nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【写真展】R5.1/11~5/7「川内倫子と滋賀」@滋賀県立美術館

滋賀県出身の川内倫子の大規模個展「M/E 球体の上 無限の連なり」と並行して催されている関連特集展示がこちら「川内倫子と滋賀」展で、特に滋賀と関わりの深い作品、そして県内の障がい者施設「やまなみ工房」を舞台とした作品<やまなみ>シリーズが数多…

【写真展】R5.1/21~3/26「川内倫子 M/E 球体の上 無限の連なり」@滋賀県立美術館

地球と私。近代的な写真の主要エッセンスを存分に活かした本展示の作品群は、近代写真の終着点の一端を語るものではないだろうか。 【会期】R5.1/21~3/26

【学生】R5.2/20~3/4 京都芸術大学/大学院(写真・映像)+東京工芸大学 共同選抜展「写真は変成する3 インタープレイ/相互に作用するということ」@京都芸術大学ギャルリ・オーブ

「写真は変成する」展は、大胆に「写真」を慣習や約束事から突き放すように変成・流動させる、刺激的な実験の場である。3回目となる今回は京都芸術大学だけでなく東京工芸大学との共同展となった。 変成、実験、試行と展示。今回は今までになく思う所、考え…

【学生】R5.2/4~12_2022年度 京都芸術大学卒業制作展・大学院修了展④「写真・映像コース」@未来館2F

京都芸術大学の卒展・修了展、「写真・映像コース」未来館2階の展示レポです。他のコースの展示も一部あったのだが、数が多い!(嬉しい悲鳴)ので、コースを絞ってお送りします。1Fから更に多彩さを増した「写真」作品が展開されたフロアでした。 【会期…

【学生】R5.2/4~12_2022年度 京都芸術大学卒業制作展・大学院修了展③「写真・映像コース」「総合造形コース」@未来館1F

京都芸術大学 美術工芸学科「写真・映像コース」展示のうち、「未来館」の1階をレポです。2階にも沢山あるので階(回)を分けてお送りします。なお、「総合造形コース」の展示も一部含まれますが、面白かったので一緒に書いています。造形も写真・映像も混…

【学生】R5.2/4~12_2022年度 京都芸術大学卒業制作展・大学院修了展②「写真・映像コース」@人間館C棟 、「京都トリエンナーレ」

京都芸術大学(旧名:京都造形芸術大学)の卒展・修了展、「美術工芸学科」の「写真・映像コース」鑑賞レポです。 二つのコースが合体した関係でややボリュームがあるため、ここでは2つの棟で展開されているうち「人間館C棟」での展示(2作品)と、また別…

【学生】R5.2/4~12_2022年度 京都芸術大学卒業制作展・大学院修了展①(染織テキスタイル、総合造形)

京都芸術大学の修了展です。まず染織と総合造形から。 「染織テキスタイルコース」は織物・染め物を用いた造形芸術という感。 「総合造形コース」は、分類が難しいが、「彫刻」でもない。モノに寄ってもいいし映像でもいい、何でも可という感じ。 ( ╹◡╹) 【…

【ART】R4.12/23~R5.3/13「杉本博司――春日神霊の御生(みあれ)」@春日大社国宝殿、若宮

「奈良で杉本博司」「春日大社の宝物殿で杉本博司」と断片的な展示情報を聞いていたが、例によって下調べはせず現地に行ってみたの巻。杉本の個展ではなく、氏のプロデュースによって杉本個人の制作した作品 × 春日大社などの寺社が所有する宝物を展開してい…

【写真展】R4.11/12~R5.2/5「藤岡亜弥 New Stories ニュー・ストーリーズ」@奈良市写真美術館

2017年・第41回伊奈信男賞、2018年林忠彦賞&木村伊兵衛を受賞した代表作「川はゆく」に新作を加えて再編集した「傷ついた風景の向こうに」のほか、「かわいいだけじゃダメかしら」「ニエプス巡礼」「ホームアローン」の計4テーマが紹介された。 【会期】R4…

【写真展】R4.12/7~R5.1/28 林直「いのちのとなり」@BLOOM GALLERY

様々な制限を強いられた新型コロナ禍の「日常」を見つめる中で、大いなる生命力を見出し、作者=写真はより大きな世界に辿り着く。冒頭の古い地球儀はその気付きの象徴である。 【会期】R4.12/7~R5.1/28

【ART】R4.11/12~12/25「Sense Island-感覚の島-暗闇の美術島 2022」@猿島、横須賀

夜の無人島「猿島」内に置かれたアート作品を、渡されたライトで足元を照らしながら鑑賞して回る企画。いやあそういうの大好きやよ。なんと写真家の参加もかなり多い。やった。 だがしかし本企画の主眼は、単に「アート作品を見せる」というより「デジタルデ…

【写真展】R4.11/19~R5.1/22 星野道夫「悠久の時を旅する」@東京都写真美術館

長年、自分の中にあった疑問を解くために、観に来ました。 ワタリガラスの伝説に感染するの巻。 【会期】R4.11/19~R5.1/22

【写真展】R4.10/7~R5.1/22 野口里佳「不思議な力」@東京都写真美術館

「不思議な力」とは、何の力を指すのか? 作者のいう力と、展示から感じた力の2点からレポします。 【会期】R4.10/7~R5.1/22

【写真展】R4.12/17~R5.1/22 プリピクテジャパンアワード「fire & water」@東京都写真美術館

第3回となる国際写真賞「プリピクテ」の日本を拠点とする写真家を対象としたアワード。8名がショートリストに選ばれ、「火と水」に関する作品として、これまでの代表作を展示していた。 見ごたえはもちろん、今注目しておくべき若手~中堅の写真家を一度に…

【写真展】R4.12/13~18 ヒガシジユウイチロウ「A=A A≠A The Proxy for what have seen.」@KOBE 819 GALLERY

1枚の写真に2000回のコピーを繰り返すことで、オリジナル(コピー元)とコピー先は「A=A」の関係からどんどん離れていき、どこかの時点で「A≠A」に至る。 前回までの3部作では複製のプロセスを示し、その前後を比較・対比させて提示したが、今作では次のプ…

【写真展】R4.12/13~25 熊谷聖司「心」展示&全作品プリントビューイング@ギャラリー・ソラリス

2020年の写真展<こころ>で発表されてからも、継続して制作されていたカラーフィルム写真のシリーズ。2022年8月に写真集 『心』(蒼穹舎)の発刊と東京での展示を経て、12月にはこの大阪での展示となった。 写真集は59点、本展示はその中から20枚の作品で構…

【写真展】R4.12/1~11 小池貴之「浜さ」@galleryMain

フィルム、大判・中判カメラ、鶏卵紙という古典技術を総動員した写真作品。被写体も特別なものではなく、作者の実家のすぐ前の海である。だが写し取られた海の風景は、遠い記憶・心の中に息づいた光景となって表れる。 【会期】R4.12/1~11

【ART】R4.12/3~11 高橋大雅「不在の中の不在」@建仁寺塔頭両足院、HOSOO GALLERY

デザイナー/現代美術家・高橋大雅(タイガ・タカハシ)の「初の個展」。2022年4月9日に当の本人は亡くなっている(享年27歳!)が、本人「不在」を感じさせない存在感があった。高橋大雅という存在を1ミリも知らなかった筆者が手探りでレポする。 【会期】…

【写真展】R4.12/6~11 吉田幸治「a particular thirty-six-views」@ギャラリーTAJIRO祇園京都

葛飾北斎「冨嶽三十六景」の描かれた場所を辿り、それぞれの図を成立させている画面内の「コンポジション」(構成)に注目して、再構築を試みた写真である。デザインと写実の差異が示される。 【会期】R4.12/6~11

【写真展&トーク】R4.11/18~30 青木大祐「vanitasism」@新宿眼科画廊

自分の口にモノを詰め込んだセルフポートレイトにカビを生やす、3部作の完結編。第1部「Absorber」は食べ物、第2部「JANUS(ヤヌス)」は花、そして今作「vanitasism(ヴァニタシズム)」は「文明」がテーマ、様々な人工物を模した小物が登場する。万物を受け容れ…

【写真展】R4.11/5~27 吉田亮人「The Dialogue of Two」@RPS京都分室パプロル

前作で、従兄弟と祖母の深いつながりと唐突な死別について表した作者だが、語り尽くしたに見えた死と喪失について時間をかけて問いを重ね、新たな視点と解釈から作品を進展させ、写真集を新たに編み直した。それは多視点を織り込んだ、新しい写真集であった。…

【写真展】R4.10/28-30、11/3-6 波多野祐貴「接触と沈殿」@スタジオ ツキミソウ

本作「接触と沈殿」は一変して、特定の場所や時代を指さず、喜怒哀楽のどれにも属さず、一見何気なく、何も語っていないように見える。しかし明らかにある目的とコンセプトを持って撮り溜められ、配列されている。ポリフォニーと感応に向かって。 【会期】R4…

【写真展】R4.10/21~11/1 山下豊「439 ROUTE2」@gallery 176

「酷道ヨサク」シリーズ、第2弾。 今回のヨサクは廃でも酷でもない、生き生きとした姿。実に多彩である。 【会期】R4.10/21~11/1

【学生】R4.10/15~11/3 「大阪芸術大学写真学科選抜展 NEXT 2022」@SONY αプラザ大阪

美大・芸大、専門学校の卒展といえば通例、毎年2~3月に催されるものだが、大阪芸術大学(略称「大阪芸大」)・写真学科の選抜展は秋にも開催されている。今回も、生徒各人の個性的なテーマや手法に基づいた作品が展開された。個人的に興味を抱いた作品・…

【写真展】R4.10/11~16_加藤ゆか「四畳半に花一輪」@enoco(江之子島文化芸術創造センター) 

東京とYouTubeをベースに活動している写真家・加藤ゆか。自身のチャンネル「東京カメラ」の更新頻度が目覚ましく、YouTuber写真家と呼ぶにふさわしい。だが本質はガチな写真家であり、展示はなんと今年5回目を数える。 作品は、コロナ禍中に夫婦2人で敢行…

【写真展】R4.8/27~11/6 太田順一「ものがたり ものの語りに目をそばだてる」@入江泰吉記念奈良市写真美術館

関西を拠点に息の長い活躍を続けてきた、写真家・太田順一の特集展である。本展示では5つのシリーズから構成され、それは人の生活の残響を肖像写真のように表し、そしてある種の無常観へと繋げていた。 【会期】R4.8/27~11/6

【写真展】R4.9/17~10/15 渡邊耕一「毒消草の夢 デトックス プランツ・ヒストリー」@The Third Gallery Aya

薬効ある植物を求めた知と流通の歴史は、あらゆる人文学の領域にまたがっていた。古い書物に描かれてきた植物の図像と、植物が実際に繁茂する写真とが、数百年の時空間を跨ぐ物語を紡いでゆく。 【会期】R4.9/17~10/15

【映画】R4.9/27上映_足立正生 監督「REVOLUTION+1」@出町座

2022年7月8日、安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者をモデルとした映画を、安倍元首相の国葬のタイミングにぶち当てて全国各所で上映するという企画。 見どころは、元・日本赤軍メンバーでありパレスチナ人民解放戦線のゲリラ隊にも加わった足立正生監督が、…

【ART】R4.9/8-11・15-19 林勇気「君はいつだって世界の入口を探していた」@クリエイティブセンター大阪

大量の写真を取り込んでアニメーション化したり、他者の撮影した写真や動画を元に物語りを加えて作品化したり、活動の目覚ましい映像作家・林勇気の大規模な個展である。 CCO(名村造船所跡地)2階から4階までの広大なフロアを使い、各階で異なる展示形式…

【写真展】R4.9/6~11 湯澤洋(汤泽洋)「我我 ワレワレ」@同時代ギャラリー

作者も取材先の被写体らも、日本の大学で学ぶ「中国人留学生」である。同じ境遇の士ならではの視点でポートレイト、部屋の中を撮ったドキュメンタリー。本展示では、部屋を借りて住みついても、またすぐに進学や就職で部屋を空けて移ってゆく、その軽さを表…