「植物図鑑」を標榜した中平卓馬とその作品・表現行為が、蛇のごとき滑らかな鱗を持つ爬虫類、時を渡る蛇のように立ち現れたのだった。
抑制の効いた写真の流れ。登場人物それぞれの存在という「糸」を等しく、一定のペースで編みこんで、一枚の「布」へと成らしめるがごとき作品である。23歳の作者が16歳の頃から撮り続けてきた「家族」は、文体によって貫かれていた。
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白と黒のジャージ?のフードを頭にすっぽり被った非白人の男女が、向かい合って苗木を触っている。その下にタイトル「RECOVERY 回復する」と来る。それだけで十分だった。私は四国に渡り、丸亀に来た。
続きを読む山羊の肺は、戦争で何もかもを失った沖縄を支えた、女たちの体と息吹を象徴しているのかもしれない。
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