nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【写真展】R4.7/2~8/21 新鋭展(鵜川真由子、野口靖子、石井陽子)@奈良市写真美術館

若手写真家3名を取り上げた「新鋭展」。統一したテーマではなく三者三様の作品だ。

何が「新鋭」なのか?

実は特別な「新しさ」はない。むしろこれまで地道に続けてきた表現が評価され、開示されている。鑑賞者がそこに「今」の眼で解釈を行うのだ。

【会期】R4.7/2~8/21

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【写真展】R4.6/11~24、7/16~25_千賀健史「Hijack Geni」@Reminders Photography Stronghold Gallery

6月でいったん会期終了した展示が、7月中旬から第2期として再開された。特殊詐欺、通称オレオレ詐欺を題材とした作品は、作者自身の顔を加工して詐欺の加害者「受け子」と被害者である高齢者との双方を演じ、架空の人物・プロフィールを大量に作出している。

それら膨大な「虚」を支えるのは、リサーチによって集められた多数の統計等のデータと、それによって導かれる特殊詐欺グループ加担者ら側の現状という「現実」である。

 

【会期】R4.6/11~24+(延期)7/16~25

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【写真展】R4.7/16~8/2 インベカヲリ★「たしか雨が降っていたから、」@GALLERY KTO

ファッション店目当ての若者が往来する裏原宿キャットストリート沿いの物件の一室に小さなギャラリーがあり、展示2日目ということもあってひっきりなしに来客が訪れ、賑わっていた。

2002~2004年の最初期の作品と、2013年以降の現在の作品、計14点が展示され、他に多数の著作物がテーブル上やガラスケース内で提示された。

この、最初期の作品と現在作品との対比ができたことが、非常に有意義だった。

【会期】R4.7/16~8/2

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【ART】R4.7/6~11「ART OSAKA 2022」Expanded Section@クリエイティブセンター大阪(1~2F)

第20回目のアートフェア「ART OSAKA 2022」大阪市中央公会堂とは別に、大きなインスタレーション作品などは住之江の北加賀屋にある「クリエイティブセンター大阪(CCO)」で展開された。こちらは会期が少し長く6日間となっている。

全17人の出展のうち、気になった作家をピックアップしてレポしたい。本稿では全4階あるうち1~2階を紹介。

【会期】R4.7/6(水)~7/11(月)

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【ART】R4.4/9~7/18 「モディリアーニ ―愛と創作に捧げた35年―」@大阪中之島美術館

みんな大好きモディリアーニヽ(^。^)ノ 

御多分に漏れず私も何故か素通り出来ない。なんでか見てしまうのなんでだろう。駆け込みで展示観てきましたレポです。

だって 呼んでるんやもん 眼が( ´ -`) 

【会期】R4.4/9~7/18

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【ART】R4.7/8~10 「ART OSAKA 2022」Galleries Section(写真関連) @大阪市中央公会堂3階

今回で第20回目となる大阪版・現代美術のアートフェア「ART OSAKA」は、大阪市中央公会堂「クリエイティブセンター大阪(CCO)」の2会場で開催される豪華仕様。前者はギャラリーセクションとして3日間、後者は大型のインスタレーション作品展示として6日間の開催となった。

7/8(金)は、中央公会堂に集まった54軒のギャラリーの出品作を鑑賞した。多くは絵画だったが、うち「写真」に関係する作品が幾つかあったので紹介する。

【会期】R4.7/8~10  写真は「The Third Gallery Aya」展示ブース。

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【写真展】R4.6/26~7/30 上田順平「形見の鏡」@ビジュアルアーツギャラリー大阪

シンプルに美しく純度のある家族写真だが、構図が良い、差し込む光の具合が良い、色味が良い、愛情あふれる眼差しの温かさが良い。などと言っていても始まらない。

本作は、作者の身に起きた過去の出来事と、2016年に発表した作品、そして両親が作者に注いできた眼差し対する「鏡」である。

 

【会期】R4.6/26~7/30

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【映画】R4.6/24公開_河瀨直美監督「東京2020オリンピック SIDE:B」

客入りが芳しくないまま2部作の前編「SIDE:A」はあっという間に上映回数を激減させて3週間で上映を終え(TOHOシネマズ梅田、6/23終了)後編「SIDE:B」が6/24(金)より始まった。

「SIDE:B」は五輪開催に向けて動いた組織委員会IOC・バッハ会長をはじめ、現場を支えた人達を捉えた映像集で、相変わらず重要な記録となっている。だがアスリートの内面や実情を語った「SIDE:A」と比べると、本作はより東京2020オリンピック」の政治的本質に関わるところでもあるため、注意点がある。

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【映画】R4.6/3公開_河瀨直美監督「東京2020オリンピック SIDE:A」

「750日 3000時間の「事実」と「真実」。」硬質なコピー、大会ロゴと映画タイトルのみという叙情性や感動を排したシンプルなポスター。公式サイトも情報は最小限で、パンフレット等もない(会場には売っていなかったが、上映館で販売とのこと。まじすか(><))東京五輪の記録映画ということだけが分かる。

「SIDE:A」と「SIDE:B」の2部構成で異なる視点からの記録が行われたうち、アスリート側の記録を物語るのが本作「SIDE:A」だ。

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【写真展&トーク】R4.6/17~28 村中修「Still Lifes on Slow life 2020-2022」@gallery176

ビジュアルアーツ専門学校で約40年間勤務し、2014年から大阪校で校長を務めた作者。2020年3月をもって定年退職となり、新型コロナ禍での自粛と重なる生活(Slow life)を送る中で、自宅で撮られた静物写真(Still Life)を発表する。

また、トークでは学生時代(当時「大阪写真専門学校」)に出会った、写真同人誌『地平』に代表される70年代の写真状況、大阪の写真文化を踏まえ、教員となり現在に至るまでの作家活動が紹介された。

 

【会期】R4.6/17~28 / 【トーク】R4.6/17

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【展示】R4.4/16~6/19「庵野秀明展」@あべのハルカス美術館

庵野秀明をつくったもの 庵野秀明がつくったもの そして、これからつくるもの」、その通りの回顧展だった。

稀代の監督・プロデューサーはどこから生まれたのか? その豊富なサブカルチャーの土壌と現場、そして庵野が関わり、庵野から生まれた名作の数々について多くの資料が明かされた。ルーツとなる特撮番組、学生時代の作品、関わったアニメ作品、旧エヴァ、新エヴァ、そして『シン』シリーズ…

【会期】R4.4/16~6/19

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【写真イベント】R4.6/11 大阪写真月間2022 記念シンポジウム「美術館における写真コレクション 中之島美術館を中心に」(飯沢耕太郎、菅谷富夫)

「大阪写真月間」では、2004年から毎年、写真家や評論家などの写真関係者を呼んで記念シンポジウムを開催している。今回は、写真評論家・飯沢耕太郎氏と大阪中之島美術館・菅谷富夫館長が登壇し、日本の美術館で写真が取り扱われるようになった歴史と、大阪中之島美術館における写真作品のコレクションについて講演が行われた。

 

【開催日】R4.6/11(土)14:00~16:30

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