nekoSLASH

ねこが超です。主に関西の写真・アート展示のレポート・私見を綴ります。

【展示】小原真史「イッツ・ア・スモールワールド:帝国の祭典と人間の展示」@京都伝統産業ミュージアム

 「KYOYO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2021」の一環として催された企画。多数の資料を展示し、かつて帝国主義の時代、万国博覧会などの展示が持っていた支配的な視座の歴史を示す。

 

( ´ ¬`) 引き込まれてなかなか見終われなかった。。。

 

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【会期】2021.2/6(土)~2/28(日)

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【写真展&トークイベント】R3.1/17_勝又公仁彦・鈴木崇「Sync - eternal commons / ephemeral being -」@GOOD NATURE STATION

京都・四条河原町に2019年12月に開業した「GOOD NATURE STATION」・ホテル棟4Fのギャラリースペースにて、展示『Sync - eternal commons / ephemeral being -』が開催されている。写真家・勝又公仁彦と鈴木崇の二人が、タイトルの『Sync』に基づき、共に作品を展開する。

二人の作品の観賞と、1/17(日)に催されたトークの内容をレポートする。

 

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【会期】2021.1/14(木)~2/28(日) 

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【写真展】R2.12/28~R3.1/11_Kawatou(カワトウ)「MY KING IS ANALOG AGITATION」@galleryMain

会場の壁をずらりと埋めるのは空き地の写真群だ。場所も分からず、主たる眼前の対象もない。不在の風景ということになるが、しかしこれらの写真には多くのものが写っていて情報量はむしろプラス側にあるため、「不在」の語義とこの写真群が現わすものとは折り合わない。「ない」はずの場所を眼は何かあるものとして見てしまう。

 

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【会期】2020.12/28~2021.1/11(月)

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【ART】R2.12/4~R3.3/7_2020年度 第4回コレクション展(三島喜美代、中村裕太)@京都国立近代美術館

企画展「分離派建築会100年 建築は芸術か?」とほぼ同時期に開催されていたコレクション展の大部屋で、三島喜美代のコミカルかつ高クオリティな「割れる」新聞・雑誌、空き缶がごろごろと転がっていた。非クールなポップさが楽しい。

合わせて、「エデュケーショナル・スタディーズ」企画として中村裕太、安原理恵が石黒宗麿(いしぐろむねまろ)の陶片に触覚で向き合う仕組みを作る。

 

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【会期】2020.12/4(木)~3/7(日)

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【映画】セルゲイ・ロズニツァ<群衆>ドキュメンタリー3選_「粛清裁判」「アウステルリッツ」

カンヌ国際映画祭で二冠、近作10作品すべてが世界三大映画祭に選出されている日本未公開の鬼才』との紹介に押されて観に行った。

歴史、政治を下支えし、その原動力となる存在――「群衆」に目を向けた

 

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【写真展】R2.12/19_小池貴之「Домой ーシベリア鉄道ー」@galleryMain

美しく暗いモノクロフィルムでの旅写真。タイトルのロシア語「Домой」(ダモイ)「家へ・故郷へ」といった意味があり、単独で使われる時には「家・故郷に帰る」という意味を持つ。 

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【会期】2020.12/15(火)~12/20(日)

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【ART】R2.12/19_中谷芙二子×高谷史郎「霧の街のクロノトープ」@京都・北河原市営住宅跡地

霧の彫刻家・中谷芙二子が京都の空き地で霧を噴かせていて、会期がもう終わる、と聞いて、いそいそと駆け付けます。ました。いそいそ。

 

中谷芙二子作品は、アートイベント好きな人間だと横トリや瀬戸内で出会ったことがあるかもしれません。場に立つとシューシューいい始めて、どこからともなく霧が立ち込めてくるという、形なき環境・体験型作品で、言葉で言うと地味ですが、体験するとなかなか非日常です。

 

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【会期】2020.12/5(土)~12/20(日)

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【写真展】R2.12/18_松原豊「Local public bath ”Sento”」@gallery 176

作者の居住地である三重県の銭湯を撮影した作品群。店の外観、入り口や脱衣場、浴場などを淡々と、力強く記録している。現役の施設の活きの良い姿を押さえているため、建物や内装は古いのに、不思議とノスタルジー感がなく、現在性が強い写真なのが驚きだ。 

 

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【会期】2020.12/4(金)~12/20(日)

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【写真展】R2.12/18_内倉真一郎「私の肖像」@BLOOM GALLERY

内倉氏の名と代表作は写真新世紀やEMONの受賞などで、Web越しに度々目にし、神秘的なムードを湛えた赤ちゃんの写真が印象に残っていたが、まとまった数の生作品と対面するのは初めてだった。

本作では表情以前の表情、喜怒哀楽のどれにも当てはめられない、意識の追いつく前の顔と身体が現わされている。それは仏像のような佇まいだった。

 

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【会期】2020.12/5(土)~12/26(土)

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【diary】R2.12/15(火)_おたよりをもらう(妹尾豊孝氏、sunsara 三井弘子氏)

12/15(火) 寒波でつらい。つらい。つらい。

 

いつものように死んだ目で家に帰ると、ポストに二通の封筒が。

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封筒。最近見ないですよね。いただくのは久々です。犯行予告でしょうか。裁判所からの訴状でしょうか。ドキドキ。

 

【写真展&トークイベント】ヒガシジユウイチロウ『A=A A≠A(Ring)』@KOBE 819 GALLERY

『A=A A≠A』(エーイコールエー、エーノットイコールエー)「1枚の写真プリントAを2000回繰り返しコピーする」手法により、作者の思考を鑑賞者に我が事として染み入らせる。それと同時に、ある具体的な像Aが名状しがたい化け物のような像へ変貌してしまう衝撃を見せてくれる。本展示『Ring』はその三部作の締め括りとなる。

 

ここでは12/12(土)晩に行った作家・ヒガシジユウイチロウ氏と、ギャラリスト・野元大意氏との3人トークショーを踏まえた作品のレポートを通じて、作品の問いかけるものについて、トークでは語り切れなかった部分を考えたい。 

 

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【会期】2020.12/12(土)~12/20(月)

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【写真展】白石ちえこ『鹿渡り』@ギャラリー・ソラリス

会場が白い。

 

壁面の白さと額装の白、そして写真の白とが雪の世界を演出する。写真はモノクロだが、白と灰色がほとんどで「黒」という色を感じさせない。厳しい北海道の冬、雪が視界を支配する世界が現わされている。 

 

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【会期】2020.12/1(火)~12/13(日)

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