nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【ART】現代美術家・今井祝雄『連鎖球体』 @大津市役所付近

2016.11/23

【ART】現代美術家・今井祝雄氏『連鎖球体』 @大津市役所付近

 

私達は大津市役所のそばの歩道で、球体に出会った。

 

これ、

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\( ゚o ゚ )/ 球体である。

 

「わ~球体だわ~」

「穴あいてる~」

「すご~い」

 

 

そもそも、

? /(^o^)\ これ何ですか。

 

 

2か月前にさかのぼろう。

 

それは9月上旬の【写真表現大学】、ある日の授業にて。 

 

出逢ったのは

「現代美術表現」というカリキュラムで講師を務められた、

今井祝雄(いまい のりお)先生の存在である。

 

 

<写真表現大学のHPより抜粋>

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見るからに只者ではない。 

 

この方が何者かというと、戦後1954年に関西で結成された前衛美術家集団具体美術協会で、最年少メンバーとして活躍していた美術家のお方。2012年まで成安造形大学で教授として教鞭を執られていました。

 

「具体」では、リーダーの吉原治良の唱える「人の真似をするな」「今までにのないものを作りなさい」という指針に則り、国内の旧来の審査・評価の体制(日展や二科展といった枠組み)から自由な活動を行い、また、西洋の美術界の輸入ではなく、自分たち独自の表現を模索し、各人が非常にユニークな(体当たりな)作品を世に送り出してきました。このことは大変画期的でした。

 

その取組は1950年代後半にフランスの批評家:ミシェル・タピエが来日した際に高く評価され、海外へ「アンフォルメル」(非定形という意の新しい前衛美術表現)とともに発信されたのを契機とし、海外で「具体」の名が知れることとなります。

近年さらに海外で再評価の動きがあり、新聞の文化欄にもたびたび特集が組まれたりと、美術史における重要な存在となっています。

 

 

そんなこんなの

 

授業の終わりごろ、先生の作品紹介があり、

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? /(^o^)\ 謎の絵が出現。

 

磁界でしょうか。

 

Google検索で球体が示されました。 

 

「琵琶湖のヘドロで彫刻を作ったんです」

「ヘドロから瓦が作られると知って、それなら造形もできるなと」

 

 

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??? /(^o^)\ チャクラ?

 

「2つの球体が並んでいまして、穴が開いてるんです」

「覗くと向こう側を見ることができましてね」

 その間に入ったヒトも含めて連鎖する球体に・・・という仕掛け。

 

授業を聴いていた生徒女子/みっこさん、声を上げる。

 

「通勤途中いつも見てる!」

「あれ作品だったんですね!!」

「何かわからなかったんです!!!」

 

 

/(^o^)\  Oh.

 

地元民すら知らなかった事実。謎の球体は芸術作品である。

 

「球体が大津にある・・・」「市役所のそばに球体・・・」「地元民すらよく分からない球体・・・」 我々生徒の間に謎の動揺が走ります。それは好奇心へ転じ、いい年をした大人は程よく謎めいたものが好きなので、あれよあれよと、現地ツアーの企画が成立。

 

それが9月のことです。

~回想終わり~

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

そして早くも11月半ば。

早いよね。老化が進むわ。

そういうわけで、車で駆け付けまして。

 

いやほんとこれはこれは立派な球体で、

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立派です。

うむ。謎が満ちている。のっぺりとした歩道で異様な重量感。こんなものが毎日視界に入ったらさぞ気になることであろう。気になるなあ。

 

ウォルター・デ・マリアも球体を展示するが、あっちは漆黒で黒光りしているのに対し、こちらはアースカラーでまだ街に溶け込んでいる。優しさが違います。が存在感があることには変わりはない。

 

 

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名称『連鎖球体』。1996年制作。

 

これについてご本人の記述を見つけたので引用する。

 

<引用:『成安造形大学紀要 第2号』P4>

 「いっぽう、カラフルなヴォワイアンとは異なり、アースカラーの球体の造形を1996年に制作した。滋賀県主要地方道である伊香立浜大津線マイロード事業の完成を記念したモニュメント『連鎖球体』である」

 

 

なるほど。

今となっては由来さえ謎でおます。

 

 さっそく話題の「穴」を覗いてみましょう。 

 

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 (>_◎)ノ

 

 ああよく見えるなあ。こんちは。

 眼の会話をしました。

 

せっかくの光と闇の穴だけど、ごみ詰まってますよね。

 

 

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もはや人格すら感じる球体だが、穴にごみが挿入されている。

これはゆゆしき問題である。

 

みっこさん曰く「こないだ夜中に、酔っ払いがこれに隠れて、飛び出しては道行く人を脅かしてた」とのことで、都市のオブジェの悲しい宿命、なぶりものにされるということが多々あります。酔っ払い楽しそうだな羨ましい。

 

たぶんそういうことの繰り返しで、穴に異物を挿入する輩が出る。

 

「穴」はヒトの本能を根深く刺激するのか、いますよね、「穴と見れば何かを入れずにおれない」人。性欲が強いのかどうかわかりませんが、その手の人種はみだりに何かを挿れて、詰まらせてしまうということが多々あります。やだあ。性欲が強いのかな。もう片方の球体の穴は完全に詰まってしまって何も見えない。いやだあ。性欲が強いんだと思うよ。相手を選べと言いたい。

 

我々は何かこうすっきりしない感じになり、整腸剤の霊が憑依したかのように気持ちが高まります。「穴が詰まってるのはなんかイヤだ」「押したらいい」「押し出そうよ」「押せば出るよ」 ――ムードが高まり、皆の気持ちが一つになります。今井先生へのわけのわからない想いが募り、謎の実力行使に出ます。

 

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(  ー_ー)ノ  実力行使。

そのへんの空き地からよく育ったススキを引っこ抜いて穴に挿し込み、中にたっぷりと詰まった異物を押し出そうとします。力加減が難しい。

めちゃくちゃ詰まってるやないか。力加減が難しい。

1度、ボキッと折れてしまいましたが、2度目、いい感じに押せている。

がんばれ。どんだけ詰まっとるんや。

 

 

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フー。

やりました。めでたく内部の詰まりを完全に押し出すことに成功。

けっこう土の塊が出てきました。そら見えへんわ。

 (ひっくり返ってる土が押し出された分)

 

 

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すっきりした。

開通記念で、快い感じになり、喜びのあまり穴とか空間とかを撮影します。

 

 

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 (・_◎)ノ  じー。

  

よく見えます。眼と眼で通じ合う。

 

 濃密なひと時を過ごしました。眼の通信基地だ。

 

女子が感極まり、

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感極まって球体を崇拝します。

 

「ああ~~」「あああ~~~ 」

「あ~~」

 

抱きつくとすこぶる暖かいらしいです。

 

今井先生は女子に崇拝されているということがわかりました。

 

 

 

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 今井祝雄先生でした。

 

 

 

大阪国際メディア図書館は

珍奇な出逢いが多いので油断できません。

 

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medialib.jp

 

\( ゚q ゚ )/ 珍。