月日はめぐり、2016年になって、瀬戸内国際芸術祭はあるし、KYOTOGRAPHIE・京都国際写真祭もある。いそがしい年でおます。
四条烏丸①として、長江家住宅、The Terminal KYOTO を特集。
関西にて、いや日本において写真を主軸とした骨のある企画は皆無に近い状況なので、たいへん楽しみにお待ち申し上げていた。
- ○No.7_長江家住宅/作品:古賀絵里子『Tryadhvan』(トリャドヴァン)
- ○(KG+)No.35_The Terminal KYOTO/『室礼―Offerings―Ⅱ』(作者・作品多数)
- ◆(同会場・防空壕)山本晃久『切支丹魔鏡』
- ◆(同会場)シュヴァーブ トム『Pause with White and Orange』
会場MAPは昨年とほぼ同じ。
四条烏丸の密集地帯:赤字No.2a~7までを巡った。
うち
赤字No.7「長江家住宅」と黄色No.35「The Terminal KYOTO」を記録する。
(赤字=KYOTOGRAPHIE、黄色=サテライトイベントの「KYOTOGRAPHIE plus」)
○No.7_長江家住宅/作品:古賀絵里子『Tryadhvan』(トリャドヴァン)
山に登っているぶんざいで相当な方向音痴であり、GoogleMapのGPSもヨタヨタだし、初手から盛大に迷う。おいグローバル企業がんばれや。ナビがヨタヨタやぞ。どこ。
からくも到着。
両脇を集合住宅に挟まれた古民家、長江家住宅。
内部について、作品・物件の写メやコンデジ撮影は可だが、SNS等での露出は不可とのことである。( ゚q ゚ )ウエエエエ。無念。住宅の味わい良かったんだけどな。無念。
2階の窓ガラスは大きくて少し気泡の入ったもので、和ぁすてきですねとか言っていたら、「ガラスを作れる人がもういないので、それ割ったら一枚で家が建ちます」と言われ、kyotoには鬼が棲んでいると思った。
夏は涼しく、冬は寒いという京町屋ゆえ、持ち主は別邸に住んでいるとのこと。
作品と作者について、
紹介できる材料がチラシしかないのでこれで。
(写真集欲しかったんだが限定品で高価なため断念)
古賀絵里子氏の本展示「Tryadhvan」は、
作家として、人間として、母としての生命が乗りきった作品で、
優先順位を上げて観に行くべきと思います。
作者と作品については配布された紙に詳しく載っている。
『これまでの私の作品には「生と死」という根源的な自然の営みが流れているように思える』との作者の言葉どおり、前作の高野山の作品集からも、魂のようなものが写り込んでいる。
本展示は、
仏教界-お寺の世界から、先祖~家族、縁を巡って、
作者個人の人生へ到り、
命を宿して、その子が生まれ、眼を世界に向けていく
という、命の光の回廊を一歩ずつ歩む行程を体感できた。
『古賀絵里子は、ここ数カ月間、限界的な日々を生き抜いてきた』という一言がおそろしい。明確な解のない領域へ踏み込み、行き方も帰り方も誰も知らないところへと分け入っていたことをうかがわせる。
写真1枚1枚に作者の命が乗っている、内側から光っていて、光があふれているという、優しい凄味のある作品でした。自分なるものが今此処に存在しているということ、日々生成する出来事や他者が在るということ、そして写真という手段を用いること。それらを真に折り合わせて1枚1枚に表すことができた、素晴らしい作品だと感じました。そこまで辿り着ける人間は稀有であると思います。
/(^o^)\
同世代でこないすごい人がいるん
だから私にできることはひるめしにオムライス
食うことぐらい
ですよ。
※オムライスは美味かった
○(KG+)No.35_The Terminal KYOTO/『室礼―Offerings―Ⅱ』(作者・作品多数)
「KG+」とは、今後の活躍が期待されるアーティストやキュレーターの発掘を目的としたプログラムで、KYOTOGRAPHIEと同時並行で開催されている展示である。
前回2015年ではKG本編の巡回だけで手一杯だったが、今回は歩いていて会場に出くわしたので、潜入してみた。
「The Terminal KYOTO」という、こちらも古民家を改修した会場。
リノベーションと言っても「復元」を旨とし、元ある姿に戻したもの。
鈴鹿芳康(すずか やす)氏『解脱したシャツ』
様々な分野で活躍する人の、年季の入ったワイシャツを和紙のように砕いて手漉きで再構築する作品。
こちらは細江英公氏の?だったと思う。
鈴鹿氏のHPでは一般の人のシャツ解脱も受け付けている。
細江英公氏の写真。
中庭があって、その奥はカフェ。
たたみで寝ころびたいんですけど。
うわあ(´-`) 寝たいなあ
信ヶ原良和氏の蝶。
上の窓からもちょうちょ見える。
中庭が夢の空間に。
マイケル・ウッド&ジュリー・デュボゼの映像作品。
おねえさんのタイツ脚に異様に反応してしまう私。
2Fもあるんだ。
和室の隅に白い結界が。
面屋庄甫氏の白い世界。
ピンホールの風景写真集があるなあ。
あれ? 鈴鹿芳康・・・
さっきワイシャツを解脱させてなかったっけ
→ 同一人物でした。
自己紹介で「アクは強いが、やわらかい」と記載するなど、ファンキーな方であることがうかがえる。
解脱したシャツ。
粘菌状のものも存在する。
うら ゆかり氏
古民家とか神社とか、陰のあるところにぴったり。
好きだなー。
◆(同会場・防空壕)山本晃久『切支丹魔鏡』
私が「The Terminal KYOTO」 で推す最大のポイントは、防空壕である。
あるんだよそれが。
昭和生まれとはいえ、私はバブルの手前で生まれたため、戦争体験がなく、半ば伝説の概念となっていた防空壕。
そして魔鏡。
防空壕と魔鏡。偶然入った先ですごいものが待っていた。
ちなみに作者の山本晃久氏は、「山本合金製作所」にて魔鏡を手作りする日本最後の鏡師。
工房というより神事の場。
1か月かけて鏡面をミリ単位で削る。鏡面の厚さが1㎜にまで薄く磨かれる。
薄くしすぎると割れてしまい、厚すぎると像が出ない。
鏡の背面に型を彫っておき地金を流し込む。
魔鏡の仕組みがよくわかりますね。
キリストの絵の裏には鏡面があって、それを硬さの異なる炭で磨いていくと、光が乱反射してこの像が反射光の中に浮かび上がる。
もう一つの防空壕では、魔鏡に光を当てて実演。
1軒の家で防空壕が2つもあるのがすごい。普通まず地下ないよね
魔界へ誘われるような気配がする。
太古の昔に、何の模様もない円盤から、映像を壁などに投影することができたら、人心を揺るがす効力は絶大であったと思う。
防空壕のにおいは、大学の写真部暗室と同じにおい
がしました。
大学4年間何から避難していたんだろうなあと
思いまし た ( ´-`)
◆(同会場)シュヴァーブ トム『Pause with White and Orange』
最後に紹介するのはうって変わって最新の映像テクノロジー作品。
( ゚q ゚ ) うまが長い。
どどどどうなってるの。
ご丁寧にも撮影方法が書いてある。
「この写真は、三脚に固定されたカメラからスキャンされたものである」「よってその前を通過するものだけが認識される」 うむ、ぜんぜんわからん。
2か所回っただけで濃密すぎるひと時でした。
\(^o^)/ KYOTOGRAPHIEは5/22(日)まで。