぼるという奇妙な夜会になりました。たこ焼きはおいしかった。なぜか店内の写真が一枚もありません。燃え尽き症候群か。
21時半に入って23時半にお会計。梅田で飲んでるとしてもけっこう遅い時間ですね、信濃大町でこれはかなりの遅さ。仲間を少し離れた宿泊先(五竜ドライブステーション)まで送らないといけないのだが、大町名店街の雰囲気が面白いのでまだ帰りたくない。
撮り歩きます。暗すぎて撮れないんだが。
○ジミー・リャオ「私は大町で一冊の本に出逢った」
メインストリートに面した空き店舗は、作品の場となっていた。
「私は大町で一冊の本に出逢った」
「街中図書館」
そう書かれた表紙の本が並ぶ。
既存の色んな本の表紙カバーを作家が作成して被せたもので、手にとって開けてみるまで中身は分からない。そこにあるのは作家の作品であると同時に、日頃何気なく手に取っている「本」であり、二重の出会いが面白い。
商店街も昭和のくたびれ感と、形のぼこぼこ湧き上がる生命感が面白い。
私達の眼を引いたのが「ゆきちゃん」。
あっ何だろう。美味しそうかどうかではなくこのキャラクターと店名が既に独特の世界観を帯びていますよ。
ハングリーボックス・ユキ。80年代のFCゲームを髣髴とさせるキャラ絵で、今にも横スクロール画面をたたたと歩きだしそうな能動感をたたえている。白い頭から左腕が直接生えているような描写は「まずりん」の描く「ノブ子」を連想させる。やたらと心に刺さるキャラだ。
食べかけのウインナーのようなものを手にしたゴースト・バスターズ風の不良青年も暗闇で発見された。たるんだ風体なので中高年かもしれない。後で分かったがこれは串カツ屋の看板で、串カツ人間が串カツを持っているのだった。
この日は半分意識がなくて寝ながら運転して宿に帰りました。燃え尽きた模様。宿についたら日付をまたいでいて、温泉宿なのに大浴場の営業が終わっていたという哀しみがありました。
その翌日(7/16)
芸術祭2日目の晩。
今度は5人で早めに店に入ろうという作戦、18時に大町名店街へ殴り込みです。
芸術祭の垂れ幕と相まって、改めて大町名店街はブルーの空間だったことがわかりました。さわやかです。
夏感がいいなあ。
ただし天井がふさがれていて、太陽で加熱された空気の逃げ場がなく、日中は名店街の中が蒸し器みたいになります。空気が熱い。
さあ早く来たから大丈夫だろう。
/(^o^)\ 店がない!
まじかよ。
○日曜なので閉まっている
○開いているが5人ですと言ったら断られる
○外観は飲み屋のようだが何の店か全く分からず博打感がすごい
○1店で蕎麦屋とか居酒屋とかを兼ねているなど不安感がぬぐえない
○やっているが地元民が爆音で歌っている
( ´ -`) 詰んだ。
店が見つからないので嫌になった模様。
手分けしてさんざん探索した結果、仲間と散り散りになり、もう選択肢が本当にないということを悟り、一度はスルーした名店街の串カツ屋「花山」へ。
開いてて本当によかった。夕飯難民。
店内のテレビで「カーズ」見ながら談笑。
/(^o^)\ 食い尽くしてしまった。
すんまへん。
需要と供給とキャパシティと。でもおいしかった。店内の写真が1枚もない。燃え尽き症候群か。
珍奇な思い出を胸に、宿へ帰ります。今夜こそ大浴場の温泉に入ろう。
宿までの道はこのような、もう何もない、そこは闇か畑か、教えてくれよハイビーム。幸いにも畜獣の飛び出しもなく安全に。ハイビーム。
大町温泉郷。なんだこれは。 作品とは無関係で、カップルどもを吸い寄せる装置のようだ。
宿で菓子を食べながら虚ろになります。この後飲酒をして昏倒。
大町名店街の夜でした。